ノスタルジックな港町の景色は映画などのロケ地としても有名

国道220号線沿い、油津港近くにある堀川は、全長約1キロの石組の運河。天保3年(1683)に、この地を治めていた飫肥(おび)伊東藩第5代藩主・佑実(すけざね)の命で、名産である木材を川流しの方法で港へ運び出すために造られた。現在も両岸には、石組や水門、石段、スロープなどが残り、シンボルとなっている堀川橋は明治36年(1903)に完成したものとして文化庁登録文化財にもなっている。
映画『男はつらいよ 寅次郎の青春』の舞台となったほか、周辺の街並みはNHKの朝ドラマ『わかば』や、数々のCMロケ地として使用された。昭和7年(1932)に建築された杉村金物本店は、木造3階建てで外装は銅板張り、窓枠には洋風のしつらえが施され、建物自体が文化庁登録文化財として指定されている。現役で営業中のため、店内に入って眺めることができる。運河沿いには、遊歩道も整備されている。