支笏湖観光、札幌から車で1時間の湖を遊ぶ
日本有数の透明度を誇る支笏湖には、「チップ」と呼ばれる特産品のヒメマスを使ったグルメや「苔の洞門」などの観光スポットがあり、さらには“カヤック”を利用したアクティビティを楽しめるなど、この湖独自の魅力がある。
![国内2番目のカルデラ湖「支笏湖」 国内2番目のカルデラ湖「支笏湖」]()
道央地方・千歳市に位置する支笏湖は、滋賀県の琵琶湖に次いで日本で2番目の貯水量を持つカルデラ湖である。平均水深265メートル、最大水深363メートルで日本で2番目の深さがあり、カルデラ湖としても道東の屈斜路湖に次いで2番目に大きい日本で最北の不凍湖だ。
このように“日本全国で2番”の冠が多い支笏湖だが、美しさにランクはつけられない。山々に囲まれたこの湖の魅力は静けさと自然度の高さにあるのではないだろうか。札幌中心部から車でわずか1時間の距離でありながら、そこに都会の喧噪はない。湖周辺には恵庭岳(えにわだけ)・風不死岳(ふっぷしだけ)・樽前山(たるまえさん)の支笏三山がそびえ、モラップ、キムンモラップなどの低山にも囲まれている。
カルデラ湖ゆえの風景があり、ドライブ&アクティビティを日帰りで楽しむことができる。温泉・レジャー・お祭り等のイベントも多く、人気の観光スポットとなっている。
《この記事を読む人におすすめの情報》
「支笏湖野鳥の森」を散策して見られるもの
![ひょっこりと顔を出したニホンイタチ 可愛い動物にも出会える]()
札幌から車で1時間と、北海道の中では都市近郊型の自然湖である「支笏湖」。市街地からほど近い環境にありながら、支笏湖周辺には野生動物がとても多い。散策中には、エゾシカ・キツネといった“北海道の動物”をはじめ、エゾリスを目にすることもしばしばだ。
支笏湖の南側にはキムンモラップという山があり、この一帯は環境省が管轄する「支笏湖野鳥の森」だ。1時間半ほどで一周できる散策コースがおすすめ。もちろん散策中はかわいらしい鳥の声を聞くことができるのだが、ぜひ見てほしいのは雪解けを終え春を迎えた頃の花だ。この季節にはタチツボスミレ・ヒメイチゲ・エンレイソウなどの花々が見られる。また、秋にはモミジやカエデの木が真っ赤な色に燃え上がる。散策路は確かに整備されており、とても歩きやすいコース。しかし、アップダウンがなかなかに厳しいので、歩きやすい靴と服装が必須である。
支笏・洞爺エリアの自然史をひも解くビジターセンター
![外観・内観共に整ったビジターセンター 困ったときのビジターセンター]()
支笏洞爺国立公園内にある支笏湖。この湖を訪れた人々に、自然を親しみやすく紹介する施設が「支笏湖ビジターセンター」だ。「森へ、山へ、湖へ もう一つの支笏湖の旅へ」をテーマにした館内にはたくさんの展示コーナーがあり、支笏湖の自然を写真や大型模型等で紹介している。支笏・洞爺エリアの成り立ちが分かるだけでなく、ヒメマスの展示、18種類の鳥の声と姿を覚えられるバードボイスコーナーが設置されるなど、大人のみならず、子どもと共に楽しめるのが特徴である。
湖畔の散策道にほど近く、東屋も併設されているため、観光最中の休憩にも適。また、トイレも非常に清潔だ。
初夏の旅なら「ヒメマス」を食べてほしい
![支笏湖畔の飲食街 何でも揃っている飲食街]()
支笏湖と言えば、ぜひ食べてほしいのが「ヒメマス料理」 。普段、口にすることの少ない食材だが、その味は素晴らしい。特に5~7月の旬の時期は、脂の乗りも最高である。
ヒメマスはサケ科魚類の中で最もおいしいと言われる。この魚はベニザケの“陸封”だ。陸封魚にはさまざまなタイプがいるが、その多くは、本来海と川を行き来していた種類の魚が、なんらかの要因で海に下る事(降海)ができなくなり、結果、淡水域で暮らすようになったものとその子孫を指す。支笏湖のヒメマスは明治27年(1894)に道東の阿寒湖 から移植され、増殖事業が続けられてきた。
北海道でヒメマスは「チップ」と呼ばれる。この言葉はアイヌ語の一つで「カパッチェプ」=「体の薄い」という意味合いを持っている。北海道では愛されている魚だ。
だが、ヒメマスだけでなく、さまざまな料理が揃っているのが支笏湖グルメのいいところ。和食はもちろん、洋食、ハンバーガー、フレンチ等、子どもから年配の人に至るまで満足のいくお店が並んでいる。苫小牧や千歳を旅行する予定があれば、食事のためだけに立ち寄っても損はない。
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