海と山に囲まれた津奈木町には、大自然に育まれた多くの特産品があります。環境に負荷をかけないよう、肥料や農薬に頼らず農産物を育てる「つなぎFARM」では、スイートスプリングやデコポンを生産。丁寧に手間暇かけて作った産品は、消費者から「ここのじゃなきゃ」と言われるほど。「人」と「自然」が共存する津奈木町で、気さくであたたかく、いきいきと生活する人たちとは…。
スイートスプリングは、温州みかんとはっさくを交配した、みずみずしい甘さが魅力の柑橘類です。通常の出荷は12月ですが「完熟させたほうがおいしい」と、生産者の吉野芳美さんは2月頃に収穫しています。完熟させるまで育てるのは難しく、木に負担をかけ翌年の収穫に影響を及ぼしたり、虫に食われたりとリスクの大きい果実。そんな中、無肥料、減農薬(最小限の農薬は散布)に、酵素散布とこれまでの剪定を180度変えた栽培法で、樹木の力を最大限に引き出し、毎年2月の収穫が可能に。「皮まで食べられるほど甘くジューシー」とほほ笑む吉野さん。予約注文で完売するのも納得です。
日本最南端の日本酒の天然醸造蔵として知られる「亀萬酒造」。年齢層が高いといわれる酒造業で、平均年齢34歳と若者たちが第一線を担います。杜氏であり、四代目の竹田瑠典さんは、新たな取り組みとして米作りからの日本酒醸造に着手。仕込み水と同じ水源の水で米を育て、その米で日本酒を造るなど、他の酒造とは異なる個性を発揮しています。なかでも、世界に誇れる日本酒として「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019」のプレミアム純米部門で最高金賞を受賞した「萬坊」は、ここでしか味わえない逸品。吟醸香がほんのりと広がり、すっきりとした飲み心地です。つなぎオイスターバルでも亀萬酒造の日本酒を堪能できますよ。