1. 夕張メロン やわらかな果肉と芳醇な香りを楽しむ

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

夕張メロン やわらかな果肉と芳醇な香りを楽しむ

  北海道の大地の恵みと、絶えまない生産者の努力の結晶である「夕張メロン」。メロンの中でも芳醇な甘い香りと美しいオレンジ色の果肉が特徴だ。その果肉は非常に柔らかく、とってもジューシー。

夕張メロン

  夕張地方で、圧倒的な知名度を誇る「夕張メロン」。これを食さずに帰るのはあまりにもったいない! 北海道の夏を代表する特産物でもある夕張メロンは、その芳醇な香りとオレンジ色のジューシーな果肉が魅力。その味は一度食べたことがある人なら、きっと忘れられないはず。

石炭なき後、観光の街として地域活性化を図る夕張市。ここでは夕張メロンの歴史や生産側の視点も交えながら魅力を伝えつつ、オススメの直売所やスイーツ、グッズに至るまでとことん夕張メロンについて紹介しよう!


北海道ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集


[たびらいセレクション]

夕張メロンの達人
(まつみや ふみえ)
松宮 文恵さん

夕張メロンの達人
  JR夕張駅前の「夕張観光案内センター」のセンター長。夕張生まれの夕張育ちという、筋金入りの夕張っ子。夕張については仕事というよりライフワークと捉えており、それほどまでにアツく夕張のことを考えている。「人の輪と和」をモットーにしている彼女に会うために、この地を訪れる人も多いという。

達人が語る 夕張メロンの魅力

夕張メロンの歴史

  1957年のある日のこと。地区を回っていた当時の夕張市の農業改良普及員がひとつの果物に出合った。それは、農家が自宅用に細々と作っていた「スパイシー」という名のメロン。スパイシーはどのメロンにも負けない、強く甘い香りを持っていた。「あとは果肉が甘くさえなれば、十分夕張の特産品になる。そうすれば農家も助かるのではないか」。彼はそう考えたのであった。

1959年にメロンの交配試験が始まり、1960年6月には交配を行い、10個の実を収穫。翌年春から初の栽培に取り組む形となった。必死の思いで育てたメロンは夏に立派な実をつけ、ジューシーな赤い果肉と豊潤な香り、そして、とろけるような甘みを見事に生み出すことに成功! 「最高のメロンができた。苦労が報われた!」と、皆自信満々で夕張メロンを集荷場に持ち寄った。

その後、出荷や保存などの問題に直面したが、厳しい検査や試行錯誤を繰り返し、改良を重ねるなどの絶えまない努力を経て、現在の私たちが食す「夕張メロン」となったのである。

農家の愛情と厳正な審査から生まれる夕張メロン

夕張メロン畑

  石炭なき後の夕張の街を支え、「赤いダイヤ」とまで呼ばれるようになった夕張メロンこと、品種名「夕張キング」。その栽培方法は今も進化を続けている。その中で、「日本一厳しい」と評される品質検査の方法は、現在でも変わらずに機械ではなく検査員によって行われている。長年夕張メロンを吟味し続けてきた検査員の、全神経を集中させた検査に勝るものはなかったのである。

そしてもうひとつ変わらないものがある。それは、食べる人の笑顔を求めて努力を続ける生産者の姿勢だ。夕張メロン組合の組成から50年を経て、農家の世代交代は進みつつあるのだが、あくまで生産農家の目標は「消費者が喜ぶ夕張メロンを作ること」。食べる人の顔を思いながら、ひと玉一玉に愛情を込め。創意工夫を重ねて夕張メロンを育てていくその姿は、創成期の農家の姿勢となんら変わるところがないのである。夕張の農家の熱い思いと高い技術が実らせる“極上のフルーツ”夕張メロン。その輝きは誕生から今日まで、そしてこれからもずっと、褪せることなく受け継がれ、続いていくのだ。

とれたての美味しい夕張メロンの直売所

夕張メロン直売所

  夕張メロン収穫時期になると忙しくなるのが、市内の直売所である。市内には数10店舗ほどあり、繁忙期には毎日新鮮な夕張メロンを求めてたくさんの観光客が訪れる。街の中を散策しているとメロンを販売している商店や直売所などを多数目にするだろう。

なかでも、2011年にオープンした「道の駅メロード」では、夏の夕張メロンはもちろんのこと、長芋やアスパラガスのほか、新鮮な地場産の野菜や夕張の特産物も販売している。車・電車でもアクセスがしやすく、駐車場も広いので立ち寄るには最適のスポットだ。また夕張農協横にある「夕張メロンドーム」では、とれたての夕張メロンの試食もできるのでこちらもオススメ。その場で食べる“とれたて”の夕張メロンは一度食べたらやみつきだ。


観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!




[たびらいセレクション]

北海道【レンタカー】スマートトラベルレンタカー

夕張メロンおすすめランキング

夕張メロンの直売所

  街を移動していると、夕張メロン直売所(商店)をいたるところで見かけるだろう。それほどまでに夕張メロンは街にとってかけがえのない存在なのだ。

  • NO1夕張メロード
  • NO2夕張メロンドーム
  • NO3夕張市農協銘産センター
おすすめポイント
  「道の駅メロード」は平成23年(2011)に新設された。夕張ICから約1.5キロに位置し、JR新夕張駅とも隣接しておりアクセスが良い。農産物直売所はもちろんのこと、地元の軽食を味わえたり、物産店も併設しているので、見どころ満載である。「夕張メロンドーム」は夕張市農業協同組合の夕張メロンやメロン加工製品のPRと販売・地方発送を行う物産センター。7~8月は新鮮な夕張メロンの試食も可能だ。「夕張銘産センター」は国道274号沿いにあり、夕張メロンを筆頭とした特産品と銘産品を豊富に取り揃えている。

夕張メロンを使ったお菓子

  • NO1夕張メロンパン
  • NO2メロンゼリー
  • NO3たんどら
おすすめポイント
  夕張メロンを使用したお菓子はたくさんあるので選定に困る。その理由はどれも美味しいのだ。「夕張メロンパン」はホテルマウントレースイの2階のカフェで味わえる一品。また、北信フーズの「夕張メロンゼリー」は素材の味を生かした気取らない味が人気。阿部菓子舗の「たんどら」は皮の黒いどら焼きで、夕張メロンクリーム味は特においしいと人気が高い。

夕張メロングッズ

  • NO1メロン熊ストラップ
  • NO2メロン熊巾着
  • NO3
おすすめポイント
  メロン熊は「夕張メロンの畑で野生のヒグマによる食害が発生」というニュースから発案された。「夕張のおいしいメロンを食い荒らして変貌したフルーツアニマル」という設定らしい。当初は多少かわいくデフォルメされた「マイルドなメロン熊」のみだったが、後にリアルにヒグマを再現した「凶暴化したメロン熊」も登場した。さまざまなグッズが用意されているが、人気は携帯ストラップや巾着。メモをはさむことができるマグネットも隠れた人気がある。

どこまでも広がるラベンダー畑…。

夕張市の道の駅「夕張メロード」までの交通アクセス

  空の玄関口「新千歳空港」から約40キロという非常に恵まれた場所に位置する夕張市。国道274号沿いに面しており、夕張ICから約1.5キロに位置する。JR新夕張駅とも隣接し、自動車だけでなく列車からもアクセスは両行。

農産物直売所が併設され、夏の夕張メロンをはじめ、長いもなど、新鮮な地場産野菜や特産品を販売している。

夕張メロードの施設情報

  【住所】北海道夕張市紅葉山526-19
【営業時間】9時~19時(4/25~8/17)、10時~18時30分(8/18~4/24)
【問い合わせ】0123-53-8111

車(レンタカー)で

  新千歳空港から高速道路(新千歳ICから夕張IC)で約35分。道央自動車道夕張ICから道の駅メロードまで車で約5分

⇒格安レンタカーの予約はこちら

電車で

  【札幌から】
約2時間10分~。「特急おおぞら」「特急とかち」を利用する場合は「新夕張」で、普通・快速エアポートの場合は「千歳」「南千歳」のいずれかで乗換えが必要。
※特急の場合、「新夕張」に停車しない列車もあるので、注意を。

【新千歳空港から】
約2時間~。いずれの列車の場合も「南千歳」で乗換えが必要。

バスで

  【夕鉄バスの場合】
新さっぽろ駅前・大谷地バスターミナルから札幌急行線に乗り、夕張で下車
【北海道中央バスの場合】札幌駅前バスターミナル16番乗り場から「高速ゆうばり号」に乗り、夕張で下車。
※マウントレースイスキー場が営業する冬期間のみ、新千歳空港と夕張をつなぐ便が運行。中央バスに問い合わせを。

「夕張メロンドーム」までの交通アクセス

  夕張農協に隣接しており夕張の農業の紹介や、夕張メロンなどの特産品を販売する丸い建物の交流パーク。最盛期の6~7月には夕張メロンの販売・発送や特産加工品の販売で道内外の観光客で賑わう。こちらは車でのアクセスがおすすめだ。

⇒格安レンタカーの予約はこちら

夕張メロンドームの交通アクセス

  【住所】夕張市沼ノ沢213番地27
【営業時間】10時~16時30分(5月3日 ~ 8月31日/予定)
【定休日】基本日曜日
【問い合わせ】0123-57-2020

車(レンタカー)で

  新千歳空港から高速道路(新千歳ICから夕張IC)で約35分。
道央自動車道夕張ICから夕張メロンドームまで車で約10分

⇒格安レンタカーの予約はこちら

達人が答える旅のQ&A

Q 夕張メロンの食べごろの時期って?
A 夕張メロンの初セリは5月中頃で、8月末頃には収穫時期が終わる。6月中旬頃から収穫が多くなり、選別・厳選できるので、お中元の時期、初夏がおすすめ。8月になるとお盆のお土産ギフトで品薄状態になり、収穫も少なくなってくる。さらに時期が遅くなるにつれ、果肉が柔らかくなり過ぎたり、薄味ぎみになりがちなので要注意が必要だ。
Q 夕張メロンに関するイベントって何かあるの?
A 6月末頃「夕張友酉市場」にて「夕張メロン祭り」というイベントがあり、夕張メロン無料試食や夕張メロン模擬セリ市、夕張メロン即売会等を楽しむことができる。「ホテルマウントレースイ」では「夕張メロン食べ放題イベント」を6月~8月の期間限定でランチ&夕食に行っている。日帰り客向けにも行っているので安心だ。
Q 夕張メロン以外の名産品ってなにがあるの?
A 夕張メロンがあまりに有名なため、少し陰に隠れてはいるが実はたくさんの名産品がある。メロン以外にも長芋や新鮮なアスパラガスがオススメ!また、B級グルメの「夕張カレーそば」は炭鉱夫たちが愛してきた夕張市民のソウルフードとして名高い。他にも「あんかけ焼きそば」や小倉屋の「ぱんぢゅう」、うさぎやの「シナモンドーナツ」なども有名だ。夕張メロンのブランデーやゼリー、シュークリーム、どら焼きなど、実は夕張には美味しいものが満載なのだ。

いざないの一枚

その他の達人指南を見る

幸せの黄色いハンカチ

夕張観光 ぶらり「映画の街」の名所めぐり
「幸福の黄色いハンカチ」をはじめ、数々の映画の舞台となった夕張市。冬には映画祭が開かれ、多くの映画人やファンでにぎわう人気の観光地だ。映画好きはもちろん、誰もが・・・

スイーツアベニュー

新千歳空港でお土産選び。人気店を紹介
北海道の旅の締めくくりに欠かせないのが、お土産選び。大切なあの人へ贈るとっておきの一品を、新千歳空港で探そう。

国内2番目のカルデラ湖「支笏湖」

支笏湖観光、札幌から車で1時間の湖を遊ぶ
日本有数の透明度を誇る支笏湖には、「チップ」と呼ばれる特産品のヒメマスを使ったグルメや「苔の洞門」などの観光スポットがあり、さらには“カヤック”を利用したアクテ・・・

地獄谷

登別温泉 北海道を代表する名湯の楽しみ方
「登別温泉」は、江戸時代から市民に愛され続けている北海道の屈指の温泉地。温泉入浴を楽しむ以外にも、地面から水蒸気や火山ガスが噴出する「地獄谷」など、観光スポット・・・

ニセコアンヌプリ山頂からの風景

ニセコの観光名所。絶景・撮影スポットまで
広く見どころがたくさんのニセコエリア。例えば、湧き出す名水を飲んだり、もしくはサマーゴンドラに乗って高いところから羊蹄山を眺めたり。“名所”と呼ばれる場で、ニセ・・・

白鳥大橋

室蘭観光 工場夜景と鉄のまちの楽しみ方
北海道を代表する工業都市として、明治時代から栄えてきた室蘭。噴火湾と白鳥湾の中にある天然の良港・室蘭港を中心に、そのまちは広がる。鉄のまち、ものづくりのまちとし・・・

スープカレー

札幌スープカレー 味わい方と人気店6選
札幌のスープカレーは、ジンギスカンやラーメンと並ぶ名物グルメ。野菜や肉、魚介などの具材がドーンと盛られる、北の大地らしい豪快な一皿だ。その味わい方と人気店情報を・・・

市電メイン

「札幌市電」 路面電車できままに観光
ガタゴト揺られてのんびりゆったり…。札幌観光で気ままなひとときを楽しむなら、路面電車がオススメ。レトロな車体は、乗っても、眺めるだけでも風情満点。札幌市交通局に・・・

明治期の面影を残す博物館。

サッポロビール博物館で ここだけのプレミアムビール体験!
日本で唯一のビール博物館である「サッポロビール博物館」。ここは学びの場であると同時に、“ふたつ”のプレミアムビールを楽しめる、特別な空間でした。
×