1. 大門横丁 人情味あふれる函館の屋台村を満喫する方法

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

大門横丁 人情味あふれる函館の屋台村を満喫する方法

  「函館ひかりの屋台 大門横丁」は函館駅から徒歩5分ほどの場所にある屋台村。居酒屋、ラーメン、寿司、ジンギスカンなどさまざまなジャンルの26店舗が集まり、地元食材を使った料理と人情味溢れる温かいもてなしで観光客や地元市民を楽しませている。大門横丁でラーメン店を営む「大門横丁の達人」の視点から、その魅力と楽しみ方を紹介する。

「函館ひかりの屋台 大門横丁」

  平成27年(2015)10月に10周年を迎えた、函館唯一の屋台村「函館ひかりの屋台 大門横丁」。函館駅近くという立地も手伝ってか、訪れる客層の6割が観光客。しかし残りの4割は地元客と、函館に住む人々にも愛されている場所だ。 屋台というだけあって、大門横丁各店の1店舗あたりの席数は8~15席。その小ささが、屋台らしい肩ひじ張らない居心地のよさとノスタルジックな雰囲気をつくり出す。

ライター/函館・みなみ北海道観光情報誌「函館comodo」編集部 壁下優子
投稿日/平成28年(2016)5月

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大門横丁の魅力を伝える達人
(やまだ まさかつ)
山田 征勝さん

大門横丁の魅力を伝える達人
  大門横丁のラーメン店「ラーメンたつみ」の店主。本店は東川町にある創業45年の老舗「たつみ食堂」。大門横丁発足後、まもなくして同地に店を構える。本店創業以来、変わらぬ味わいの「塩ラーメン」が人気。味はもちろん、ユーモア溢れる気さくな店主の人柄に惹かれて通うリピーターも多い。

函館随一の繁華街だった場所に生まれた屋台村

大門地区は昭和初期まで函館随一の歓楽街だった

  JR函館駅から徒歩約5分。大門横丁のある「大門地区」は、明治40年に発生した大火以降、函館随一の歓楽街だった。昭和9年(1934)の大火で焼失してしまったが、当時大門地区の入口には大きな門がそびえており、「大門」と呼ばれるようになった。

昭和30年代まで所狭しと居酒屋やバーなどが並び、多くの人々で賑わったが、北洋漁業の衰退といった時代の変遷とともに、次第に空き地や空き店舗が目立つように。そんな中、大門地区の再生を計ろうと誕生したのが「函館ひかりの屋台 大門横丁」だ。街の活性化に長く携わってきた第3セクター「はこだてティーエムオー」を中心に、地元商店街の有志の協力のもと平成17年(2005)10月に開業。地元とのふれあいが楽しめる「食のコミュニティ」として、多くの観光客と地元客で賑わっている。

「定番料理」だけではない「函館の味」が楽しめる

お好きな料理とお酒で至福のひととき

  函館を代表するグルメといえば、新鮮な刺身や塩ラーメンを思い浮かべる人が多いだろう。大門横丁内には海鮮系の居酒屋・寿司店が8店舗あり、どの店も店主の目利きで仕入れているので鮮度のよさは折り紙つき。イカ刺しだけではない、「地元の味」を提供している。2店舗あるラーメン店は、どちらも同地での開業前から創業している老舗。透明なスープにシンプルな具がトッピングされた、函館伝統の塩ラーメンは締めの1杯におすすめだ。

海鮮以外の料理を食べたいという場合もご安心を。ジンギスカンやビールにピッタリなホルモン専門店、焼き鳥店、立ち飲みで道南産の豚肉料理が楽しめる店が揃う。函館で焼き鳥を注文すると「豚の精肉」が出てくるので、鶏肉を食べたい場合は「焼き鳥の鶏肉」とオーダーしよう。

函館の家庭の食卓に並ぶような手作り料理やおでんの専門店も。さらに、韓国料理や東南アジア料理店、デリカレストラン、中華居酒屋、洋食居酒屋、バーと、その日の気分に合わせて店を選べる。地元客にも愛されているお店ばかりなので、“定番料理”だけではない“函館の味”を楽しみたい人なら何度でも訪れるべきだ。

グループでも、ひとりでも、気兼ねなく立ち寄れる雰囲気

サラリーマンから観光客まで様々な人たちが集う

  「高砂通り」と「大門仲通り」をふたつの小路でつないだ横丁に軒を連ねるのは、居酒屋やラーメン店、バー、アジアン料理店などバラエティに富んだ全26店舗。1店舗あたり8席~15席と小さいが、客と店主の距離が近くアットホーム。お店が密集しているので、「ぶらり」と歩いて「ぶらり」と立ち寄り、1杯飲んでは次の店へ。大門横丁では、そんな気ままな時間を楽しめる。

仲間とわいわい飲みたい時、ひとりでしっぽり味わいたい時、家族で訪れた時など、旅行タイプによっておすすめの店はあるのだろうか。「どの店も、どんな時でも受け入れられる懐の深さが大門横丁の魅力です」と達人。旅の開放感も相まって、店主や居合わせた客と会話がはずむ観光客の姿も珍しくない。時には、人生相談が始まることもあるのだとか。

ただし、席数が少ないため、グループや小さな子どもと一緒に行く場合は注意が必要。混雑状況や子ども用食器の用意等、事前に各店へ確認しておくといいだろう。

達人が教える、大門横丁の回り方

どのお店にしようか選ぶのも楽しい

  さまざまな店舗が揃う大門横丁。まずは、横丁内を一周してどんなお店があるのかチェック。各店入口はガラス張りになっており、メニューを張り出しているところも多いので、メニューや店の雰囲気、混雑状況を確認。それから入店する店を決定しよう。事前に確認したい場合は、公式ホームページを。ジャンルやおすすめメニューから選んで店舗情報を見ることができるのはもちろん、「店主の顔からお店を選ぶ」というユニークな項目もある。

「せっかく来たのなら、いろんなお店に行かないともったいないですよ。」と達人。ランチ営業している店もあるが、概ね17時~18時頃から営業開始。23時~24時頃まではあちこちの店に明かりが灯り、長い時間滞在できる。そのため、腹ごしらえして次の店で1杯。また、次の店へとハシゴし、ラーメンで締めるといったことが、この大門横丁の中で楽しめてしまうのだ。駅前エリアを中心に提携している各宿泊施設には、大門横丁のお食事券が含まれているプランもあるので確認してみよう。

ワンコインでハシゴ酒!飲み歩きイベント「大門バル」

毎回大賑わいを見せる人気イベント

  大門横丁での「ハシゴ」を手軽に楽しめるイベント「大門バル」。例年、年3回開催されており好評を博している。同イベントには、大門横丁全店のほか周辺エリアの飲食店も参加。チケット制ではなく、現金500円で支払うワンコインシステムなので、気軽に存分に飲み歩きできるのが魅力。

提供メニューは1ドリンク+おつまみが基本だが、ラーメンなどのフードメニューやソフトドリンクもあるので、お酒が苦手な方もご安心を。5店舗のスタンプを集めて応募すると抽選で景品が当たるスタンプラリーを開催するので、最低5店は回りたいところ。店巡りを楽しむのが目的なので、長居は不粋。気に入ったお店には、後日ゆっくり訪れよう。開催日程や参加店の情報は、随時、大門横丁公式HPで発表。飲食店が連なる大門地区を、予算に応じて楽しむ絶好の機会だ。


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昼も夜も楽しめる。大門横丁と大門地区のおすすめ情報

大門横丁でランチを楽しめるお店3選

  大門横丁のメインの営業は夜からだが、なかにはランチを楽しめるお店も。昼から営業しているお店を紹介。

  • 大門横丁の中心部にある「やきとり 光味亭」
  • 人気メニュー「黄金塩ラーメン」(700円)
  • 寿司や刺身がセットの「晩酌セット」(1500円)
おすすめポイント
  大門横丁でランチを楽しめる3店をピックアップ。豚の精肉を使用した「やきとり丼」や昔ながらの「塩ラーメン」、新鮮な「寿司」とご当地メニューともいえる料理を味わえる。価格もリーズナブルなので、ランチにピッタリだ。昼に利用して気に入ったら今度はぜひ夜にも訪れて、屋台村の雰囲気を楽しんでほしい。

多国籍な料理を味わえる店3選

  和食やラーメン、洋食と多種多様な店が集まる屋台村は、多国籍な料理も味わえる。本場の味を楽しもう。

  • 店の前にはメニュー写真がずらり
  • 金家外観
  • 大門仲通りから2軒目にある
おすすめポイント
  「アジアンキッチン チェーズ」「韓国料理 金家」は、どちらもその国出身の店主が腕を振るう店。どちらも本格的な味のものから、日本人向けに食べやすくしたものまで用意している。言葉の心配は不要だ。「デリカレストラン LA BUVETTE」は、フランスの伝統的な製法で手作りしたハムソーセージの店。どの店もアットホームな雰囲気なので、ひとりでも立ち寄りやすい。

大門地区を会場としたおすすめイベント3選

  函館駅から徒歩約5分というアクセスの良い場所・大門地区では、さまざまイベントを開催。イベントの後は、ぜひ大門横丁に立ち寄って!

  • 思う存分飲み歩きを楽しもう
  • 函館港まつり
  • 各地の人気グルメが例年約150店舗立ち並ぶ
おすすめポイント
  「大門バル」は、大門横丁を中心に周辺飲食店も参加して行われる飲み歩きイベント。チケット制ではなく、現金500円で支払うワンコインシステムの気軽さが魅力。函館の夏を代表する「函館港まつり」や一大グルメイベント「グルメサーカス」では、グリーンプラザと呼ばれる一帯にずらりと露店が並ぶ。イベントを楽しんだ後は、大門横丁に立ち寄ってゆっくりと過ごそう。

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函館ひかりの屋台 大門横丁の交通アクセス

  函館駅から大門横丁までは、徒歩で約5分。近くに市営電車の電停もあるので、アクセスは良い。駐車場はないので、車で行く場合は近隣の有料駐車場を利用することになる。もちろんのことだがお酒を飲んだ後は運転できないので、翌朝まで駐車することになる 。

函館空港から車で

  函館空港から西に進む。道なりに進み左折し、道道63号線に入る。約1.7キロ進み、突き当たりの信号を右折し、国道278号線に入る。そのまま国道278号線で約5.8キロ進み、松風町の交差点を右折。次の信号を左折して大森一番通りに入り、約250メートル先を左折し大門仲通りに入ると右前方に大門横丁が見える。
 大門横丁の近くには24時間500円のパーキングもある。また、お店によってはタクシーや代行の電話番号を教えてくれる場合も。飲酒運転は絶対にしてはならない。

湯の川温泉から電車で

  市営電車電停「湯の川温泉」から市電2系統「谷地頭行き」または5系統「函館どつく行き」に乗車し、約25分。「松風町」で下車し、徒歩約4分。

函館空港からバスで

  函館空港から「函館空港シャトルバス」で約20分。函館駅で下車し、徒歩約5分

大門横丁を楽しむためのQ&A

Q 子ども連れで行っても問題ないですか?
A もちろん歓迎だが、離乳食の持ち込みや子供用食器の有無等は、事前に各店に問い合わせて。また、店舗内は比較的狭いので配慮を。
Q 事前にどんな店があるのか確認したいのですが?
A 大門横丁の公式ホームページで確認を。各店のおすすめメニューや店舗の雰囲気、店主の顔などが掲載されている。
Q 大門バルがいつ開催されるか教えてください。
A 例年、12月~3月までに2回、6月に1回の計3回開催される。開催年度によって開催時期は前後するので、大門横丁公式ホームページをチェックしてほしい。
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