久住高原
パノラマビューと山の恵みを満喫する旅へ

久住高原は、大分県竹田市（旧久住町）にあります。阿蘇くじゅう国立公園に含まれる久住山と大船山の南麓の標高約600～1100メートルの地域に広がる高原です。

阿蘇くじゅう国立公園は、1934年に指定された大分県と熊本県にまたがる公園。面積は7万2678ヘクタール。大カルデラにそびえる阿蘇山やその北に連なるくじゅう連山などの火山群、周囲に広がる雄大な草原で形成されています。

毎年3月に行われる野焼きは、春を前にした風物詩。野焼きは数百年前から続けられており、美しい草原を維持し、希少な生物たちの生息環境を保ってきました。

久住高原では、5月中旬～6月上旬にピンクのミヤマキリシマが山を覆い、秋には紅葉で彩られます。季節が変わるたびに四季折々の大パノラマが広がり、ドライブ中の車窓からは大草原に放牧された牛や馬の姿を目にできるのも魅力のひとつです。

2001年には、環境省の「かおり風景100選」で「くじゅう四季の草原、野焼きのかおり」が選定。ミヤマキリシマをはじめとした四季の花々の香りや、秋の干草の香りが漂います。高地地帯で、夏は涼しいことから、避暑に訪れる観光客や、ハイキングを楽しむ人も。陸上やラグビーなどのスポーツ合宿も盛んに行われています。

熊本県阿蘇市と大分県別府市をつなぐ「 やまなみハイウェイ」と、大分県小国町から大分県竹田市を結ぶ県道442号（旧小国街道）が、くじゅう連山のひとつ、星生山（ほっしょうざん）の麓で交差します。くじゅう連山を支点に延びる道には、人気の立ち寄りスポットが点在しており、いずれの道もドライブコースとして人気です。

久住を代表する観光スポットが、「くじゅう花公園」。20万平方メートルの広大な敷地の中に、色とりどりの約500種500万本の花が植えられています。園内には森のエリアや花畑エリア、野草エリアがあり、四季折々の景色を楽しめます。久住の自然の中にある、このスポットで花から癒やしやエネルギーを分けてもらいましょう。

くじゅう花公園の周辺には、「 久住ワイナリー」や「 ガンジーファーム」、地ビールを生産する「 くじゅう水泉郷　地ビール村」などがあります。久住ワイナリーでは、6ヘクタールのブドウ畑でピノノワールやシャルドネなどの品種を栽培。併設するレストラン石窯工房では、ワインを片手にピッチァやスペアリブなど、こだわりの石窯料理が楽しめます。

また、ガンジーファームではイギリス・ガンジー島原産の乳牛「ガンジー種」を飼育。ガンジー種から採れるミルクは、脂質やたんぱく質などの成分が豊富なことから、「ゴールデンミルク」と呼ばれています。このミルクで作られた甘みたっぷりのソフトクリームは必食。

標高800メートルと、九州で最も高地にあるビール醸造所が「地ビール村」。くじゅう連山を水源とする久住高原の伏流水を地下から汲み上げ、仕込み水として使用しています。酵母を殺菌せずに眠らせて促進を抑制する独自の特許製法「生酵母の熟成」でビールを作っています。

久住は湧水が豊富な地域です。古くから飲料水として利用されているものに、老野地区の老野湧水（おいのゆうすい）があります。老野地区の生活用水のほか、城原地区の水源として350ヘクタールを潤します。エビモ、ハリイ類などの水草の群生が特徴的です。水汲み場のすぐ隣には、赤い屋根の老野神社（妙見神社）があり、神殿下の岩盤から湧き水が出ています。

くじゅう高原周辺には、久住高原温泉、 長湯温泉、里田温泉、赤川温泉、法華院温泉などの豊富な温泉地があるので、のんびりと露天風呂巡りも楽しめますよ。特に長湯温泉は、世界でも希少な高濃度炭酸泉の温泉。温泉マニアが訪れる飲泉場がいくつもあり、のどかな山間の田園風景が広がる温泉地です。

大分駅からくじゅうへは一般道で。国道210号を由布市方面へ向かいます。国道210号に沿って走る経路であり、迷うことはありません。約56キロの山道を走り、所要時間はおよそ1時間20分です。

時間に余裕があるのなら、高速道路（大分IC）を使って湯布院ICで降りて、九州屈指の人気ドライブコース・やまなみハイウェイを通ってくじゅうを目指しましょう。長者原付近では目の前に壮大なくじゅう連山や緑の風そよぐ草原が広がります。次々に変化する大自然の眺望がドライバーの目を楽しませてくれますよ。

熊本駅からくじゅうへは一般道で約2時間。駅から国道3号、県道337号を経由して国道57号を北上します。阿蘇市一の宮からやまなみハイウェイ（県道11号）を大分（別府）方面に進むと目的地。走行距離は約80キロです。道の途中は、限りない草原が広がり、その雄大な風景に思わずうっとりしてしまいます。

時間があるなら、阿蘇の名所に立ち寄って。例えば、阿蘇の景色を満喫するなら、やまなみハイウェイからミルクロードに入れば、大観峰があります。標高936メートルの展望所の目の前に広がるのは、阿蘇五岳の大パノラマ。秋晴れの早朝には、運が良ければ幽玄たる雲海の風景を見ることも可能です。

博多駅からくじゅうへは高速道路経由で約2時間10分。140キロほど。福岡都市高速環状線に乗って都市高速水城を九州自動車道大宰府ICへ向かい、鳥栖JCTに。大分方面へと進む際、熊本・鹿児島方面、佐賀・長崎方面、鳥栖出口など、鳥栖JCTでは複数に分かれます。大分自動車道へは、左車線から分岐するので、基山PAを過ぎると早めに左車線へと移っておくことをおすすめします。

九重ICからは県道40号を使ってくじゅう高原を目指します。山道で細い道も多く、対向車と行き違いが難しい場所もあるので、スピードの出しすぎには注意してください。

夕焼けや満天の星空、ミヤマキリシマや紅葉などの美しさで知られる久住高原。時間帯や季節によって変化する麗しい光景が訪れるものを魅了してやみません。

周辺には、日本一の炭酸泉として名高い長湯温泉、久住連山を間近に望む久住温泉や硫黄冷鉱泉が湧く秘湯の赤川温泉などが属する久住高原温泉郷、長湯温泉や久住高原温泉郷とともに国民保養温泉地に指定されている竹田温泉や荻温泉、「源泉かけ流し宣言」を発表している宝泉寺温泉や1000年以上もの長い歴史を持つ筋湯温泉を含む「九重”夢”温泉郷」などの特色豊かな温泉が湧き出すしています。

温泉や景観など、久住高原ならではの魅力をじっくりと堪能できるような数多くの宿泊施設や温泉施設が点在しています。

中でも、大人の隠れ家のような雰囲気の長湯温泉の「 御宿　友喜美荘」には何でも記念日プラン、3万坪もの広大な敷地に充実した施設が揃う長湯温泉の「 宿房 翡翠之庄～The Kingfisher resort～」には旅籠・和室スタンダードプラン、かつて宿予約サイトの宿泊者満足度アンケートで1位に選ばれたこともある「 宝泉寺温泉　おやど久月」には地鶏炭火焼+豊後牛炭火焼プラン♪、長湯温泉の外湯巡りの拠点に最適なガニ湯近くの「 天風庵」には自由きままに外湯巡りの素泊まりプラン！など、人気の宿泊プランのある宿泊施設がおすすめ。

連泊も可能な素泊まりの湯治宿からアットホームな和の趣を大切にした旅館、利便性の高いおしゃれな雰囲気のホテルに至るまで、さまざまなタイプの宿泊施設があり、夕食プランや朝食付き、客室タイプトイレ付なども宿泊施設よって異なるのが特徴です。

サイトから宿泊予約する際は、宿泊日や部屋タイプ、料金、夕食の料理内容、人数、滞在日などの希望の条件を指定することで、自分に合った宿泊施設を探すことができます。

また、自然林や渓流などの自然を生かしたリゾート感あふれるゴルフ場「久住高原ゴルフ倶楽部」でのゴルフも人気です。公式サイトからの予約も可能で、500円分の練習ボールのサービスが付いた温泉宿泊パックも用意されていますので、大自然の中での温泉とゴルフを満喫する旅はいかがですか。