プロの料理人たちが毎朝通う“唐津の台所”へ

ご当地グルメを満喫する醍醐味の一つは、何といっても、その土地の胃袋を支える“台所”探訪だろう。唐津観光の最後の朝は、早起きをして朝市へ出かけてほしい。
唐津の台所といえば、中町通りの「産栄市場(さんえいいちば)」。ここには鮮魚店が8店舗ほど、青果店と精肉店が各1店舗ずつ、中央の通路を一本挟んで両側に並んでいる。各店舗を分ける間仕切りのようなものは特になく、ひとつ屋根の下に収まる懐かしい集合マーケットの風情だ。
鮮魚店はそれぞれ得意に扱う魚種が違うので、ぐるりと周回するだけで、いろんな魚種がそろうのも魅力。朝7時の開店から、すし屋や居酒屋が集中する界隈の料理人たちが、ひっきりなしに出入りする。市場の中央に置かれたテーブルでは、缶コーヒー片手に料理人たちが談話する光景も見られ、日々の情報交換の場にもなっていることがわかる。
開店後1時間くらいはプロの料理人たちが目立つが、その波が落ち着けば、地元の主婦など一般客の姿もちらほら。購入した魚はそのままクール便で発送することもできるので、観光客にとってもありがたい。