1. 小樽雪あかりの路 幻想的な、たそがれどきの小樽を楽しむなら

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

小樽雪あかりの路 幻想的な、たそがれどきの小樽を楽しむなら

  寒さ厳しい2月の小樽で10日間だけ開かれる、雪と氷でつくられた幻想的な「あかり」のイベントがあることをご存じ? じっくり眺めて、そして、歩きながら楽しめる。「小樽雪あかりの路」のマストポイントをガイドします。

小樽運河とキャンドル

  1999年に始まって以来、毎年開催されている「小樽雪あかりの路」は、2018年の2月で20回目を迎える。小樽を代表する観光地・小樽運河と、鉄道跡地の手宮線(てみやせん)の2カ所をメイン会場、朝里川温泉を準メイン会場としているが、小樽市内の学校や商店街など、さまざまな場所も会場となり、10日間の会期中は街全体にやわらかなあかりが灯る。

会期中、会場を訪れる人は50万人、ボランティアスタッフは2000人を超える。「人のぬくもり」を大切にし、もてなされる側・もてなす側どちらも主役のイベントだ。

取材・文/相馬 りえ 投稿/2015年 10月


北海道ローカル案内役が厳選おすすめホテル特集


[たびらいセレクション]

雪あかり達人
(やましろ えいたろう)
山城 栄太郎さん

小樽雪あかりの路の達人
  第16回開催から、小樽雪あかりの路実行委員会の検討委員長を務める。小樽生まれの小樽育ちで、大学進学を機に東京へ移り住む。大学卒業後も東京で雑誌編集の仕事に就き、第一線で活躍していたが、3代続く実家の花屋を継ぐために15年前小樽に帰郷。小樽雪あかりの路は、第3回からボランティアスタッフとして参加し、その後毎年企画や運営に携わっている。趣味は登山やスキー。

手宮線会場は“歴史の重みと静寂”を感じながら

手宮線会場

  JR小樽駅から徒歩約8分。小樽雪あかりの路メイン会場のひとつ、手宮線会場がある。1881年、日本で3番目に、北海道では最初に鉄道が開通した場所だ。1985年に廃線となり、現在では貴重な鉄道遺構として残存する。

「イベント会期中に雪を掘り起こすと、線路や信号、遮断機が姿を現します。かつては経済発展のために物を運んだり人が通ったり、そういった歴史の重みを感じながら雪のオブジェを眺められる、厳かでスピリチュアルな会場だと思います」。また「手宮線会場は、たくさんある会場の中でも特に静か。不思議なくらい静かで、車の音や街の雑踏がほとんど聞こえません。来場者の話し声と、雪の上を歩く『ギュッ、ギュッ』という足音だけが聞こえる感じです」と山城さん。忙しない時代の中で、喧騒から離れ、自分とゆっくりと向き合える静かな会場だ。

浮き玉キャンドルが水面に揺れる運河会場

運河会場

  小樽を代表する観光地・小樽運河も雪あかりの路のもうひとつのメイン会場だ。小樽運河は大正時代後期、北の玄関港として栄えた小樽港の船からの荷揚げ用に造られた。会期中、散策路には雪の手づくりオブジェ、そして、運河の水面にもキャンドルのあかりが灯り、運河全体が幻想的な雰囲気に包まれる。この運河の水面に浮かぶあかりも、電気ではなく、ろうそくによるものなのだと山城さん。

「ニシン漁で使われたガラスの浮き玉は、小樽の歴史を象徴するアイテム。あえて水に浮かべる浮き玉の中にもろうそくを灯しました。ろうそくの火が消えたり、ガラスが割れたりすることもありますが、それも全部手作業で修繕などします」

たくさん並ぶオブジェのひとつ一つを細かく見て回るのが手宮線会場だとすると、運河会場は景色を眺めて楽しめる会場とのこと。もともと小樽運河が持っている雰囲気が魅力的ゆえ、このイベントではその魅力を後押しする演出を心がけているようだ。

たくさんのボランティアスタッフも主役

ボランティア

  さて、会期中、小樽市内の町内会や各種団体をはじめ、海外数カ国からもボランティアスタッフが集う。その数、なんと延べ2000人超。作業内容はスノーキャンドルやオブジェの作成はもちろんのこと、約12万本のろうそくの点火と消灯ならびに撤去、さらには使用済みろうそくの再生、と多岐にわたる。まさに、ボランティアの支えなくしては成り立たないイベントだ。

長い経験上、雪あかりの路のボランティアで一番難しかったことは“会場リーダー”だと山城さんは言う。時に思い思いのスノーオブジェを製作し始めるスタッフなど、さまざまな意思や背景を持ったメンバーにイベント会場のコンセプトや統一感を理解してもらうには、対話力と忍耐力が必須。

「ボランティアの方にも『やって良かった』という満足感を得て帰ってもらいたい。リーダーは、1日15~20人のスタッフに指示を出す役割を担っていますが、掛ける言葉や指示の仕方が重要だと思っています」

山城さんら実行委員会が目指す雪あかりの路は“おもてなしする・おもてなしされる、すべての人が主役のイベント”。来場者も製作者も、時には静かな会場で物思いにふけりイベントを楽しむ。国籍や肩書き、立場を超えて、優しく灯ったあかりが人と人の心をぐっと近づけるイベントなのだ。

朝里川温泉会場で、小樽の詩人が詠んだ世界に浸る

朝里川

  準メイン会場の朝里川温泉は、市街地から車で約20分。複数の宿泊施設を有する温泉街として、またウインタースポーツのスポットとして有名だ。会場のほぼ真ん中を流れる朝里川の川面にも、たくさんのあかりが灯る。目を凝らしてみると、川面の石の上、こんもり丸く積もった雪のひとつ一つにキャンドルが。

「雪あかりの路というイベント名は、小樽出身の作家・伊藤整の詩『雪明かりの路』にちなんで命名されました。その詩には、伊藤整が、駅から家に帰る途中の風景が描かれているのですが、その風景が現在も留まっているのが、朝里川温泉会場だと思います」

朝里川温泉会場は自然を感じられる、一番“絵になる”会場だ、と達人。この会場には毎年多くのカメラマンが訪れ、人気の撮影スポットとなっている。毎年、雪あかりの路と併催している「愛のフォトコンテスト」のグランプリ作品が2年連続でこの会場を撮影したものが選ばれているほどだ。

冬の小樽、服装指南!

冬の小樽の服装

  真っ白な雪の中のやさしいキャンドルのあかりが来場者の心をほっとさせるこのイベント。しかし、開催時期は極寒の2月、防寒対策は必須だ。

「もこもこのダウンジャケットを着てきても、足、耳、手、頭の防寒対策は疎かという方がたくさんいます。手袋、帽子、防寒靴はマストアイテムです。さらに、上半身だけでなく、パンツ部分も防寒着を着用されることをおすすめします」

小樽は坂道が多い街。「会場内、段差がついているところも多いですし、滑りやすいです。たまにハイヒールを履いて来る女性がいますが、滑って危険です。毎年滑って転倒する人は大勢います。どうか靴は雪用のものを履いて来て下さい」と、山城さんは足下のケガ対策も呼びかけている。

2018年の開催期間は2月9日(金)から18日(日)。北海道の寒さが一番厳しい季節だ。しかし、それゆえに空気は澄みわたり、幻想的な雰囲気の街を心ゆくまで楽しめる。どうか、暖かな服装で“特別な冬の小樽”を訪れてもらいたい。


観光を楽しむならホテル選びも重要!ホテル・宿を見つけて、旅行に行こう!




[たびらいセレクション]

雪あかりの路・達人おすすめのプログラムとメニュー

子どもも一緒に楽しめる!小樽雪あかりの路、特別プログラム

  小樽雪あかりの路は、「レトロでシック、大人のイベント」というイメージが強いかもしれないが、子どももたくさん来場する。会期中は、子どもと大人が一緒に楽しめる特別プログラムも多数用意されている。

  • スノーオブジェ体験
  • ワックスボウル製作体験
  • スノー滑り台
おすすめポイント
  手宮線会場には雪あかりの路本部が設置され、そこの周辺で毎日催しているプログラムがワックスボウル製作体験、会期中の土日と祝日に催しているのがスノーオブジェ製作体験だ。「どちらのプログラムも道具などはお貸ししますので、手ぶらで参加できます」
 また、同じく手宮線会場にはスノー滑り台が設置され、土日祝日は子どもたちの順番待ちの列ができるほど人気。平日の比較的空いている時間には、同伴の大人が滑る姿も見られるのだそう。

あたたかいメニューを提供してくれる飲食店

  小樽雪あかりの路に参加して、冷えた体を温めてくれる料理を提供する飲食店、達人おすすめの3店を紹介。

  • 藪半
  • 中華食堂 桂苑
  • スープカレー/celan
おすすめポイント
  小樽雪あかりの路は大型イベントには珍しく、会場内に飲食の屋台はほとんど並ばない。「小樽にはおいしい料理を提供する飲食店がたくさんあります。寒くなったり、お腹がすいたら、周辺にある飲食店に入ってほしいです」
 「老舗蕎麦店の藪半は、そばもだしも美味で何のメニューを食べてもおいしい。中華食堂・桂苑のあんかけ焼きそばは、小樽に来た時にはぜひ食べてほしい一品です。また、celanのスープカレーは、どのメニューもおすすめ。天狗山の麓にあり、不便な場所ではあるんですが、そこまで足を運んででも食べたくなるカレーです」と山城さん。

会期中の特別イベント3選

  小樽雪あかりの路では、オフィシャルイベントの他にも、小樽市内の商店街や博物館などが主催のイベントもたくさん併催される。

  • 天狗山会場
  • 冬の小樽がらす市
  • 特別応接室一般公開
おすすめポイント
  オフィシャルイベントの他にも、文学館・美術館や小樽運河プラザなどさまざまな場所で、小樽雪あかりの路の会期中にしか体験できないイベントが催される。その内容は、音楽ライブや朗読会、飲食店をハシゴできるお得なチケットの発売など、多岐に渡る。
 また、静かで厳かなイベント・小樽雪あかりの路の中で、珍しく花火が打ち上げられ、樹木がライトアップされる華やかな会場が「天狗山会場」だ。「雪あかりの路の開催初日の夜に行われる、天狗山会場のオープニングイベントは、たいまつを持ったスキー隊のパフォーマンスや打ち上げ花火など、華やかで幻想的な内容です。とても気合いの入った会場なので、ぜひ足を運んでもらいたいです」

小樽の宿探しなら「宿くらべ」

  • 小樽で朝食がおいしい宿4選
  • 小樽で朝食がおいしい宿4選
  • 小樽で温泉がおすすめの宿2選
編集部の視点
  北海道のいい宿研究会が厳選したホテルを目的別にご紹介。お得に楽しくホテルを選んで北海道を旅するヒントがたっぷり詰まっています。自分好みのプランがきっと見つかるはず。

⇒「宿くらべ」をもっと見る

小樽雪あかりの路・メイン会場への交通アクセス

  小樽雪あかりの路は、小樽市内の至るところが会場となり、どこを散策しても楽しめる。ここでは、メイン会場へのアクセスをご紹介。

【開催日時】
2023年2月11日~18日 17時~21時

車(レンタカー)で

  新千歳空港から高速道路(新千歳ICから小樽IC)を使用し、約84キロ。約手宮線会場へは約1時間15分、運河会場へは1時間10分。

電車で

  新千歳空港から快速エアポートで約1時間10分。JR小樽駅下車。手宮線会場へは徒歩約8分、運河会場へは12分。

バスで

  札幌駅前ターミナルから高速バスで約1時間で小樽駅前ターミナルに到着。

小樽雪あかりの路・準メイン会場への交通アクセス

  準メイン会場の「朝里川温泉」は、小樽市街地から約7キロほど離れているため、冬場は車でアクセスするのが得策。小樽運河から道道17号線を経由し、約15分の道のりだ。

車(レンタカー)で

  新千歳空港から高速道路(新千歳ICから朝里IC)を使用し、約80キロ、約1時間。
(メイン会場から)
小樽運河から道道17号もしくは桜町本通を経由、約7キロ、約15分。
小樽レンタカーを最安値で予約できます!

いざないの一枚

その他の達人指南を見る

北一硝子トップ

小樽「北一硝子」 朝イチのカフェタイムをおすすめする理由
北一硝子は、市内に17店舗を展開する、小樽を代表するガラスブランド。質の高さや種類の豊富さで人気の北一硝子ですが、その楽しみは土産選びだけではありません。見て、・・・

おたる水族館メイン

おたる水族館 海獣&イルカたちの世界を満喫する方法
おたる水族館は、人気の観光地・小樽運河から車で約15分。他施設ではなかなか見ることのできない「海獣ショー」や、北海道ならではの魚たちが目白押しの水族館です。国内・・・

メルヘン

雑貨店からカフェまで、ぶらり堺町通り
「堺町通り」は小樽運河に次ぐ、小樽の人気観光スポット。小樽オルゴール堂のあるメルヘン交差点から、北のウォール街へ向かってのびる約900メートルの通りを指す。この・・・

神威岬の神威岩

積丹観光-うに丼と魅惑のシャコタンブルー
北海道内で唯一の海中国定公園に指定されている透き通った海と、断崖絶壁・奇岩・大岩の絶景を楽しめる積丹半島。「生うに」をはじめとした新鮮で豊富な海鮮グルメも楽しも・・・

季節や時間帯によって表情を変える石づくりの建物

ニッカウヰスキー余市蒸溜所 試飲を楽しむ、ほろ酔いオトナ旅
日本を代表するウイスキーブランド「ニッカウヰスキー」。香り深い味わいを育む余市蒸溜所は、全国からウイスキーファンが集まる人気スポット。リピーター続出の施設の魅力・・・

せいろ蕎麦

小樽・あんかけ焼きそば~麺文化を楽しむ
古くからの日本人独特の麺文化である「蕎麦」、日本で独自の麺文化を構築してきた「ラーメン」、小樽のソウルフード、「あんかけ焼きそば」。小樽でのそれぞれの麺を紹介し・・・

スイーツアベニュー

新千歳空港でお土産選び。人気店を紹介
北海道の旅の締めくくりに欠かせないのが、お土産選び。大切なあの人へ贈るとっておきの一品を、新千歳空港で探そう。

大通会場

さっぽろ雪まつり 雪と氷を「光と音」で楽しむ冬の一大イベント
北海道の冬を代表する一大イベント、さっぽろ雪まつり。メイン会場となる大通会場の楽しみ方から体を暖かく保つ服装選びのポイントまで、達人のアドバイスを役立てて満喫し・・・

サッポロさとらんど内を走る馬車

サッポロさとらんどで農業・酪農体験を満喫
正式名称は「札幌市農業体験交流施設」。「サッポロさとらんど」はさまざまな農業体験のほか・気軽に酪農体験を楽しめるスポットだ。東京ドーム18個分の広大な園内を巡る・・・
×