1. 「雲海テラス」息をのむトマムの大パノラマ

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

「雲海テラス」息をのむトマムの大パノラマ

  まさに、幻想的というコトバがぴったり。星野リゾート トマムの「雲海テラス」は、今や北海道観光の新しい目玉と言えます。早起きしなければ出会えない幸運を求めて、早朝から大勢の人が訪れるのだそう。2021年8月のリニューアルオープンを経て、さらに魅力的になりました!

雲海を間近に望む

  雲海テラスはいわば、山の頂上近くに設けられた大型のバルコニー。標高1088メートルという絶妙な位置は、トマムに雲海が発生する高さのやや上。そのため、まるで手が届きそうなところに雲海が広がります。訪れる人すべてが雲海と出会えるわけではないにも関わらず、自然がつくりだすファンタジックな大パノラマを求め、2006年の開業以来120万人を超える人々がやってきました。ふわふわの雲のじゅうたんが目前に広がる幻想的なシーンは、まさに感動的。空に向かってせり出した展望デッキはもちろんのこと、写真映えするカフェメニューが用意されていてるのもうれしい。圧倒的な感動体験をくつろぎながら味わう、不思議な時間を楽しんで。


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トマムの雲海仙人
(すずきかずひと)
鈴木 和仁さん

雲海テラスの達人
  30年を超える歳月をトマムリゾートと共に過ごしてきた、トマムのオーソリティー。雲海テラスがオープンしてからは雲海の楽しみ方を伝えるエバンジェリストである「雲海仙人」として活動。毎朝、雲海テラスの現場を取り仕切りながら、トマムの雲海を知りつくしたスポークスマンとして、大勢のゲストのアテンドを務める。

星野リゾート トマム「雲海テラス」

http://www.snowtomamu.jp/summer/unkai/

達人が語る 雲海テラスの魅力と歴史

日の出の雲海テラス

  一般に雲海というと、夜に地表近くの空気が冷やされ霧になる「放射冷却現象」によって見られるケースが多いんです。トマムにもこのタイプの雲海が発生するのですが、これに加え、太平洋側の沿岸で発生した海霧がはるばると十勝平野を渡り、日高山脈を超えトマムの盆地に流れ込んでくる雲海が見られることが特色。トマムの地形、気象条件が雲海に好まれているわけです。いわば雲海の「ゆりかご」のような場所と言えます。

昔は農作物への影響から悪者扱いだったんですが、視点を変えればこれほど壮大な風景というのはなかなかありません。星野リゾート トマムでも「この眺めをお客さまに楽しんでいただきたい」という思いから、2005年に「山のテラス」としてスタート。初年度の訪問者数はわずか900人ほどでしたが、体験された方の反応がすごく良かったのでリゾートのアクティビティとして相応しい施設やサービスのクオリティを整えていきました。2006年には正式に「雲海テラス」が始まり、同年には約1万人が訪れ、そして今や年間約10万人のゲストを迎えるほどにまで成長しました。

進化が止まらない「雲海テラス」

「雲Cafe」

  どんどんと進化を続ける「雲海テラス」。2021年8月のリニューアルオープンでは、約12メートルの3階建ての展望デッキからよりダイナミックな雲海を楽しめるように。さらに雲海を間近に感じられるよう設計された1階、ソファでくつろげる2階、遠くまで北海道の大パノラマを堪能できる3階。各階で楽しめる風景が異なるのもポイントなんです。

また、ふわふわの雲がモチーフのスイーツやドリンクを提供する「雲Cafe」もオープン。可愛らしいフォルムの「雲ソフト」や「雲マカロン」、綿あめがのった「雲海ソーダ」など、どれもオリジナリティあふれるメニューです。写真映えバツグンのスイーツやドリンクを片手に、ぜひ新しく生まれ変わった「雲海テラス」を冒険してみましょう。

くつろぎながら雲海を眺める贅沢

雲海テラスの雲海ゴンドラ

  「雲海テラス」の魅力は、雲海を誰もが楽しめる身近な存在であること。テラスまではゴンドラで約13分ほど。早起きさえすれば女性や小さな子どもでも気軽に雲海を見ることができます。またテラスがある標高1088メートルという高さは、高い山の頂上から見る場合と違って、手を伸ばせば雲海に届くんじゃないかと思えるほどの臨場感が得られるのです。

ちょっと大げさにいってしまえば、神秘的な自然の一部になったような感覚が得られる。そんなとびきりのネイチャー・アクティビティのためのS席、プレミアムシートが「雲海テラス」と言えます。旅という非日常の中でも、長く思い出に残るような特別感をきっと味わえるはず。

ただの展望スポットではない「雲海テラス」

Cloud Bar

  「雲海テラス」は、ただの展望台的な施設ではありません。雲海をより楽しんでもらいたいという「おもてなし」の心を感じるスポットなんです。現在、星野リゾート トマムでは山頂からの絶景をさらに堪能できるように、9つの過ごし方を提案する「Cloud9(クラウドナイン)計画」を進めています。現在(2021)は山道に沿って、6つのユニークなデッキを設置。例えば、2019年にオープンした「Cloud Bar(クラウドバー)」は、バーカウンターをモチーフにした展望スポット。地上約3メートル、長さ約13メートルのカウンターと椅子が並んでおり、椅子のハシゴを登っていくとより高い位置から絶景を眺めることができるんです。雲のような真っ白いクッションに囲まれた「Cloud Bed(クラウドベッド)」や、雲の形をした巨大ハンモックを彷彿とさせる「Cloud Pool(クラウドプール)」など、山頂には魅力的な展望スポットが点在。さまざまな角度から、空の絶景を眺める思い思いの時間を過ごせますよ。

Cloud Walk
▲「Cloud Walk(クラウドウォーク)」は、まるで雲の上を歩いているかのよう

また、雲海を眺めるだけというのはもったいない。マイナスイオンいっぱいのやさしい空気感も魅力のひとつ。残念ながら雲の中というケースでも、雲が樹々にふれ水滴になって落ちる音だって素敵なサプライズ。なのでぜひ、雲海テラスでは五感を研ぎ澄まして自然を感じてみて。さらに、山頂の「雲のゆうびん屋さん」で販売されているさまざまな雲海のポストカードを、切手を貼らずに投函できる「雲海ポスト」も好評です。進化し続ける星野リゾート トマムの「雲海テラス」、ぜひ一度足を運んでみてくださいね。

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トマムへのアクセス情報

  雲海テラスを見た後に、トマムを起点に周辺の観光も考えているなら新千歳空港でレンタカーを手配するのがおすすめ。トマムへは約90分のドライブになります。星野リゾート トマムに宿泊してリゾート内の施設で遊ぶ場合は、新千歳空港からホテルへの直通バスが便利。また帯広からのアクセスは高速を使えば車で約50分ほど。帯広観光のオプションとして足を伸ばすのもあり。

星野リゾート トマムへの詳しいアクセス情報は

https://www.snowtomamu.jp/summer/access/

アクセス情報

  <星野リゾート トマムへの直通バス>
あり。詳細は公式サイト(https://www.snowtomamu.jp/summer/access/)をご覧ください。

<クルマを利用する場合の目安>
新千歳空港から 約100分
札幌から 約120分
帯広から 高速道路利用で約60分

達人が答える 雲海テラスのQ&A

Q 雲海はどのくらいの確率で見られるの?
A 雲海の発生は気象条件に左右されるので、毎日必ず見られるわけではありません。おおよその集計では5月~10月の時期で30%~40%前後の確率でさまざまな雲海が発生しています。ただ晴れて雲海が見られない場合でも雄大な眺めが楽しめ、雲の中に入った場合でもそれはそれで面白い体験になりますよ。星野リゾート トマムでは毎日翌日の雲海予報をWEBで案内しています。また悪天候の場合は営業を休止する場合もあるため出かける前にご確認を。
Q 雲海を見るためのおすすめテクニックは?
A 雲海は早い時間帯ほど見える可能性が高いですが、早朝5時に出現しても30分で消えてしまう場合があったり、朝の7時頃から3時間見える場合もあります。なので、できるだけ早くから雲海テラスに行くことが雲海を見る一番のコツ。夏とはいえ早朝の山ですから上着など防寒対策もお忘れなく。マイカーはもちろん、雲海ゴンドラの乗り場のあるリゾートセンター行きのバスに乗って、各ホテルから向かうこともできます。営業時間やバスの運行時間は前日にフロントでご確認ください。
Q 雲海テラスで食事はできるの?
A テラスでは本格的な食事の提供はされていません。ただ、コーヒーなどの飲み物やスイーツ、軽食(クラムチャウダー/パン付き)などは楽しめます。2021年夏に誕生した「雲Cafe」には、雲をモチーフにしたメニューが揃っていますので、ぜひチェックしてみてください。例年5月上旬から10月中旬頃までの営業となっており、営業時間は5時~8時。営業期間・時間は予告なく変更になる可能性があるので、お出かけ前には予めお問い合せを。

いざないの一枚

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