1. 礼文島観光、太古の記憶が蘇る花の浮島

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

礼文島観光、太古の記憶が蘇る花の浮島

  春から夏には約300種の高山植物が咲き乱れ、通称「花の浮島」言われる礼文島。稚内港からフェリーで約2時間。近年はその歴史にも注目されている。縄文の記憶が見え隠れするこの島の魅力を紹介しよう。

礼文島から見た利尻富士

  はじめてこの島に降り立つと、海越しに見えるとなりの利尻島のシンボル、利尻山が海面に映り、刻々と色合いを変えてゆく美しさと、高い木々がとても少ないことに目を奪われる。
 その秘密はこの島の長い歴史にある。隣り合った二つの離島、礼文島と利尻島の大きな違いはその歴史の違いだということはあまり知られていない。
 20万年前にはじまった火山活動によりできた火山の島利尻に対して、礼文島は成り立ちが古く、一億五千年前から海底が隆起してできた島と言われている。礼文島の自然や、歴史を知って行く事でその面白さがより鮮明に見えてくる。そんな礼文島の観光を紹介しよう。

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礼文島観光の達人新山さん
(にいやま ひこじ)
新山 彦司 さん

礼文観光の達人
  礼文町出身。礼文町で人気のとほ宿、「FIELD IN星観荘」のオーナー。故郷の礼文にUターンし、宿をはじめて約30年。彦さんの愛称で親しまれ、礼文に一年に何度も宿を訪れるファンも多く礼文島の情報を発信し続けている。

FIELD IN星観荘:
〒097-1111北海道礼文郡礼文町船泊村スコトン星平
TEL/FAX:01638-7-2818 
HP http://homepage1.nifty.com/seikanso/

達人が語る 礼文島の魅力

礼文島固有種のレブンキンバイソウ

  礼文島は一番高い礼文岳でも標高490メートルほど。平均標高200メートルから300メートルの礼文島に、多くの高山植物が自生しているが、日本でも本州では2000メートル級、北海道でも1600メートル以上の高い山でしか見られない花々がこの低地の島に咲いているのはなぜだろう?
 もともと、大陸とも陸続きだった礼文島は約1万年前の氷河期の終わり、地球の温暖化にともない海面が上昇し、断崖絶壁になっている西側に西からの季節風が吹きつけることで霧が発生している。強い風が吹きつけるため、背の高い植物などが生えない。他にも礼文島を囲うように流れる暖流など、さまざまな気候条件も加わった奇跡がこの環境を作り出し、今でも保っているのだ。
 中でも礼文島でしかみられないランの女王とも呼ばれるレブンアツモリソウやヨーロッパアルプスに咲くエーデルワイスの仲間、レブンウスユキソウや金色の梅に似た花、レブンキンバイソウのような礼文島のみに咲く固有種や、本州では高山でしかみられないような高山植物は人気が高い。希少な花々が見られる初夏は、花の島礼文のおすすめの観光時期でもある。

5つのトレッキングコースを歩き、島の歴史を身体で感じる

高い木が無い独特の地形の礼文島

  礼文島を知るのには是非自分の足で島を歩いて大地を感じてほしい。礼文島には5つのトレッキングコースがある。島の最北端のスコトン岬をスタートし、穴あき貝が波打ち際に落ちているゴロタ浜、そして透き通る青い海の澄海岬を巡る「岬巡りコース」、フェリーターミナル近くから一面のお花畑や桃岩をながめ、遠くに利尻富士と地蔵岩から知床(礼文にも知床という地名がある!)へ向かう「桃岩展望台コース」、レブンウスユキソウ群生地と礼文滝も近い「礼文林道コース」、島で唯一の湖の久種湖の湖畔を巡る「久種湖畔・森林の丘コース」。そして上級者には「8時間コース」!最北のスコトン岬から車では行く事ができない西海岸を横断するコースまである。
 無理のないコースからはじめてゆくうち、何度も礼文島にくる人たちがなぜフットパスを好むのかが分かるだろう。自分のペースで開けてゆく美しい景色。土地の歴史的背景を知る事でその楽しさもさらに深まるはず。
 疲れた身体は香深港にある源泉掛け流しの天然温泉「礼文島温泉 うすゆきの湯」でゆっくりとほぐして。交流室や情報提供コーナーもあり地元人や観光客にも愛されている施設だ。

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縄文文化の最北の地!アクセサリー工房と交易の地、船泊遺跡へ

久種湖

  貝殻で作られたアクセサリーが大量に発掘され、制作の道具や礼文の海岸産のメノウ石で作った工具なども出土した事から、縄文時代後期のはじめから中頃の、アクセサリー職人の工房を携えた集団遺跡だと判明したのだ。作られていたアクセサリーのほとんどはビノスガイという礼文周辺の海で採取出来る、美しい真っ白な貝でできており、北海道南西部に住む縄文人が春から秋にかけて貝殻のアクセサリーを作るため、海を渡って礼文島で暮らしていたことがうかがえる。
 またアクセサリーの一部は9割が礼文産のビノスガイ、残りは関東地方より暖かい海でしかとれない貝で作られている。新潟産のヒスイや北海道にはないイノシシの牙でできたもの、新潟とサハリン産のアスファルトのついた銛先などもあり、船泊遺跡はサハリンや東北、日本南部とさまざまな場所からの交流があったとみられている。フェリーターミナル近くの礼文町郷土資料館ではその美しいアクセサリーや縄文土器もみることができるおすすめのスポット。礼文島の遺跡の発掘場所の美しい風景に触れ、太古の時代の礼文島に想いを馳せる旅も格別だ。

2つの漁港からとれる新鮮な海の幸に舌鼓

船泊漁港の朝

  日本最北の島・礼文島では、ウニやコンブ、ホッケなど、季節ごとに採れたて極上の旬の魚を味わうことができるのも旅の醍醐味。漁港に足を運び、新鮮な魚介をしっかりと目で見てから味わうのもよし。
 夏の観光シーズンの人気は何と行ってもウニ!まずはとれたての殻つきのウニを自分で割って食べられる船泊漁港の「うにむき体験センター」へ。そして島の人気メニュー「ほっけのちゃんちゃん焼き」を食す。島のちゃんちゃん焼きは北海道特有の「鮭」ではなく、成熟した大人のホッケ、「ネボッケ」に味噌と刻みネギをのせて、焼けたところから身をほぐして食べるという礼文島独特の食べ方だ。香深漁港直営の「海鮮処かふか」での人気メニューでもあり、お店ごとに少しづつ味も異なり食べ比べる楽しみも。
 ボリュームを求めるなら礼文島金田岬にある船泊漁港直営の「食事処あとい」へ。極上毛ガニがまるまる一匹ついた「極上毛蟹の三食丼」も人気。何を食べるかよりも、今の美味しい魚介を新鮮なうちにいただくのがベスト。ほっぺたが落ちる保証付き!


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どこまでも広がるラベンダー畑…。

礼文島を楽しむランキング

こだわりの飲食店ベスト3

  海鮮から珈琲まで、こだわりをもった飲食店が礼文にはある。ここではおすすめのこだわりの飲食店を紹介しよう。

  • NO1 炉ばた ぢどり
  • NO2 かふか
  • NO3
おすすめポイント
  礼文の新鮮な食を担う漁港直営店の飲食店は味・新鮮さ共に定評がある。香深漁港直営の「海鮮処 かふか」さんの他に、船泊漁港にある礼文島金田岬にある食事所 「あとい」さんも人気が高い。人気は貴重な礼文島産毛蟹がまるごと1匹入った「毛がに付三色丼」。ボリューム、味ともに大満足だ。どちらも直売所もあるのでお土産まで揃う。「お休み処 談」さんは平成25年(2013)にできたばかりの理髪店を改装した小さな本格カフェ。誰かと話したくなった時もふらっと寄れ、マスターが観光についても教えてくれる。

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歴史を巡る!ドライブスポットベスト3

  1億5千年ほど前から海底が隆起してできた島、礼文島。太古の昔から作られた自然の景色の背景には様々な歴史がある。ここでは礼文島の歴史を知るおすすめドライブスポットを紹介しよう。

  • NO1 礼文町郷土資料館
おすすめポイント
  近年リニューアルオープンした郷土資料館は、礼文の花やニシン漁期の生活を再現した展示の他最近注目の縄文・オホーツク文化の遺跡の出土展示もあり、美しいヒスイや、貝殻のアクセサリーも人気を集めていて新しい名所となっている。また、礼文島には礼文アイヌと磯谷アイヌという2つのアイヌが居たとされ、桃岩伝説や見内神社の伝説など数々の伝説を残している。

礼文産魚介のお土産ベスト3

  しっかり美味しい魚介を食べたあと、残るのは名残惜しさ・・・。ここでは礼文の味を持ち帰りできるおすすめの魚介土産を紹介しよう。

  • NO1
  • NO2 「宝うに缶詰」
  • NO3 絶品昆布醤油
おすすめポイント
  「ぬかほっけ」は各土産店で多数あり、味も異なるため好みの味を探したくなる。人気の利尻昆布のお土産も多数。安心の漁協産を用途などにあわせてしっかり選びたいもの。季節物のウニも瓶詰めなどの加工品も多数。シーズンを逃した!なんてときも気軽に楽しめる便利さだ。礼文土産は凝った物というより新鮮な素材を生かした物が多い。誰にでも喜ばれるから手みやげにもおすすめだ。

礼文島へのアクセス

  礼文島へは、海の玄関口からは稚内または利尻島からのフェリーでの移動。また利尻島や稚内まで飛行機で入り、そこからのフェリー移動も。
島の移動はやっぱりレンタカーが便利。

飛行機+フェリーで

  羽田空港より約2時間
関西空港より約2時間30分
中部国際空港より約2時間
新千歳空港より利尻空港まで、約50分

のちフェリーで40分

バス+フェリーで

  札幌駅前ターミナルから高速バスで約6~7時間で稚内フェリーターミナルまたは駅前バスターミナル着(便により異なるため要確認)

のち稚内よりフェリーで約2時間弱

電車+フェリーで

  札幌から特急スーパー宗谷・特急サロベツで約5時間弱。稚内駅下車。

のち稚内よりフェリーで約2時間弱

礼文島の観光Q&A

Q 礼文島の人気のシーズンは?
A 6~7月が一番人気。高山植物、ウニ漁とも盛んな時期だ。また「花の島」と呼ばれるほど、見逃せないのは貴重な高山植物の開花時期。
そのなかでも一番人気はわずか20日と開花時期が短く特定国内希少野生植物種に指定されている礼文島固有種の白い美しい花、レブンアツモリソウの開花時期。(例年5月中旬~6月中旬)
 他にも9月頃まで様々な高山植物が島を彩る。ただ、宿はかなり早くから埋まって行くので注意が必要だ。
Q 礼文に咲く高山植物の種類は?
A 礼文には20種類以上の希少種、固有種を含む約300種の高山植物が咲く。
 本州では2000メートル級の高山でしか見られない高山植物が海抜0メートルから標高400メートルの礼文島でみられるのは氷河期を超え海底が盛り上がってできたという歴史があるからこそ。
Q 礼文おすすめ施設・体験・アクティビティーは?
A 施設は利尻礼文稚内を舞台にした映画、「北のカナリアたち」のロケ地、新しくできた「北のカナリアパーク」が人気。

 体験は夏場のおすすめ体験は船泊漁協の「うにむき体験活魚センター」のうにむき体験。新鮮な礼文産の極上ウニを自分でむいて食べることができる。
 また地蔵岩の付近、元地海岸はメノウ浜といわれ、打ち寄せるメノウを拾う事もできる場所。
ちょっと変わったアクティビティーは、道路が無く断崖絶壁が続くまさに手付かずの地、礼文島西海岸にシーカヤックで行くツアーもある。
礼文のホテルの特色

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