富良野ラベンダー観光のめぐり方を紹介
富良野でラベンダーを楽しみたい!という旅行者は多いもの。しかし、 ひとくちに「ふらの」と言っても、富良野市・中富良野町・上富良野町と隣接する3つの街があり、ラベンダー園も各地に多数。ラベンダー園ごとに楽しめる内容も異なるので、一カ所だけではなく複数をめぐるべき。中富良野町で生まれ、富良野エリアで育ち、現在は上富良野町で働く達人が、おすすめの行き先やめぐり方を紹介する。
![人気ラベンダー畑のひとつ上富良野町の『日の出公園』 人気ラベンダー畑のひとつ上富良野町の『日の出公園』]()
富良野のラベンダーは、もともと化粧品や香水の香料抽出のために1952年から栽培されていた。昭和45年ごろにはラベンダーの栽培面積が230ヘクタール(東京ドーム49個分)に達するなど、最盛期を迎える。しかし輸入香料が台頭しはじめると、ほとんどのラベンダー畑が姿を消すなど、急激に衰退。しかしその後、富良野エリアのラベンダー畑が国鉄のカレンダーで紹介されたことにより、多くの見物客が訪れるようになった。それをきっかけにラベンダー園が再び増え始め、現在では北海道を代表する観光地となった。
富良野エリアでラベンダーが見られる時期は、6月下旬ごろ~8月中旬ごろまで。品種は4つあり、最も早く咲く「濃紫早咲(のうしはやざき)」は6月下旬から7月中旬までが見ごろで、名前の通り濃い紫色をしている。「ようてい」は7月上旬から下旬までが見ごろで、比較的赤っぽい色が特徴。「おかむらさき」の見ごろは7月中旬から8月上旬ごろまで。「はなもいわ」は7月下旬から8月上旬までが見ごろとなる。
取材・文/たびらい編集部 投稿/2015年 7月
達人おすすめラベンダー園と、定番&人気スポットを紹介
![『中富良野町営ラベンダー園』 写真提供:中富良野観光協会 『中富良野町営ラベンダー園』 写真提供:中富良野観光協会]()
「人気といえば『ファーム富田』さんや『佐々木ファーム』さんが定番スポットですね」と達人。『ファーム富田』は最も知名度が高く、年間で約100万人が訪れる名所。7つの花畑がありラベンダーの栽培規模は日本最大級。『佐々木ファーム』も負けず劣らずの栽培規模を誇るラベンダー園だ。ラベンダーと、色とりどりの花が彩る広大な景色が楽しめる。どちらも中富良野町にあり入園は無料だ。
数あるラベンダー園から達人がおすすめするのは、こちらも中富良野町の『中富良野町営ラベンダー園』。北星山の斜面に広がるラベンダー園で、ここでも、広大で彩り豊かなラベンダー畑が見られる。最大の特徴は「リフトに乗って山頂に行き、富良野平野と十勝岳の景観と共に、ラベンダー鑑賞が楽しめること」。リフトの往復チケットは大人300円、子ども200円。山頂には広い公園もあり、休憩や自然浴にも使える。ふもとの駐車場近くには土産物店があり、隣接する「北のカレー工房きらら」も達人のお気に入り。富良野産の野菜を使ったカレーが食べられる。
「ファーム富田」「佐々木ファーム」「中富良野町営ラベンダー園」は自動車なら近い距離にあるので、この3つをセットでまわるのがおすすめ。どのラベンダー園も10時ごろから混み始めるので、朝8時など、早めの時間に出発しよう。また3つのラベンダー園のうち、「ファーム富田」「佐々木ファーム」を先に鑑賞するのがよい。その後、お昼時に合わせて「中富良野町営ラベンダー園」でラベンダーを鑑賞し、ランチタイムが終わるぐらいの時間にカレーを食べに行くと比較的スムーズにまわれる。
ラベンダーは「見て」「香って」「味わって」楽しんで
![『ファーム富田』で味わえるラベンダーソフトクリーム 『ファーム富田』で味わえるラベンダーソフトクリーム]()
ラベンダー園で楽しむことといえば”花畑鑑賞”というのが一般的。だが、達人は“香り”を楽しむこともおすすめする。ラベンダーはもともと、化粧品や香水の香料を抽出するために栽培された植物。「香りはその場で楽しむだけではなく、持ち帰ることもできます」と達人は言う。
地元では、ドライフラワーにしたラベンダーを室内に吊るしている家庭も多いのだそうだ。家の中で楽しむコツは、花束のように束ね、逆さにして茎の部分を縛って吊るすこと。こうすることで、香りが風で流れやすくなる。しかし、ドライフラワーなので、しだいに花びらが落ちてきてしまう。そのため、床に受け皿を置いて吊るすのがおすすめだ。各ラベンダー園ではお土産用のドライフラワーを売っているほか、もっと気軽な“サシエ”も売られている。サシエとは、ドライフラーにしたラベンダーの花粒(ポプリ)を布の袋に詰めたもの。香り袋として枕元に置いたり、服と一緒にタンスに入れたりなど用途も広い。そのほか、小瓶に詰められたラベンダーオイルなども人気だ。
そして”味わう”という楽しみ方も、達人はすすめる。『ファーム富田』を中心に、各ラベンダー園ではラベンダーエキスを使ったスイーツやドリンクが提供されている。メニューも豊富で、スイーツならロールケーキや生シュークリーム。ドリンクなら、ラベンダーカルピスやラムネなどが人気。それらの中で最も人気を集めるのは、ラベンダーソフトクリーム。
達人いわく、初めて味わう人ならラベンダー&バニラのミックスソフトが良いのだそう。北海道産生クリームを使った濃厚なバニラと、ラベンダーの爽やかな香りが楽しめる。何よりも、バニラとミックスになっているので、初めての人にとっても香りを強く感じすぎることなく、ちょうどよく味わえるのだ。ラベンダーを使ったメニューは『ファーム富田』が充実しているので、そこで味わうのが良いだろう。
ラベンダー園めぐりは「自動車」での移動が正攻法
![爽快感を味わえるドライブルートがたくさん 爽快感を味わえるドライブルートがたくさん]()
ラベンダー園をめぐる観光客の移動手段は、自動車(レンタカー)が一般的。広い富良野エリアでは、ラベンダー園どうしの距離が十数キロ離れていることも多いため、自動車移動がスムーズだ。また、丘に広がるラベンダー園もあり、傾斜のある土の畑を上り下りすることも多い。そして気温が高い夏ともなれば、疲労もたまりやすくなる。楽に移動したいのであれば、自動車が便利なのだ。このエリアには広大な田畑も広がっているので、田園景観を駆け抜ける爽快さも感じられる。単なる移動も楽しめるはずだ。
自動車移動をする際は、「パノラマロード江花」は絶対に通るべき。この道の視点は、富良野盆地よりも標高が約50メートル高い丘の上。そこから5.5キロにわたってまっすぐな直線が続く。目線の先には、十勝岳を望む北海道らしい景色も広がっているのだ。道路の周りにはパッチワークのような畑も広がっているので、気持ちの良い北海道ドライブを楽しめる。
「レンタサイクル」なら、富良野の大自然を体感できる
![自転車なら、気になる景色を見つけたらスグ立ち止まれる 自転車なら、気になる景色を見つけたらスグ立ち止まれる]()
「”富良野の自然をもっとダイレクトに感じたい”という人なら、自転車での移動もおすすめです」と達人は語る。遮るもののない広大な大地と、どこまでも開けた空のもと、田舎道を自転車で駆け抜ける楽しみが味わえる。自動車よりも時間はかかるが、ラベンダー畑からラベンダー畑への移動も十分に可能。渋滞なども気にせず、五感を使って大自然を感じられる。
また、富良野エリアでは、ラベンダー園ではない所でも、たくさんのラベンダーが植えられている場所も。個人の畑もあるのでむやみに立ち入ってはいけないが、吹き抜ける爽やかな香りと、ラベンダーが彩る街の雰囲気が楽しめる。いずれもラベンダー園では見られない風景ばかり。気になった景色を見つけた時は、駐車場を探しまわることなく、すぐに立ち止まって写真が撮れるのも醍醐味だ。
「富良野・美瑛ノロッコ号」で車窓から楽しむのも良い
![富良野平野の田園地帯を走るノロッコ号 富良野平野の田園地帯を走るノロッコ号]()
6月上旬から8月下旬、9月初旬から10月中旬の期間、土・日・祝日だけ運行される「富良野・美瑛ノロッコ号」。これを使った旅もまた、味わい深いものがあると達人は言う。ノロッコ号の乗客用車両は窓のスペースが多く、壁一面から外が見られる設計。窓を開ければ爽やかな風が吹き、まるでオープンカーのような心地よさだ。富良野駅~美瑛駅間(一部、旭川まで)を運行しており、ほとんどの区間・運行列車が、速度30キロほどで走行する。徐行運転することで、富良野・美瑛の景観を楽しめるようにしているのだ。
達人おすすめの「ノロッコ号で見るべき景色」を紹介しよう。まず、富良野駅~中富良野駅までの走行ルートには田園地帯が広がる。窓から見える稲穂が、夏は青々しく、秋には黄金色に輝く。この区間では、そんな、田舎らしい田園風景を楽しもう。次なる区間、上富良野駅~中富良野駅のあいだは『ファーム富田』などの有名ラベンダー園と田畑が多いエリア。パッチワークのような田畑の景色と、紫色のラベンダーが一面に広がる光景を目にできる。そして上富良野駅~美瑛駅までは、林の中を突き抜けるルートが多い。窓から木々までの距離が近いので、列車が林をすり抜けながら走る感覚を味わえる。また上富良野駅では、記念撮影ができるよう駅長制服やはんてんの貸し出しもあるので、ここで記念写真を撮るのも良いだろう。また、夏の時期だけは、中富良野駅と上富良野駅の間に「ラベンダー畑駅」がオープン。『ファーム富田』まで徒歩5分少々でいけるので、移動手段としても便利だ。
富良野エリアまでの交通アクセス
札幌から富良野までは三笠まで行き、桂沢ダムを通っていくのがおすすめ。このドライブコースは少しクネクネした山道だが比較的走りやすい。富良野のオンシーズンには途中から渋滞するぐらい混むので、札幌から車で訪れる場合は早めに出る方が良い。
自動車(レンタカー)で
札幌インターチェンジ経由《道央道42キロ》で三笠インターチェンジへ。三笠インターチェンジから桂沢湖を経由する《道道岩見沢三笠線-国道452号》のルートで道道115号線につきあたる。右折して道なりに進めば、富良野市につながる国道36号線に合流する。富良野市街からは国道237号線を通ると、中富良野町や上富良野町、美瑛方面へ迎える。
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JRで
《函館本線特急50分》滝川経由《根室本線普通70分》でJR富良野駅へ。そこから、JR富良野線でJR中富良野駅やJR上富良野駅方面に迎える。『中富良野町営ラベンダー園』『NANAKAの花畑』等に訪れるなら、JR中富良野駅での下車がおすすめ
富良野・美瑛ノロッコ号(夏期間限定の臨時列車)で
JR富良野線「富良野駅」またはJR函館本線「旭川駅」から乗車可能。下車できる駅は、JR中富良野駅、JR上富良野駅だけではなく、「ラベンダー畑駅」が夏季限定で営業される。『ファーム富田』に行くなら、このラベンダー畑駅が最も近い。
バスツアーで
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