1. 高千穂三代橋(高千穂三橋)

高千穂三代橋(高千穂三橋)

【投稿日】2016年08月15日(月)| 宮崎発

槍飛付近から見る高千穂峡と“高千穂三代橋”

真名井の滝とは逆側のあららぎ駐車場に近い「槍飛」付近から視線を上げると、新旧大小三つの橋が一望できる。いずれも高千穂峡の険しい地形に挑んだ歴代の橋梁技術者たちが作り上げた力作であり、“高千穂三代橋”や“高千穂三橋”などの呼び名で知られる。

県道が通る一番下の「神橋(しんばし)」は、かつてここにあった古い木造橋に代わって戦後間もなく架けられた橋。一見すると純粋な石橋のように見えるが、実はコンクリートアーチをベースにしており、その上に石が積まれているハイブリッドな造り。かつてこの渓谷を横切ろうとする人々は、長い急坂を下り、ここを渡ってまた急坂を上って行ったのである。

次いで架けられたのが、二つ目の「高千穂大橋」。昭和30年(1955)に竣工した鋼鉄のアーチ橋だ。神橋に比べるとかなり上方に架けられており、この橋によって人々は深い峡谷を上り下りする苦労から解放されたのだという。高度成長期から約半世紀にわたって。幹線道路である国道218号を支えた橋でもあった。

そして、最も新しいのが平成15年(2003)に竣工したコンクリート長大橋「神都高千穂大橋」。逆ランガーアーチという構造を持ち、橋長300メートル、水面からの高さ約115メートル。この架橋によって、高千穂峡を横断する国道にも急カーブがなくなり、交通の便が飛躍的に向上。また、橋の東側には道の駅高千穂が整備され、町の観光拠点となっている。

自然の歴史の産物であるこの深い渓谷にかかる橋たちは、この地に暮らす人々の歴史の一端といっても良い。

【場所】
高千穂峡の遊歩道内

【電話番号(問い合わせ)】
0982-73-1213(高千穂町観光協会)


⇒達人コラム「高千穂峡 奇岩と水の壮大な競演を味わう」

【投稿日】2016年08月15日(月)【投稿者】たびらい編集部

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