博多座は、福岡市博多区下川端町にある演劇専用劇場で、大型複合商業施設の博多リバレインに隣接しています。博多駅と天神の中間に位置しているため、観光の目的地としても人気です。座席数は約1500席。客席は1階から3階まで。演劇専用劇場としては九州最大級を誇ります。利便性も高いため、公演期間中には、着物姿の女性を目にすることも珍しくありません。
1999年開館。以後、演目は歌舞伎、ミュージカル、宝塚歌劇、芝居、歌手などによる座長公演など、ひと月ごとに入れ替わるスタイルで興行し、営業時間も演目によってその都度変わります。
座席はA席、特B席、B席、C席があり、公演によって料金や座席表がそれぞれ異なります。一般的には「と・ち・り席」といわれる席、博多座でいうと前から7列から9列目にあたるG列からI列の中央あたりが、全体を見渡せる席とされています。2階の最前列や、その両翼にあるバルコニーの特B席も舞台に近く、とても人気が高い席。3階のC席は、手頃な値段の割に舞台全体が俯瞰できる穴場席です。
ここで、ちょっと変わった席料を紹介。歌舞伎には、3幕構成のうち1幕だけ観られる「幕見席」(16席限定)があります。演目によって料金は異なりますが、1幕1000円台から2000円台と手頃です。また、立見席が出る演目も。どちらも、当日の午前10時から博多座チケット売り場のみで販売されています。
館内は、劇場受付があるエントランスホール、その上階が客席1階、客席2階、客席3階という造り。エントランスホールにはラウンジが併設されており、このエリアはチケットがなくても立ち入りができるため、一般の人でも喫茶の利用が可能。上階となる客席1階には、売店、弁当販売コーナー、レストラン、休憩コーナーがあり、幕間にはたくさんの人でにぎわいます。
博多座には2つのカフェがあり、観劇前後にゆっくりと喫茶を楽しめます。エントランスホールに併設されている「HAKATAZA LOUNGE」では、焙煎(ばいせん)競技の世界大会「World Coffee Roasting Championship 2013」で優勝した、後藤直紀・焙煎士がオーナーを務める「豆香洞(とうかどう)コーヒー」の豆を使用。気軽に世界トップレベルのコーヒーが味わえる穴場スポットです。
もうひとつは、観劇前の1時間と幕間のみに営業している客席2階の「CJカフェ」。ドリング以外にもロコモコやサンドイッチなどの食事ができますよ。
館内は、見ごたえあるオブジェが豊富。エントランスホールの床にはアンモナイトの化石がはめ込まれています。ヒントは入り口に近い窓際で、茶色い大理石の部分。さらに、エントランスホールの照明には、博多座のシンボルマークが隠されています。このマークは博多祇園山笠の「舁(か)き縄」をモチーフにした松の形。博多座を訪れた際には、ぜひ2つを探してみてください。
2階客席から3階客席へと続く階段の壁にも、素晴らしい書が掛けられています。大きな額に入った書は「英文漢字」と呼ばれるもので、ローマ字で「HAKATAZA」と表記。中国人アーティストの徐冰(シュ・ビン)氏の作品です。
女性客が多い博多座では、女性用トイレも充実。個室の数は全階で74個もあり、混雑や並ぶ心配がありません。トイレへと続く空間は広々で、下には絨毯が敷かれ、内装もエレガント! 女性には、ぜひチェックしてほしいポイントです。