札幌全域のパノラマ風景を望めるだけでなく、「T38」には小さな仕掛けがたくさん隠されています。そのひとつが館内に施された装飾です。まず、エントランスからエレベーターに乗ると、「たんぽぽの綿毛」がそこかしこに描かれていることに気づくはず。
これは「ダンディライオンコンパス」という作品で、地上から160メートルの地点まで、ふわりふわりと小さな旅を楽しんでほしい、という想いが込められています。明るかったエレベーター内が最上階に近づくと、照明が一段落ち、大人な空間へ早変わりするところもニクい演出ですよ。
フロアにかかっている音楽にも注目してください。T38では「惑星音階」という特殊な音階による音響演出が行われています。この「惑星音階」とは、惑星の位置や動きを中世ヨーロッパの科学者たちが音階に当てはめたもの。現在のドレミファソラシドの音階とは少し違う、大らかで不思議なサウンドが特徴です。昼は「光と影の音楽」という曲を、夜はまた別に「月と星々の夜」という曲目をかけながら照明も落とすので、夜間はとてもロマンチックな雰囲気。