1. サンピアザ水族館で札幌のアクアリウム探検

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

サンピアザ水族館で札幌のアクアリウム探検

  サンピアザ水族館は、複合商業施設「新さっぽろアークシティ」内にあり、JR・地下鉄駅にも近い便利な都市型水族館。コンパクトながらも200種1万点の展示を誇るサンピアザ水族館の魅力を探りにでかけよう。

ふたりの子供

  札幌市内唯一の水族館として人々に親しまれ続けるサンピアザ水族館は、年間来場者数13~14万を数える人気のスポット。都市型でありながら、近海からサンゴが生息する南の海まで、広域の海水魚や甲殻類、珍しい淡水魚など、その展示は200種1万点を超える。
 愛くるしい動きのゴマフアザラシやイワトビペンギンも観ることができ、「魚のサーカスショー」や、「コツメカワウソのふれあいタイム」は毎日開催。好アクセスな複合商業施設「新さっぽろアークシティ」内にあるので、食事やショッピングを楽しみながら、気軽に立ち寄ってみてほしい。

取材・文/松下 綾 投稿/2015年 12月


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平さん
(たいら ひろゆき)
平 博之さん

サンピアザ水族館の達人
  サンピアザ水族館 主任(飼育員)。サンピアザ水族館の飼育員としてのキャリアは25年(2015年12月現在)。現在は淡水魚全般、ゴマフアザラシ、コツメカワウソの飼育を中心に、全館にわたり展示に関して総合的に担当。サカナの購入や展示の入れ替えなどは、毎回スタッフと相談しながら、生物がよりいきいきと活動できるよう工夫を凝らす。その他、飼育生物の繁殖や、教育活動にも注力中。とても気さくでユーモアに富んだ解説は、水族館の生き物をより身近に、魅力的に感じさせてくれる。

“ウーパールーパー”の存在で一世を風靡

長蛇の列

  サンピアザ水族館は、1982年4月、複合商業施設の集客と、子どもたちに向けた教育との両面に加え、海のない札幌市内に水族館をつくろうという動きによって設立・オープン。その名は80年代、“ウーパールーパー”の愛称で一世を風靡した「メキシコサラマンダー」の展示で一躍有名に。見学者が長蛇の列を成し、来場者数が年間20万人を超えるほどの人気ぶりだった。北海道在住のパパ・ママ世代には懐かしく思い出される人も多いのではないだろうか。
 人気の生物は時代と共に変化し、2000年代には海の妖精クリオネ(現在は残念ながら展示なし/2015年11月現在)、その後は深海に住む謎の生物・ダイオウグソクソムシ(現在展示中)などが話題に。今後はどんな生物がスポットライトを浴びるのだろう? そんな目線で館内を巡ってみるのも楽しそう。市民だけでなく、ふらりと訪れた観光客にも静かな人気を得ており、現在も、来場者数は年間13~14万人と相変わらずの人気スポット。近くを訪れた際には気軽に立ち寄ってみて。

大人も子どもも楽しめる!ふれあい体験型展示

ドクターフィッシュ

  サンピアザ水族館の人気者といえば、子どもがひと目見た瞬間に駆け寄っていくコツメカワウソやゴマフアザラシなど、愛嬌のある姿や、コミカルな動きが特徴の生き物たち。一方で、親子で楽しめ、密かに人気が高い展示を達人に聞いたところ、1階の「ドクターフィッシュ」という答えが。最近、足湯やセラピーでも話題の魚だ。このドクターフィッシュとは、コイ亜科の仲間で学名「ガラ・ルファ」。西アジアの河川に生息する雑食性の淡水魚。吸盤のような口で肌を傷めることなくヒトの古い角質を食べてくれることから、ピーリング効果やマッサージ効果が期待され、あのクレオパトラも愛用していたという。
 もちろん、体験型の人気施設は、この他にも。例えば、比較的広く、浅めの水槽に手を伸ばし、ヒトデや小さな貝、カニなど、身近な海辺の生物に触れることができる「タッチングプール」や、餌やり体験ができる「川と湖のサカナ」のコーナーには、いつも人だかりが。親子連れには、実際に“触れて、見て”楽しめる展示内容が人気のようだ。

日曜・祝日には「マリンガールの餌付けショー」が

マリンガール

  サンピアザ水族館では、生物の生態を様々な形で見せてくれるイベントも盛りだくさん。毎週日曜と祝日には、南方系のカラフルな魚が多い1階大型回遊水槽を舞台に、マリンガールによる餌付けショーが人気を呼んでいる。
 開館30周年を記念して始まった回遊水槽工事を経て、2013年新装オープンした1階・大型回遊水槽は、サンピアザ水族館の中の大海原。多種多様な海の魚が優雅に泳ぐ姿を眺めていると、日常の煩わしさから解放され、次第に魚たちの世界に引き込まれていく。時にはマリンガールの姿が見えなくなるほど、魚たちが群がったり、隠れんぼばかりしているナポレオンフィッシュ(メガネモチノウオ)が見られたらラッキー! 日曜・祝日に訪れた際にはお見逃しなく。
 また、サンピアザ水族館ツウは、こうした華やかなショーとは趣を異にする、一見地味だが、不思議で個性的な魚の展示も楽しんでいる様子。枯葉になりきる「リーフフィッシュ」や、骨が透けて見える「トランスルーセントグラスキャットフィッシュ」、メキシコの洞窟で見つかった目のない魚「ブラインドケーブ・カラシン」などなど、水族館の隠れキャラ的な魚たちの水槽を、探しながら巡ってみるのもおすすめだ。

■マリンガールの餌付けショー
【開催日時】毎週日曜・祝日
1日6回(11時/12時/13時/14時/15時/16時)

趣向を凝らした館内ツアーに参加してみよう

ペンギンガイドツアー

  さまざまな催しを企画しているサンピアザ水族館。なんといっても一番人気は、土・日・祝に開催される「ペンギンガイドツアー」。2羽のイワトビペンギンと共に、係の人の施設紹介を聞きながら、館内を回ることができる。階段の上り下りが難しいためエレベータを使ったり、時々休憩をしたりと、気分に任せて歩くのもお愛嬌。トコトコとマイペースに歩みを進めるペンギンの様子を楽しみながら、水族館の魅力を再発見できそうだ。
 同じく土・日・祝日には、水族館の裏側が見られる「ウラ側探検隊」も開催。餌場での餌の作り方や、水槽の水をきれいに保つ濾過槽、回遊水槽での餌付けなど、普段は見られない水族館の裏側を見学することができ、こちらも人気のイベントとなっている。生物をただ飼うのではなく、魅力的に展示する水族館ならではの工夫や、飼育員さんの仕事の大変さや、楽しさを垣間見ることができる貴重な機会だ。人気の館内ツアーに参加して、サンピアザ水族館の新たな魅力を発見しよう。

■ペンギンガイドツアー
【開催日時】土・日・祝/11時~

■ウラ側探検隊
【開催日時】土・日・祝/13時~(定員10名まで・小学生以上が対象)

毎日開催!「コツメカワウソのふれあいタイム」

カワウソ

  サンピアザ水族館の人気者、コツメカワウソと触れ合うことができる「コツメカワウソのふれあいタイム」は毎日開催。「狭いところに手を伸ばして餌を探す、好奇心旺盛なコツメカワウソの性質を活かした催しで、展示ガラスに設けた円形の小窓から、盛んに手を伸ばすコツメカワウソと触れ合うことができるんです。小さなお子さんから、大人の方まで楽しまれています」と達人。
 サンピアザ水族館で繁殖したカワウソの子どもたちは、全国各地の水族館にお嫁さん・お婿さんとして旅立っており、その親が見られるということで、カワウソフリークが本州から訪れることもしばしば。ザイールやカナダに生息する大型のカワウソや、ウミカワウソ(ラッコ)など、大きなカワウソも多いが、ここサンピアザ水族館にいるのは小型のコツメカワウソ。コンパクトな施設規模をメリットに転換した、興味深い展示が魅力なのだ。
 カワウソは非常に動きが早く、写真もぶれてしまいがちだが、この時ばかりは立ちあがって、小さな小窓から夢中で手を伸ばす。そのため、この時が子どもと一緒の姿を収める絶好のシャッターチャンス! 思い出の一枚が撮れる撮影スポットとしてもおすすめしたい。


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「サンピアザ水族館」いろいろ人気ランキング

人気のイベント3選

  年間を通じてさまざまな催しを企画。その中でも特に人気のイベントをご紹介。

おすすめポイント
  きれいな水槽を眺めながら、ゆったりと館内を巡る見学はもちろん、様々なイベントに参加して、さらに生物の生態や魅力を深く知る楽しさも味わってほしい。ここでは毎日開催されるものから、毎年定期的に開催されるものまで、達人が選ぶサンピアザ水族館の人気イベント・ベスト3をご紹介。イベントの時間に合わせての来館をおすすめしたい。イベント詳細はサンピアザ水族館の公式ニュースをチェックしよう。

隠れキャラ&不思議な人気生物3選

  サンピアザ水族館で人気の、不思議で個性的な生物ベスト3を達人にインタビュー!

おすすめポイント
  ゴマフアザラシやカクレクマノミなど、メジャー人気の生物がいる一方で、水族館の影の立役者ともいえるマイナー人気の生物の存在も気になるところ。達人にそんな生物をインタビューしたところ、水槽を見まわしてもなかなか発見できない、擬態やかくれんぼの名人や、身じろぎひとつせず、時間が止まったような様相がなんとも個性的な生物を紹介してもらった。ツウ好みな水族館見物に、一役立ちそうなランキングはこちら。

来館の思い出に!人気&おすすめのお土産ベスト3

  恋人や家族との来館の思い出に。サンピアザ水族館の売店「MARINE SHOP」が揃える数ある商品の中から、達人が人気&おすすめのお土産をピックアップ。

おすすめポイント
  出口手前にある売店「MARINE SHOP」では、アクセサリーやぬいぐるみなど、楽しいマリングッズを豊富にラインナップ。記念日や誕生日など、365日の日付に対応したぬいぐるみキーホルダーや、リアルさと可愛さを兼ね備えた個性的なぬいぐるみなど、自分用や大切な人へのプレゼントにもぴったりな品が手に入る。その他、音楽、映像、絵本、ポストカードの4つのシリーズで構成されたオリジナル商品「水族館物語」は、ここでしか手に入らないお土産としてもおすすめだ。

“新札幌エリア”をもっと楽しむための観光情報

  サンピアザ水族館は、市街中心部からクルマで約30分とやや距離がある。そんな新札幌・厚別エリアにも魅力的な施設がたくさん! 水族館と併せて楽しめる。

編集部の視点
  サンピアザ水族館とセットで楽しんでほしいのが「札幌青少年科学館」。200点を超すさまざまな展示物を備え、子どもたちに大人気の施設だ。また、新札幌からはバスが出ており、車で約10分ほどの位置にある「北海道開拓の村」も近隣スポットとしては外せない施設。北海道開拓の歴史がわかる野外博物館で、見学だけでなく、体験やグルメなど多彩な楽しみ方ができる人気スポット。北海道を知るにはぜひ訪れたいディープスポットだ。
 新札幌からは車で約5分、徒歩圏内にある「森林公園温泉きよら」は、街中で北海道遺産にも認定される天然モール温泉を満喫できるリラクゼーション施設。旅の疲れをとるのに気軽に足を運んでみてほしい。

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サンピアザ水族館への交通アクセス

  札幌駅周辺からはJR・地下鉄ともに充実しており、「サンピアザ水族館」、また隣の「札幌青少年科学館」にも新札幌駅から徒歩でアクセスできる。車は南郷通り、北8条通りを経由し、どちらも約30分で到着する。

サンピアザ水族館の施設情報

  【住所】
北海道札幌市厚別区厚別中央2条5丁目7-5

【電話(問い合わせ)】
011-890-2455

【営業時間】
4月~9月/10時~18時30分
10月~3月/10時~18時

【定休日】
年中無休
※入場券の販売は、閉館の30分前で終了

車(レンタカー)で

  札幌市中心部よりサッポロファクトリーを東方向に超え、北2東10・北1東10の交差点より南郷通に入り、新札幌方面へ直進。約30分で到着する。

公共交通機関(JR&地下鉄)で

  JRの場合、札幌駅からJR千歳線快速エアーポートに乗車して約8分(大人260円)、駅より徒歩3分。新千歳空港駅から千歳線(快速エアポート)に乗車して約28分(大人880円)
地下鉄の場合、大通駅から東西線新さっぽろ行きに乗車して約18分(大人320円)、3番出口からサンピアザ内を通り2階南口へ。徒歩約5分。

サンピアザ水族館を満喫するためのQ&A

Q 駐車場はありますか?
A 新さっぽろアークシティ駐車場(サンピアザ・デュオ・北・東・南の各駐車場※サンピアザが近くて便利)を利用。駐車券に捺印で2時間まで無料となる。駐車場詳細は新さっぽろアークシティの公式サイトで確認を。
Q 見学料はかかりますか?
A 入館料が必要。
大人/900円 子供(3歳以上中学生まで)/400円 65歳以上/720円
※障害者割引あり 大人720円 小人(3歳~中学生)320円
※年間パスポートあり 大人2000円 小人(3歳~中学生)1000円
※札幌青少年科学館との共通利用券(大人のみ/展示室・プラネタリウム)1750円があるが、札幌青少年科学館のプラネタリウム機器工事に伴い、平成27(2015)年11月2日から平成28(2016)年3月(予定)まで販売を一時休止しているので注意しよう。
Q 写真撮影に最適な場所はありますか?
A 個人で画像を楽しむ目的であれば、館内はどこも撮影が可能。人物が入った記念の一枚が欲しかったら、売店「MARINE SHOP」横の撮影水槽がおすすめだ。きれいな熱帯魚が泳ぐ水槽超しに写真を撮ると、人が水の中にいるようなアングルに。もちろん利用料は無料。旅の思い出に一枚いかが?
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