
長崎市の寺町エリアは、その名の通り寺が立ち並び、緩やかな坂や石積みの壁が長崎らしい雰囲気を醸し出しているエリア。「萬順製菓」はそんな情緒ある場所に構える創業明治17年(1884)の老舗中華菓子店です。
元々は、砂糖や小麦を輸入する貿易商を営んでいた「萬順製菓」が、豊富に取り扱う砂糖と小麦を使い中華菓子を作るようになったのがその始まり。現在、店の伝統を受け継ぐのは5代目である井上さん。昔ながらの製法を守りつつ、中華菓子の味を今に伝えています。

店の代名詞でもある「よりより」も手づくりにこだわり、ひとつひとつ愛情込めて作っています。多い時で1日1500本以上つくることもあるとか。本場中国では「麻花」(マーファ)とも呼ばれる中華菓子を「よりより」と名付けたのは「萬順製菓」の初代。
カリカリとかたい食感で、噛むごとにやさしい甘さの広がる「よりより」はどこか懐かしくもある味わい。独特の味は今もなお変わらずに愛され続けています。