うちなーぐちを学んで沖縄旅行をもっと楽しく!観光に役立つ沖縄語をご紹介
沖縄県|【更新日】2025年8月23日

沖縄で古くから使われている言葉「うちなーぐち」(沖縄語)。「あいうえお」が「あいういう」と発音される特徴があり、沖縄本島と石垣島、宮古島などそれぞれの島でも全く異なる言語文化を持ちます。
今回は覚えておくと観光がさらに楽しくなる、ポピュラーな「うちなーぐち」をご紹介。旅行前にぜひ覚えて、現地でもぜひ沖縄独自の文化に触れてみてくださいね。
※本記事で紹介しているうちなーぐちの語源・意味には、地域や研究者によってさまざまな説があります。他の資料や地元の方のお話などもあわせてご参照ください。
目次
街中で目にする・耳にする機会も多い沖縄語
沖縄に旅行するなら、ぜひ覚えたい「うちなーぐち」。最近は言い回しなども簡略化し、旅行者でも聞けばわかる言葉が多くなりました。
一方で地元のおじぃ、おばぁたちが話す言葉は昔ながらのもので、なかなか聞き取ることは難しいことも。
本島でも南部、那覇、首里、中部、北部とエリアによっても違い、現在も独自の文化が現在も残ります。
【あいさつ編】旅行中に使いたい、気軽に使えるあいさつ言葉
「めんそーれ」:いらっしゃい・ようこそ・お越しください
那覇空港に到着すると、まず目にするのが「めんそーれ」という言葉。
「いらっしゃい/ようこそ」を意味する言葉で、観光スポットでも必ず見聞きする、最も身近な沖縄語のひとつです。
石垣島では「おーりとーり」、宮古島では「んみゃーち」など、言い方はさまざま。ちなみに帰るときは、また沖縄にお越しください、という意味で「また、めんそーりよ」と言います。
「はいさい/はいたい」:こんにちは
男性は「はいさい」、女性は「はいたい」。朝昼晩いつでも使える、メジャーな言葉のひとつです。
旅行中に親しくなった地元の方には、元気よく「はいさい(はいたい)」と声を掛けたらさらに仲良くなれるかも。
喜納昌吉のヒット曲「ハイサイおじさん」は、こんにちはおじさん、という意味を表しています。
「ちゅーうがなびら」:こんにちは
はいさい・はいたい、は親しい人に向けて使うのに対して、「ちゅーうがなびら」は、目上の人や、かしこまった席などで使う丁寧な言い方です。
ちゅー=今日、うがむん=拝む。直訳すると、「今日、お目にかかります」という意味。
地元のラジオやイベントなどで、耳にする機会があるかもしれません。
「にふぇーでーびる」:ありがとうございます
旅の途中で親切にされたら、使ってみたい言葉。最大級の感謝を伝えたいときは、「いっぺーにふぇーでーびる」=いっぱいありがとう、と伝えましょう。
過去形は「にふぇーでーびたん」。石垣島では「にーふぁいゆー」、宮古島では「たんでぃがーたんでぃ」と言います。
【感情編】街中で聞こえてくるかも!?思わず口にしてしまう感情表現
「あきさみよー」:あらっ!びっくりした!
驚いたときに不意に出てくる言葉。困ったことが起きたときや、物を壊したとき、失敗したときなど幅広く使用されます。
英語の「オーマイガー」に近い感覚で使ってみましょう!「あきしゃびよー」や「あぎじゃびよー」という言い方もあります。
「やっさー」:そうだね
相手が言っていることに相槌を打つときに使う。「そうそう!」と強く同意するときは「やさ、やさ」となります。
「でーじ」:とても・大変
うちなーぐちの中でも若者言葉のひとつ。「超~かっこいい、超~かわいい」といった具合に使われます。
「でーじ、ちゅらかーぎー」は、超~美人。とても、大変という意味では「いっぺー」が本来のうちなーぐちともされています。
「だからよー/なんでかねー」:そうだね(会話の相槌程度)
明確なうちなーぐちではありませんが、会話にしばしば登場する言葉のひとつ。「だからよー」と言って理由が語られることはなく、「なんでかねー」と言って原因を探ることもない点がポイント。
「今日は天気が良くないねー」「だからよー、なんでかねー」で会話は成立し、そのまま終わることが多いです。
【黄金言葉編】古くから伝えられた、沖縄の知恵や教訓
「ぬちどぅたから」:命こそ宝
沖縄では、深く心に染みいる言葉を黄金言葉(くがにくとぅば)と呼び、大事にしています。
琉球王朝時代から日本や中国の狭間で生き延びるために培われた知恵や教訓がことわざとして伝えられていることも。四方を海に囲まれているため、人を最後までは追い詰めない、という沖縄の人の優しさを表現したものも多くあります。
まずご紹介する「ぬちどぅたから」は文字通り、命が一番大事、という意味。かつて太平洋戦争の地上戦で多くの尊い命が失われた過去があることから、命さえあれば苦しいことも乗り越えられる、何があっても死んではいけない、と強い意味が込められています。
「いちゃりばちょーでー」:一度行き合えば兄弟
沖縄の人のやさしさ、面倒見の良さを表す言葉。恥ずかしがり屋で、初対面では会話が弾まないことがあっても、一度会えばみんな兄弟。そこまでしてくれなくても…と思うぐらい親切にしてくれる、沖縄県民のあたたかさが言葉に表れています。
同じく沖縄人の精神性を表すもので「ゆいまーる」も併せて覚えておきたい言葉のひとつ。助け合いの精神で、困ったときはお互い様と手を差し伸べてくれますよ。
「なんくるないさー」:なんとかなるさ
本来の言葉は「まくとぅそーけー、なんくるないさー」で、「真のこと、正しいことをしていれば、なんとかなる」=正しい道を信じて努力すれば、必ずいいことがある、報われる、という意味。
最近は「なんとかなる」だけの意味が広がり、楽観的なニュアンスとして使われることも多いですが、本来は「人事を尽くして天命を待つ」というニュアンスが近いものとなります。
「ちむぐくる」:ちむ=肝、ぐくる=心
真心、心根。沖縄の人のやさしさ、豊かな精神性を表す言葉のひとつ。表面的な気持ちではなく、心の底から相手を思う気持ちを表しています。
同じように「ちむちゅらさ(肝清さ)」は清らかな、美しい心のこと。
こうした心の持ちようが、「いちゃりばちょーでー」「ゆいまーる」といった沖縄独自の気質を表した言葉を生んでいると言えます。
【うちなー料理編】沖縄に行ったら食べたい!家庭料理を表す言葉
「ちゃんぷるー」:豆腐と野菜の炒め物
沖縄を代表する家庭料理「ごーやーちゃんぷるー」は、ごーやーの炒め物という意味を指します。
他にも「ふーちゃんぷるー(車麩と野菜の炒め物)」や「そーみんちゃんぷるー(そーめんの炒め物)」など、ちゃんぷるーのバリエーションは豊富。
写真は那覇市久茂地にある飲食店「琉歌」で提供されているごーやーちゃんぷるー。
国際通りからもアクセスしやすい立地にあるので、観光と併せて足を運んでみてくださいね。
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琉歌|昔ながらの沖縄の雰囲気を感じるならここ! 古民家で沖縄の味を堪能
「じーまーみ豆腐」:地豆豆腐
じーまーみ豆腐は、もちもちとした食感が特徴の沖縄の豆腐。大豆ではなくピーナッツを使い、さつまいものでんぷんで固めるという、他の地域とは一味違う味わいを楽しめます。
「じーまーみ」とは、「地豆(ピーナッツ)」の意味。沖縄のスーパーや土産物屋でも販売しているので、お土産にもおすすめです。
沖縄料理屋では手作りのものや、揚げ出し豆腐にしたものが人気。写真は石垣島にある飲食店「舟蔵の里」で提供される「そば会席」です。
じーまーみ豆腐をはじめ、小サイズの八重山そばやじゅーしー(沖縄風炊き込みご飯)、昆布いりちー(炒め物)など、沖縄ならではの家庭料理を少しずつ楽しむことができますよ。
石垣島内を巡る際は、レンタカーの利用もお忘れなく!
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舟蔵の里(ふなくらのさと)|季節が織りなす島の風景と、滋味深い郷土料理を五感で愉しむ
「てびち」:豚足
「てびち」とは、豚足のこと。沖縄では煮付けやおでんの具、沖縄そばの具として使われる日常食です。
普通は豚足を輪切りにした部分が使われ、蹄(足の先)は「ちまぐー」と呼ばれて使い分けるお店もあります。
豚肉を使った料理の定番には、他に「らふてー」が有名。こちらは三枚肉の塊を長時間茹でて甘辛く煮付けたもので、多くの県内の飲食店で提供されています。
恩納村にある道の駅「おんなの駅」内にある人気店「豚足専門店 豚三郎」では、大きな鍋で約6時間かけてじっくり煮込んだてびちの唐揚げをいただけます。
見た目は少しリアルですが、秘伝のタレが絡んだサクッ&ぷるぷる食感は地元民や観光客を虜に!ぜひおすすめしたい一品です。
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ウチナー流!海辺で味わう豚三郎のぷるぷる「てびち唐揚げ」の楽しみ方
「いまいゆ」:鮮魚、さしみ
沖縄の街をドライブしたり散策したりすると「いまいゆ」と書かれた看板のお店を目にすることがあるかもしれません。
いま=新鮮、いゆ=魚を指すため、「いまいゆ」と書かれた店はいわゆる鮮魚店。沖縄の定食屋さんで「いまいゆ定食」と書かれていたら、刺身定食を指します。
南城市奥武島にある「奥武島いまいゆ市場」は、近海で獲れる海の幸を味わえるスポットとして人気。2025年6月には新たに飲食場がオープンし、市場で購入した刺身や海鮮丼などのグルメをゆったり食べられるようになりました。
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“沖縄風てんぷら”で有名な奥武島にある「奥武島いまいゆ市場」
【食事編】沖縄料理を楽しみながら言いたくなる言葉
「あちこーこー」:熱々
「熱々」を意味する「あちこーこー」。「あちこーこーの揚げたてのさーたーあんだぎー」といった使い方をします。
ちなみに、県内のポピュラーなおやつである「さーたーあんだぎー」は、沖縄風のドーナツのこと。
さーたー=砂糖、あんだ=油と言う意味で、油で揚げた砂糖菓子であることを表しています。
「かめー」:食べなさい
「噛む=食べる」から転じた沖縄語。気前のいいお店のおばぁが、次々と料理を出しながら「かめーかめー」と言うのを沖縄では「かめーかめー攻撃」と言い、広く親しまれています。
おばぁのかめーかめー攻撃は、無理に食べさせようという意味ではなく、いっぱい食べてほしいと願う愛情から。皆さんも沖縄へ行ったら、沖縄の家庭料理をたくさん味わってみてくださいね!
「まーさん」:おいしい
沖縄では語尾に「さん」を付けることがあり、「まーさん」も美味しいものへの感謝の気持ちが込められています。
あまりにも美味しいときは「でーじまーさん」「まーさんどぉ」と表現することも。飲食店の料理が美味しかった時は、ぜひ店員さんに伝えてみては?
「くわっちーさびら」:いただきます
「くわっちー」とは、ごちそうのこと。「さびら」は丁寧に言うときの語尾に使われ、両者を組み合わせた言葉として「いただきます」の意味で使われます。
過去形の「くわっちーさびたん」で「ごちそうさまでした」となります。「めしあがれ」は「うさがみそーれー」。こちらも積極的に使いたい沖縄語の1つです。
【難読地名編】すらすら読めたら沖縄通!?ちょっと難しい地名
「南風原」:はえばる
沖縄本島南部にある地名。那覇市に隣接しているベッドタウンで、那覇空港自動車道のIC名でも登場します。
「南風が吹く豊かな土地」という意味の町名を持つ南風原町は、伝統工芸の「琉球かすり」の工房が集まる風情ある町並みや豊かな自然など、独特の歴史や文化にふれることができる点が魅力。
「かすりの道」と呼ばれる散策コースを歩いてみると、工房から機織りの音が聞こえることも。のんびり過ごしたい人におすすめのエリアです。
▼南風原町の詳細はこちら
南風原町を楽しむ! おすすめ観光情報
「北谷」:ちゃたん
こちらは読めた方も多いかも?北谷町は沖縄本島中部にある地名。国道58号線を北上し、那覇からは約45分のアクセスです。
北谷を代表する観光スポットの1つに、「美浜アメリカンビレッジ」があります。アメリカンビレッジは商業施設だけでなく、マンションやホテル、ビーチや飲食店が揃う一大リゾート地。夕方にはサンセットを見にビーチに多くの人が訪れます。
レンタカーを利用すれば、北谷へのアクセスも便利。異国情緒あふれるエリアで、ぜひ観光を楽しんでみてはいかがでしょうか。
▼北谷町(アメリカンビレッジ)の詳細はこちら
美浜アメリカンビレッジ 沖縄でリトルアメリカ体験
「豊見城」:とみぐすく(とみしろ)
沖縄本島南部にある地名。沖縄方言では「城」をぐすくと読み、他にも中城(なかぐすく)村、城間(ぐすくま)などといった地名があります。
一方で近年では「とみしろ」と呼ばれることも。現地ではどちらの呼び方でも伝わります。
豊見城市も那覇市に隣接しており、注目の観光スポットが勢ぞろい。「沖縄アウトレットモールあしびなー」や「イーアス沖縄豊崎」ではショッピングを楽しめるほか、「ウミカジテラス」で有名な瀬長島もありますよ。那覇空港から近いので、近場で観光を楽しみたい時におすすめのエリアです。
「奥武山」:おうのやま
那覇市の南側にある地名。沖縄には「奥武島(おうじま)」と呼ばれる島が多くあるが、もともと「奥武=おう」というのが「お送り=ううくい」に通じ、死者を弔う島だったことから、各地に同じ名前の島があるとされています。(※諸説あります)
奥武山と言えば、ゆいレールの駅名にもなっている「奥武山公園」。那覇市を代表する自然豊かな公園で、プロ野球のキャンプが行われる「沖縄セルラースタジアム那覇」や、古い歴史を持つ神社「沖宮」などがあります。
公園でのんびりするのも、おすすめの過ごし方。過ごしやすい季節に沖縄へ行った際は、ぜひ足を運んでみては。
▼奥武山公園の詳細はこちら
ゆいレールでぶらり旅。まだ降りたことのない駅で途中下車~奥武山公園駅編~
「今帰仁」:なきじん
沖縄本島北部にある地名。世界遺産のひとつ、今帰仁城跡があることでも有名です。
美ら海水族館から古宇利(こうり)島へ向かう途中にあり、2025年には「JUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)」がオープンすることで話題を集めています。
開発が進みつつも、まだまだのどかな風景も残るエリア。のんびり歩くだけでも、豊かな自然やのどかな空気に癒されることでしょう。
▼今帰仁村の詳細はこちら
今帰仁村を楽しむ!おすすめ観光情報
うちなーぐちを知って、沖縄旅行をさらに楽しもう
今回は知っておくとさらに沖縄旅行が楽しめる「うちなーぐち」を紹介しました。
長い歴史と背景を持ち、島ごとに異なる言語文化は、沖縄の魅力そのもの。実際に県民の方との交流に使ってみれば、きっと互いの距離もぐっと近づくことでしょう。
ぜひ今回ご紹介したうちなーぐちをきっかけに、沖縄ならではの言葉文化に触れてみてくださいね。