旬のもの 水前寺せり 江津湖の南西で栽培されている「水前寺せり」。この地域は地下水が自噴しており、水が清らかなで、水温が一年中18度前後と安定している。5月に苗づくりが始まり、11月中旬から翌年の4月まで収穫を行う。豊富な湧水を利用し栽培するため、アクが少なく、香りや色合いなど品質がよい。七草や雑煮、鍋物、吸い物など用途は幅広くさまざまな風味を楽しめる。 栗 栗栽培で全国2位の生産量を誇る熊本。菊鹿地域・鹿北地域の山間地帯を中心に昭和30年代後半から40年代初期にかけて、国の農業構造改善事業等により約50ヘクタールの集団栗園が形成された。県内の中でも主な生産地は山鹿市。品種は利平、銀寄、筑波などがあり、近年では新品種ぽろたんの生産も始まった。シンプルにゆでたり焼いたりするほか、マロンケーキや羊かん、くりきんとんなどのスイーツにも使用できる。 スイートスプリング 幻の青みかんとも呼ばれるスイートスプリングは、栽培が難しく生産量が少ない珍しい柑橘。果肉はオレンジ色で、果汁が多く食感は柔らかい。酸味は少なく上品な甘さがあり、八朔のような苦味はない。重さは250グラム前後で、皮の色は黄色~オレンジ色。種のない温州みかんと甘酸っぱい八朔から生まれた交雑種で、シーズンの初めには黄緑色のものも含まれる。