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  1. 虹の松原 伝説のダイバーも愛した名勝を観光
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虹の松原 伝説のダイバーも愛した名勝を観光

  唐津湾の浜辺に沿って弧を描く絶景パノラマ。世界的に有名な海洋冒険家ジャック・マイヨールも生涯にわたり愛した。虹の松原ゆかりの物語とともに、松原の歩き方と楽しみ方を案内する。

約4.5キロに渡り、約100万本の黒松林が広がる「虹の松原」

  唐津湾に面した白い砂浜に沿って延びる名勝「虹の松原(にじのまつばら)」。約100万本の黒松林が広がるこの松原は、多くの人を魅了してきた。海洋冒険家ジャック・マイヨールもその一人だ。

唐津のことをよく知り、また生前のマイヨール氏との親交も深かった洋々閣の女将・大河内はるみさんを訪ね、虹の松原の魅力について聞いた。

取材/河三平、平成28年(2016)8月


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大河内はるみさん
(おおこうち はるみ)
大河内 はるみさん

虹の松原の達人
  明治26年(1893)創業の老舗旅館「洋々閣(ようようかく)」の女将を務める。釜山で生まれ、1歳で引き揚げた後、大学入学で上京するまで唐津で育った。上智大学を卒業後、会社勤めや英語教師を経験し、洋々閣4代目主人・大河内明彦さん(現会長)と結婚、現在に至る。“唐津や虹の松原の魅力を多くの人に知ってもらいたい”との思いから、女将業の傍ら、同館のホームページ上で「女将の御挨拶」を連載。この地にまつわる歴史やエピソードを、自らの取材をもとに紹介している。

ジャック・マイヨールも愛した地、虹の松原

虹の松原の広大な松林を走る長い道は、ドライブにおすすめ

  ジャック・マイヨールは、世界で初めて水深100メートルの素潜りに成功した伝説のフリーダイバーだ。

上海のフランス租界(外国人居留地)に赴任する建築技師の次男として生まれた彼は、子どものころに家族と共に毎夏の休暇を虹の松原で過ごした。泳ぎを教わったのも、初めてイルカに会ったのも、唐津の海。晩年も自分の原点である唐津へと帰り、この松原で過ごす時間を大切にした。

洋々閣の女将である大河内さんが、初めてジャック・マイヨールに会ったのは20余年前。マイヨールが自らの足跡をたどるNHKのドキュメンタリー番組で唐津を訪れた際に、洋々閣に滞在したときのことだった。英語も堪能な大河内さんは、番組の制作チームと自由奔放な世界的ダイバーとの間をとりもつなどして、彼に付きっきりとなった。

また、あるとき大河内さんはマイヨールに頼まれ、彼が子どものころに滞在した「あずまやホテル」について一緒に調べたそうだ。現在は松林を抜ける県道347号を挟んで両側に、数軒のカフェや別荘が点在しているのだが、かつてその界隈には外国人専用の木造のホテルが建ち並んでいたという。

「そんなリゾートホテルが、かつては7、8軒ありましたね。当時は上海と長崎の間をつなぐ定期航路があって、欧米人もたくさん逗留したそうです。昭和初期の新聞には、ひと夏に1万人が訪れたという記事もあったほどです」と大河内さんは語る。

当時の虹の松原界隈は、今でいうところの“海外セレブ”たちのリゾート地であり、また国外だけでなく国内からも多くの“遊覧客”が訪れていたのだ。

「“北九州随一の遊覧都市” ―― それが当時のキャッチフレーズでした。折しも石炭の好景気を背景に鉄道会社が旗を振って、海水浴場やお茶屋さん、レストランを次々と建てて、さらには北原白秋に依頼して歌を作ってラジオで流すという具合ですね。観光とかレジャーといった言葉が、まだ出てくる以前の話です」(大河内さん)

まずは唐津城天守閣へ。大定番のアングルで松原を

唐津城天守閣から望む虹の松原。湾曲する海岸線が美しい

  “北九州随一の遊覧都市” とうたわれた昭和初期から現在に至るまで、多くの“遊覧客”たちを惹きつけてきた虹の松原。何はともあれ、現地を訪れたら、まずはその全貌を視界に収めておこう。

もっとも手近なビュー・スポットとしておすすめなのが、唐津城天守閣の展望台。唐津城から東の方角を望む構図は、遊覧の時代から絵葉書の定番絵柄だ。左手には、唐津湾の海岸線に沿って延びる虹の松原。そして右手には松浦川が望める。

松浦川の河口を挟んで正面に見える町並みが、かつて“満島(みつしま)”と呼ばれていた界隈だ。すぐ先に虹の松原、その奥にはきれいな台形シルエットの鏡山が控えている。

大河内さんが女将を務める洋々閣は、この満島の一角にある。虹の松原西端にあたるこの場所は、その昔は唐津城がそびえる小高い丘(満島山)と干潮時に砂洲でつながっていたという。そんな話を聞くと、フランスの世界遺産であるモン・サン=ミッシェルを思い浮かべてしまうが、砂洲が陸橋となってつながっていたのは唐津城の築城以前ということだ。

城を築いたのも、砂洲を掘り切って人工の河口にしたのも、さらには虹の松原を植林したのも、全ては唐津初代藩主・寺沢志摩守広高(てらざわしまのかみひろたか)によってである。並外れて行動力のある藩主が、後に絵葉書の定番ともなった眺望を、一代でつくってしまったというのだから驚きだ。

天守閣の展望台からは、虹の松原だけでなく、北に唐津湾、南に唐津の城下町、西に大島まで続く海岸線を望むことができる。唐津へ訪れたら、まずは最初に立ち寄って、360度の絶景を堪能してほしい。

鏡山の展望台で、虹の松原物語を噛みしめる

鏡山の展望台から見る虹の松原

  虹の松原を展望する場所として、もう一つ絶好のスポットが「鏡山西展望台」だ。ここからは唐津城天守閣とは全く異なるアングルから、虹の松原をフルサイズで視界に収めることができる。標高284メートルの山頂まで5キロの曲がりくねった道のりは、ドライブで訪れるのがいいだろう。

唐津湾の海浜に位置する虹の松原は、長さ約4.5キロ、幅約500メートルに渡って広がる約100万本の黒松林だ。静岡県静岡市の「三保の松原(みほのまつばら)」や福井県敦賀市「気比の松原(けひのまつばら)」とともに「日本三大松原」といわれるが、それだけで済ませてしまうのは実にもったいない。

「虹の松原には面白い物語がたくさんありますから。ぜひ松原を舞台にした物語を噛みしめながら、眺めてほしいですね」と、大河内さんはそう言う。

虹の松原にはジャック・マイヨールのほかにも、民衆に愛された“人たらし”のヒーローたちが何人かいる。松原のそもそもの生みの親であり、今も唐津の人々に愛されている初代藩主・寺沢広高もその一人である。

そもそも虹の松原は、17世紀の初めに広高が防風や防潮、防砂林として背後の田畑を守るため、自然林に植林をしたのが始まりだ。当時は東西の長さが現在の倍の二里(約8キロ)あったので、“二里(にり)の松原”と呼ばれ、その音から転じて“虹(にじ)の松原”となったといわれる。

この広大な松林を維持するために広高が出した妙案は、こんなお触れだった。 ―― 松原の中に志摩守が大事にする7本の松がある。もしこの松を切ったり、枝を折ったりする者があれば厳罰にする。 ―― そう言われても、それがどの松かわからないから、1本も切れないというわけだ。

それでもあるとき、松を盗んだ者がいた。縄をかけられ、打ち首に怯えるその罪人から事情を聞いた広高は、「それは件の七本松ではない、しかし以後この松原を大事にせよ」と放免にした。この温情が村人たちに伝わると、ますます広高の人気は高まり、田畑同様に松林が大切にされたということだ。

虹の松原を訪れた際には、南に位置する鏡山の展望台に立ってみてほしい。こんな物語を噛みしめながらなら、眼下のパノラマをよりいっそう楽しむことができるはずだ。

無血の一揆 松原を舞台にしたもう一つの物語

唐津藩と幕府領との藩境石は、虹の松原の東西のほぼ中心にある

  高所からの虹の松原の眺めを堪能したら、今度は松原の中に足を踏み入れてみよう。松原の東西のほぼ真ん中には、かつての唐津藩と幕府領との藩境石が立っている。ここで噛みしめてほしい物語が、もう一つある。

江戸時代の明和8年(1771)、領内のほぼ全戸の農漁民が集結して決起した。松原のなか、ちょうど藩境石を中心に集結した農漁民は2万5千人。藩境の地の利を生かして、民衆を見事に統率し、藩との交渉にあたったのは、大庄屋の冨田才治だった。一滴の血も流さずにすべての要求を藩に認めさせた虹の松原一揆は、稀有な無血一揆として知られている。

この一揆は、当時の藩主・水野忠任(みずのただとう)が、改革で年貢の増収を図ろうとしたことへの民衆の抵抗だった。広高からの寺沢が二代で絶えた後、大久保、松平、土井と次々と藩主の交代があり、各藩主は領民の持っている優遇策に手を付けようとした。そのたびごとに領民は、「志摩守の掟によれば」という言葉を錦の御旗にして抵抗したという。

後の時代まで寺沢広高が農民に信奉されていたことの証しであり、その間に立つ大庄屋が農民の厚い信頼を得ながら、この松原を守ってきたことを象徴する物語である。ぜひ藩境石の前に立って、往時へ思いをはせてみよう。

“ジャック・マイヨールの小道”を通って

いつか“ジャック・マイヨールの小道”が実現するかもしれない

  玄界灘から吹き付ける強い季節風のため、虹の松原の松の幹や枝の形は変化に富んでいて、見ていて飽きることがない。日本三大松原とうたわれる虹の松原(230ヘクタール)と三保の松原(34ヘクタール)、気比の松原(32ヘクタール)の中でも、虹の松原は最も美しく、そして強い潮風と闘っている松原である。

「朝方に散歩するのがおすすめです。森林浴にも素晴らしい場所ですし、林の中にところどころ面白い形の木があるんです。竜が天に昇る、メデューサが怒っている、見る方向でまた違うから、枯れた幹も含めて見ていて飽きることがありません。自分の思うとおりに見立てたり、命名したり、ゆっくり散歩しながら、思い思いに楽しんでもらえれば」(大河内さん)

ユニークな形の松を他のものに見立てて、思い思いに楽しんでほしい。とはいえ、まずはポイントとなる松を紹介している無料の散策マップ「虹の松原ふら~り」などを参考にするといいだろう。

ちなみに大河内さんによれば、ジャック・マイヨールもこの松林での散歩を楽しんでいたそうだ。
「松林に沿って浜辺のほうを歩くのもいいですよ。『自分の名前を使ってもいいから、浜側に枕木を並べて、自転車でも通れるような散歩道にしたらいいよ』と、彼はそんな風にも言っていましたね」(大河内さん)
それだけこの浜と松林を愛した彼が名づけようとした“ジャック・マイヨールの小道”で、朝食前の森林浴を楽しんでほしい。

虹の松原のおすすめ観光情報

松原散策とあわせて楽しんでほしいグルメ&カフェ

  松原散策とあわせて楽しんでほしいグルメ&カフェをピックアップ。旅の参考に。

  • 「旅館 洋々閣」の食事。御椀と御造り
  • 唐津シーサイドホテルのラウンジ「キャッスル」の窓辺の席で
  • からつバーガーの一番人気メニュー「スペシャル・バーガー」
おすすめポイント
  松原や浜辺を散歩しながら、ジャック・マイヨールゆかりの宿やカフェ、人気のご当地バーガーショップに立ち寄りたい。そして、せっかく唐津・虹の松原を訪れたなら、食事にはやっぱり玄界灘で獲れた新鮮な地魚を味わってほしい。

虹の松原の全景を望むビュー・スポット

  東西4.5キロにわたって延びるパノラマの絶景を一望できるスポットを紹介。

  • 眼下に唐津湾と虹の松原の全景が広がる「鏡山西展望台」
  • 唐津城天守閣の展望室から望む虹の松原
  • 高島へ渡る定期船「ニュー高島」からの眺め
おすすめポイント
  長さ4.5キロ、幅500メートルで広がる虹の松原のパノラマは、山・海・城から望むことができる。松原散策する前に、まずは虹の松原の全景を収めることができる展望スポットを訪れてみたい。定番の鏡山展望台、唐津城天守閣に加え、高島へ渡る定期船の船上からの眺望もおすすめだ。

松原の中の散策スポット3選

  日本三大松原の中でも虹の松原は、玄界灘から吹き付ける強風によって、その幹や枝が枝の形は変化に富んでいる。おすすめの散策スポットを紹介する。

  • 虹の松原一揆はこの「藩境石」の場所を舞台に繰り広げられたとい
  • 連理の松
  • ジャック・マイヨールも愛した浜辺の散歩道
おすすめポイント
  玄界灘から吹き付ける強風によって幹や枝の形が変化に富んでいるため、見ていて飽きることがない「虹の松原」。ユニークな形の松を見立てて、思い思いに楽しんでほしい。

虹の松原への交通アクセス

電車(JR)で

  ・博多から福岡地下鉄空港線で姪浜まで約20分、JR筑肥線で虹ノ松原駅まで約50分
・JR唐津駅から筑肥線で約7分、虹ノ松原駅で下車

車(レンタカー)で

  ・長崎自動車道の多久インターチェンジから車で約40分

バスで

  ・唐津駅から、唐津市内循環バスで「シーサイドホテル」下車、約11分

施設情報

  虹の松原
【住所】佐賀県唐津市東唐津
【利用料金】無料(見学自由)
【駐車場】あり(300台、無料)
【電話番号(問い合わせ)】0955-72-9127(唐津市観光課)

虹の松原観光のQ&A

Q 「虹の松原七不思議」というのを聞いたが、どういうもの?
A 松原の恩恵を受けながら、大事にしてきた周辺の人々は、そうした愛着から松原に関するさまざまな物語を作ってきた。それが「松原の七不思議」として流布している。太閤秀吉がやかましいと怒鳴ったから「松原に蝉は鳴かない」とか、頭が高いと睨まれて地に伏したままの「睨み松」などがある。今でいう“都市伝説”のようないわれも、洒落っ気を含めて楽しんでほしい。
Q 虹の松原にマツタケは生えるの?
A マツタケが生えるのは赤松だが、ここ虹の松原に植林された100万本の松は全て黒松だ。ごく一部に赤松も見られるが、黒松林ではマツタケの代わりに松露(しょうろ)というきのこが生える。白っぽくて丸く、吸い物に入れると風味豊かな香りが立つ。ちなみに、唐津土産の定番“松露饅頭”の名の由来は、このきのこの形に似ているからだという。
Q 松林の中を自転車で散策することはできる?
A 松原の中を東西に走る県道347号は、自転車で走ることもできる。ただし、いわゆるサイクリングコースではないので、松原の入り口で駐輪するといい。松林の中は自然に踏み固められた小路が通っているが、自転車を押しながらの通行はできない。軽装とスニーカー履きでの散策がおすすめだ。

いざないの一枚