九州の元気を、現地から紹介する

5月11日に、大分県と熊本県の県境にある涌蓋山の麓にある「わいた温泉」へと足を運んだ。玖珠インターチェンジから国道210号線、国道387号線を経由するルートで向かったが、途中も特に通行に支障はなく、地震の前と何ら変わりはない。
岳の湯温泉の中心地「たけの湯温泉館 ゆけむり茶屋」が休館日だったこともあるかもしれないが、観光客は広島から来たというバイクのライダーが3人だけ。話を聞いた「旅館 わいた山荘」でも、震災後は夏までキャンセルが相次いでいるという。「道路も通行可能で連休前から営業を再開しているにもかかわらず、平日の予約はほぼ白紙、週末も数組しかない」と、わいた山荘のおかみさんは嘆く。
わいた温泉一帯の集落では、温泉の蒸気がいたるところから吹き出している。この蒸気を利用して食材をゆでる「蒸し場」が設けられている宿や飲食店も多い。現在は周辺の棚田が田植えの真っ最中なので、水を張った棚田と新緑の成す風景が美しい時期でもある。
古い石垣などには若干のひびが見られるので、そういった場所にはむやみに近づかない方がいいが、それ以外はいたって平和な日常が広がっている。
新緑が広がる5月に、ホタルが見ごろを迎える6月と、わいた温泉では気持ちの良い季節が続く。名物の蒸し鶏を頬張りに、ぜひ訪れてほしい。