維新の立役者は、彼を慕った人々と共に静かに眠っている

桜島を望む丘の上にある「南洲墓地(なんしゅうぼち)」には、西南戦争後、城山や鹿児島県内のみならず、宮崎・熊本・大分の各県から集められた薩軍兵士2023名が眠っている。西郷隆盛を囲むように兵士の墓が並んでいるほか、西郷らを支援した鹿児島県初代県令(知事)・大山綱良の墓や、西郷と深い親交があった勝海舟が亡き友のために詠んだ歌碑が建っている。
この歌碑には、「ぬれぎぬを 干そうともせず 子供らが なすがまにまに 果てし君かな」と刻まれている。西南戦争で自らの意図とは異なるものの、私学校派の少壮士族らによる反乱の責任を負って散って行った西郷隆盛への、勝海舟の想いを読みとることができる。
鹿児島県の内外から、多くの墓参者が訪れる場所だ。