人吉球磨の魅力が詰まった列車が新たに登場

平成29年(2017)3月4日(土)から運行開始となる「かわせみ やませみ」。鹿児島本線・肥薩線の熊本~人吉間を1日3往復するこの観光列車は、「人吉球磨の魅力を感じていただくおもてなし」をコンセプトにしたJR九州のD&S電車だ。
「D&S電車」とは、“D”はデザイン、“S”はストーリーの略で、地域に合わせてデザインやストーリーを持たせた個性的な観光列車のこと。
九州の厳選食材を使用したスイーツコースが味わえる「或る列車」や、湯布院を走る「ゆふいんの森」のように、列車に乗ることそのものが観光旅行の目的になるのが特徴。九州ですでに走っている10種類のD&S電車と合わせると、「かわせみ やませみ」が11番目となる。

デザインを担当するのは、豪華観光寝台列車・ななつ星を手がけた工業デザイナーの水戸岡鋭治(みとおかえいじ)さん。
自然豊かな球磨川渓流を鳥が飛び回る姿をイメージしているといい、1両目には川を表現するブルーの「かわせみ」、そして2両目は山をイメージするグリーンの「やませみ」と、色鮮やかなボディが特徴的だ。内装には人吉球磨産のヒノキや杉、八代産のい草を使用し、自然の香りとぬくもりが感じられる。
また、車内ではさまざまな“おもてなし”を用意。球磨焼酎の全28蔵元による製造方法が異なる3種類の焼酎を味わうことができ、四季ごとに銘柄が変わる。「球磨焼酎案内人」の資格を持つ客室乗務員に、ぜひおすすめの銘柄を聞いてみよう。

さらに、球磨焼酎に合うおつまみと鹿肉の燻製やソーセージなどのジビエ料理を詰め合わせた「くまの宝箱セット」や、地元の食材を使った「四季彩弁当と郷土料理つぼん汁セット」、地元の名店「ポエム」による季節の果物を生かしたスイーツも楽しめる。

車内には球磨川などの自然を、360度の仮想現実(VR)で楽しめる端末も設置される。2月28日(火)の14時50分~15時10分ごろには、“博多駅お披露目会”として「かわせみ やませみ」が博多駅の在来線ホームに登場する予定。完成したばかりの車体を福岡で見るチャンスだ。