1. 釧路グルメ おすすめの味わい方、楽しみ方

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

釧路グルメ おすすめの味わい方、楽しみ方

  釧路は北海道でも有数の食の宝庫。魚介はもちろんのこと、独自の発展を遂げたグルメが盛りだくさん。そんな釧路グルメの魅力をご紹介。

和商市場の「勝手丼」は店員さんとのおしゃべりが楽しい

  道東の釧路では主に魚介を中心に独自の食文化が形成されている。釧路の有名グルメといえば、なんといっても「炉端」である。宮城県の仙台市で発祥した炉端焼きは、釧路で独自の発展を遂げた。釧路近海で水揚げされた旬の魚介を伝統的な焼き台で調理する炉端の店は今もなお増えている。

ほかにも、釧路には土地に根づいた多くのグルメが存在する。北海道では誰もが知る鶏のからあげ「ザンギ」は、釧路ではソースをかけたり、また特製のタレをかけたりという独特の食べ方で親しまれている。道東屈指のグルメエリア・釧路の食文化を紹介。旅行の折にその年、その時にしかない“旬”を味わおう。

取材・文/たびらい編集部 更新/2016年 6月


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釧路グルメの達人
(ふくだ みつひろ)
福田 充宏さん

釧路グルメの達人
  釧路観光コンベンション協会職員。道外の旅行会社と連携をとり、大会・学会など団体を対象にした誘致推進を行う専門員。設備関係の企業から、縁あって釧路市の国際観光交流センターに勤めることに。写真撮影、釧路ラーメン・蕎麦屋巡りを休日の趣味とする生粋の釧路っ子。

海鮮を焼く「炉端焼き」は釧路独自のスタイル

港まち釧路に集まる新鮮魚介を、そのまま焼いて食す「炉端焼き」

  釧路名物「炉端焼き」は、今から50年ほど前、宮城県・仙台市の「炉ばた」からのれん分けを許された弟子が釧路で開いた「炉ばた」から始まった。魚介を網にたっぷりと乗せて炭火で焼くのが釧路流。野菜などを網焼きにするのが発祥の地仙台の「炉ばた」だが、魚介の炉端焼きを始めたのは釧路が元祖と言われている。

炉端焼きには、コの字型の座席の真ん中で熟練スタッフが目の前で焼いてくれる形と、自分で自由に焼きを楽しむ形のふたつのスタイルがある。店員が焼いてくれる店舗は趣き豊かだが座席数が多くはないので、大勢でワイワイと楽しむなら自分で焼くスタイルがおすすめだ。

達人のおすすめは「フィッシャーマンズワーフMOO」の脇にシーズン限定で登場する「岸壁炉ばた(がんぺきろばた)」。屋外で炉端焼きを楽しめるところは釧路市内でも少なく、貴重なグルメスポットだ。「8月末~9月には沖に出るサンマ漁船が背景となり、ロケーション的にも素晴らしいです。夏のシーズンには行列ができる人気なので、早めに来てくださいね」。

この「岸壁炉ばた」だけでなく釧路の専門店舗はどこも人気が高いので、予約するのが好ましい。

店員さんとのやりとりが面白い!「和商市場」で海鮮丼づくり

さまざまなネタが揃う和商市場の鮮魚店。これが勝手丼の具材だ

  今や道内の数多くのホテルで提供され、旅行口コミサイトの人気ランキングでも高く評価されている「勝手丼」。これは、白いご飯(または酢飯)に好きな海鮮ネタを思いつくまま勝手に乗せてつくる自由な“丼スタイル”だ。実は、この勝手丼は「釧路和商市場」が北海道の夏に訪れるライダーたちに魚介の切り身を安く提供したのが始まり。

まず惣菜屋で大・中・小の丼を自分で選び、ご飯を購入。ご飯の入ったお椀を持って市場内の鮮魚店などを巡り歩き、自分で好きなネタを好きなだけ買って乗せる、というのが和商市場の勝手丼のつくり方。ひと切れいくらの世界なので、それほど値切ることはできないけど、店舗ごとにサービスは期待できるかも。積極的に店員さんとコミュニケーションをとって、海鮮丼を楽しんで。

「釧路は港まちなので、和商市場の海鮮ネタは一年中豊富で新鮮です。営業中なら時間は関係なく楽しめますが、店を開けたての時間より9時くらいの方が種類がたくさん揃っていて選びやすいですよ」と福田さん。1000円~2000円ほどでオリジナルの海鮮丼を十分に満喫できるはずだ。

釧路の旬、晩春の「トキシラズ」と秋の「ししゃも」

脂が乗り、やわらかみのある身がトキシラズの特徴

  新鮮な魚介類に恵まれた釧路。道東地方は全国的にサンマや毛ガニで有名だが、釧路にはその他にも味わってほしいものがある。その筆頭が4月〜5月に水揚げされる「釧路定置トキシラズ」と、10月末~11月初旬のという非常に短い旬の「釧路ししゃも」だ。これらの魚は「釧路地域ブランド」として名づけられている。

トキシラズとはシロザケの一種。通常、シロザケは秋口がシーズンだが、トキシラズは季節外れに獲れるサケで、一般的なものより脂が乗っており、やわらかみのある身が特徴だ。「このトキシラズやシシャモは季節になると、市内の炉端焼きの店舗や釧路和商市場でも扱われるので、ぜひ味わってみてください」。

また、釧路名物ともいえる旬のサンマを味わうなら、秋のグルメイベントにも注目。毎年9月の第1金曜日から開催される「釧路大漁どんぱく」では焼きサンマの振る舞いもある。

イベントも開催されるほどの人気。釧路でザンギ・ザンタレ体験

ザンギは釧路が発祥の地と言われている

  北海道で鶏のからあげは「ザンギ」と呼ばれる。釧路市のザンギは1960年に釧路市末廣商店街の店舗が提供したものが始まり。中国料理「炸鶏(ザーギー)」に由来しており、食べた人に「運(ん)」がつくようにとの思いを込めて「ザンギ」と名づけられたそうだ。この「くしろザンギ」は、ニンニク醤油味の一般的なものとは違い、味のついたからあげにウスターソースやこしょう、店が用意した特製のソースをつけて食べるというスタイル。釧路駅近くの名店「鳥善」では骨付き・骨なしのザンギを提供しており、持ち帰りもできる。

また近年は、釧路発祥のもうひとつのザンギ「ザンタレ」の人気が急上昇中。こちらはウスターソースではなく、ザンギに甘酸っぱいタレを絡めたものだ。各店舗が工夫を凝らした「ザンタレ」をつくっているので試してみよう。例年7月末に開かれる釧路のグルメイベント「ご当地グルメの祭典in釧路幣舞」でも「くしろザンギ王決定戦」「ザンタレ王決定戦」などのプログラムが実施されており、人気イベントとなっている。くしろザンギ・ザンタレともに単品で600~700円ほどが目安だ。

釧路ラーメンと蕎麦、釧路にふたつの麺文化あり

かつおだしのさっぱりとした味わいが特徴の釧路ラーメン

  釧路には札幌・函館・旭川ラーメンに引けを取らない、独自の発展を遂げた「釧路ラーメン」がある。卵を使わず小麦粉のみの白い細縮れ麺が特徴。凍えるような海から戻った漁師たちにいち早く提供するべく細麺になったといわれている。漁師たちの身も心も温めてくれる定番の一杯として親しまれてきた。

あっさりとした醤油味の釧路ラーメンは何度食べても飽きがこない。現在では各店が工夫をこらした釧路ラーメンを提供しているが、繊細で素朴な味わいは昔も今も変わらず、食する人の心を満たしている。

さらに釧路にはもうひとつの麺がある。それが「蕎麦」。釧路には伝統的な製法の蕎麦から特産品を使った創作蕎麦など数多くのそば屋がある。なかでも日本庭園を望みながら蕎麦を楽しめる「竹老園 東家総本店」は、140年の歴史を持つ老舗で、ここからのれん分けをした店舗は道内のあちこちに「東家」の名を継いで存在している。釧路そば商組合に加盟している店舗は24軒。そば会席やそば寿司、味噌ざるなど店によってメニュー・味が違うのも特徴だ。健康維持や血行促進によいといわれる蕎麦を旅の締めに味わってみよう。


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編集部イチオシ!釧路の楽しみ方とグルメ情報

釧路定番のグルメスポットとイベント

  ここはハズせない! 釧路ビギナーも訪れやすいグルメスポットを中心に紹介。

おすすめポイント
  「釧路和商市場」は今や北海道の人気ホテルグルメとなった「勝手丼」発祥の場所。営業時間は8時からだが、各店舗にネタが出そろう9時頃に訪れるのがおすすめだ。「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」の中には、全国の北海道物産展に出品されるご当地グルメ「さんまんま」を焼きたてで提供する「魚政」が入っている。これは炊き込みご飯の上に焼きサンマを乗せ、間に大葉を挟んだ風味豊かな一品。土産にしても喜ばれるので、一度食べてみることをおすすめする。

釧路を観光するなら?列車&自然観光ガイド

  釧路は市街地を離れ、周辺に広がる大自然を楽しむべきまち。その、おすすめスタイルをガイド。

  • NO1釧路ノロッコ号
  • NO2釧路川 初夏の釧路湿原
  • NO3タンチョウメイン
おすすめポイント
  釧路は札幌や函館のように市街地を観光するまちではないため、日中は郊外を中心にまわるのがベーシック。カヌーに乗って、もしくは北海道の人気観光列車「ノロッコ号」で訪れる釧路湿原の旅が人気だ。例年、「くしろ湿原ノロッコ号」は4月下旬~10月末まで運行している。また、12月~2月の冬季に人気が高まっているのが「タンチョウ」観光。釧路に宿泊し、早朝に鶴居村や釧路市阿寒町の観察スポットへ向かうのがおすすめだ。

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  • 函館グルメの定番「塩ラーメン」
  • 池田ワイン城
  • スープカレー
おすすめポイント
  札幌の味噌、旭川の醤油、ご当地グルメとして最近人気が高まっている苫小牧・室蘭エリアの「カレーラーメン」など、北海道はラーメンが市民権を得ている。函館といえばスイーツや洋食のイメージが強いが、このまちの「塩ラーメン」は非常に古い歴史がある。また、群雄割拠の戦国時代と化しているのが札幌の「スープカレー」だ。記事内では人気の6店舗を紹介しているので、ぜひチェックを!

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「釧路和商市場」までの交通アクセス

  釧路駅から徒歩1分という立地のため、どのような手段でもアクセスしやすい。だが釧路を道東エリアの観光拠点とするなら、やはり車(レンタカー)で移動するのがおすすめだ。

釧路和商市場の施設情報

  【住所】北海道釧路市黒金町13−25
【営業時間】8時~18時(日曜は8時~16時)
【駐車場】地下駐車場134台収容(2時間無料)
【問い合わせ(電話番号)】0154-22-3226

車(レンタカー)で

  札幌中心部から道央自動車道・道東自動車道(阿寒IC下車)、国道を利用して約4時間10分
たんちょう釧路空港から約30分

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電車(JR)で

  札幌もしくは新千歳空港から特急スーパーおおぞら(札幌〜釧路)で約4時間弱
※新千歳空港から出発の場合は「南千歳」で乗り換えが必要

バスで

  たんちょう釧路空港~釧路駅 約45分

釧路フィッシャーマンズワーフMOOまでの交通アクセス

  釧路駅から徒歩でも15~20分という立地のため、アクセス面は良好。空港からも連絡バスが出ており、公共交通機関でも不便はない。

釧路フィッシャーマンズワーフMOOの施設情報

  【住所】北海道釧路市錦町2-4
【営業時間】
・1階ショッピングゾーン:10時〜19時(通常期)
・2、3階レストランゾーン:11時〜22時(通常期)
【問い合わせ(電話番号)】0154-23-0600

岸壁炉ばた(MOOに隣接)の営業情報

  【営業期間】例年5月〜10月/2016年営業日:5月13日(金)〜10月31日(月)
【営業時間】17時〜21時(5.6.10月)、17時〜22時(7.8.9月)
※ラストオーダーはフード終業30分前、ドリンクは15分前
【問い合わせ(電話番号)】0154-23-0600

車(レンタカー)で

  札幌もしくは新千歳空港から特急スーパーおおぞら(札幌〜釧路)で約4時間弱
※新千歳空港から出発の場合は「南千歳」で乗り換えが必要

電車(JR)で

  札幌もしくは新千歳空港から特急スーパーおおぞら(札幌⇔釧路)で約4時間弱
※新千歳空港から出発の場合は「南千歳」で乗換えが必要
釧路駅より 徒歩15~20分程度

バスで

  たんちょう釧路空港から連絡バスで約55分

釧路グルメ旅 Q&A

Q 炉端焼きは自分で焼いて食べるの?
A 炉端焼きは基本自分で焼くのではなく、熟練の職人が焼いて出してくれるのが基本形。もちろん自分で焼いて楽しめるお店もある。
Q 秋刀魚や蟹をお土産にしたいのですがどこで購入できますか?
A 釧路駅前にある和商市場では全国配送を行っている商店が多数あるのでおすすめ。他にも、フィッシャーマンズワーフmooでも購入が可能。
Q 釧路ラーメンなら味はなにがおすすめ?
A 基本、醤油味が釧路ラーメンの定番。あっさりとだしのあじが楽しめる塩味もおすすめ。

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