生駒高原は標高540メートルのため、小林市の市街地と比べても夏は涼しく、冬は寒さが厳しいです。平地よりも気温が低く、少し花の開花が遅れますが、秋のコスモスだけでなく春から秋にかけて、季節の花で埋め尽くされる雄大な花畑です。
12万平方メートルの敷地に、4月中旬から5月下旬にかけて最初に彩るのは、和名をハナビシソウという、カリフォルニアポピーです。13万本のポピーが、だいだい色に一帯を鮮やかに染めます。少し遅れて、7万本のアイスランドポピーが咲きます。宮崎の農園で種から育てられたアイスランドポピーは、ピンク、白、黄色、だいだい色の花を咲かせ、春の訪れを教えてくれます。
ポピーが見ごろを迎える4月中旬から5月中旬まで、毎年「生駒高原ポピーまつり」が開催されます。カリフォルニアポピーとアイスランドポピーの合計20万本の花に彩られる中、春の物産市やご当地グルメ屋台などが設けられ、週末には毎年さまざまな催しが計画されます。
7月下旬から8月下旬にはアメリカフヨウが観光客の目を楽しませます。和名をクサフヨウといい、園内には150株、5000本が植栽されています。ハイビスカスに似た花で、時季になると白やピンク、えんじ色などの色とりどりで、人の顔が隠れるほどの大輪の花を咲かせます。アメリカフヨウが終わる頃、8月中旬からキバナコスモスが咲き始めてから、センセーションなどのコスモスへと移り、1年の花のリレーを終えます。
生駒高原から南の方角に見えるのが夷守岳です。標高1344メートルの山で、約4万年前まで活動していた霧島火山群に属します。山裾がひろがった美しい形状から、生駒富士の名称でも親しまれています。この夷守岳の裾野に広がるのが生駒高原で、ポピーやコスモスなどが満開の頃には花の絨毯の先に夷守岳がそびえ立つ、花畑との見事なコラボレーションを目にすることができます。
夷守岳は霧島山中でも最も登山道の厳しい山です。県内外から登山愛好者が訪れるスポットとしても知られています。夷守岳を登頂できた際には、山頂から韓国岳(からくにだけ)や新燃岳(しんもえだけ)、中岳、高千穂峰などが作り出す火口の連なりを一望できますよ。