1. 十勝川温泉 悠久の時がつくった美人の湯

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

十勝川温泉 悠久の時がつくった美人の湯

  その土地、その土地の温泉を巡るのも、日本の旅の楽しみのひとつ。北海道は温泉天国でもあり、数多くの有名温泉があるが、帯広・十勝の代表は十勝川温泉。ここは世界的にも希少とされるモール温泉だ。

源泉かけ流し。ホテル大平原のモール温泉

  帯広市内を流れる十勝川のリバーサイド、川面を渡る風が心地よい平原に十勝川温泉郷はある。古くはアイヌの民が「薬の湯」として語り伝え、葦の生い茂る湿地帯に点在する沼から湧き出す低温のお湯として知られていた。明治後期には開拓者が、湧き出たぬるま湯を沸かし直して利用するようになる。大正初期には本格的な採掘が行われ、30~36℃の温泉が吹き出し、現在の「笹井ホテル」の前身にあたる温泉旅館が建てられ、温泉街としての歴史がスタートした。この十勝川温泉はモール温泉と呼ばれ、その成り立ちが火山由来の温泉とは大きく異なる所にある。北海道の湿原に多い泥炭が関わるこのモール温泉は、北海道遺産にも登録されている。




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十勝川温泉の達人
((あきばはじめ))
秋庭 肇さん

十勝川温泉の達人
  帯広観光の今を見つめる社団法人帯広観光コンベンション協会の事務局次長。元々はオホーツクの北見市出身で帯広暦は25年。帯広を中心に十勝の観光を盛り上げるため東奔西走の毎日だ。個人的な一番のお気に入りは帯広郊外の「八千代牧場」。東京ドームの210倍もの敷地に広がる田園風景に癒されるのだそう。

⇒一般社団法人 帯広観光コンベンション協会

達人が語る 十勝川温泉の魅力

ホテル大平原の石造り露天風呂

  モール温泉のモールとは、湿原を表すドイツ語です。湿原の植物が堆積してできる泥炭は、地中の高温高圧で石炭に変成するのですが、モール温泉は石炭になる途上の泥炭層から源泉が湧き出ているのです。そのため肌に良いとされるフミン質をはじめ、植物性の有機物が多く含まれています。お湯はちょうど薄めのウーロン茶のような琥珀色で、しっとりした肌触りが特長。効能も数多くありますが、肌への保湿効果が高く昔から「美人の湯」と言われてきました。女性に聞くとモール温泉の「植物性」というのが美容に良さそうな感じがするそうですが、実際に美容の現場で活用されているんです。日本のエステティック・サロンでも泥を使った美容法がありますし、ヨーロッパでは植物由来の泥炭泥を肌に塗る美容法を「モール浴」と呼ぶそうです。ですから女性の皆さんにはぜひ十勝川温泉を体感して欲しいです。

帯広からの観光コースとしてもおススメ

十勝川温泉足湯

  十勝川温泉は、帯広からの半日観光のコースとしても人気の高いスポットです。市内からはクルマで20分ほど。途中、帯広のランドマークでもある十勝大橋をぜひ渡ってください。十勝川温泉の周辺には十勝が丘公園や十勝が丘展望台といった人気の観光施設もあります。特に十勝が丘展望台から見る夕陽は美しく、広大な十勝平野に沈む太陽はまさに圧巻のパノラマです。また十勝川温泉のホテル・旅館では宿泊者以外にも温泉施設を開放する“日帰り入浴”も積極的。入浴料金は、大人料金で1000円ほどが多く中には500円前後と銭湯並みの料金のホテルもあります。また十勝川温泉観光協会ではもっと気軽に、より多くの人にモール温泉の良さを知ってもらおうと無料の「足湯」も設けています。日程的に宿泊は無理な方も、ぜひ美人の湯と呼ばれるモール温泉を体験していってください。

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体験アクティビティの拠点としての人気も高まる

十勝川温泉で自然体験

  十勝川温泉のもうひとつの顔は、雄大な十勝川を舞台にした自然体験アクティビティの拠点としての役割です。その中心的存在として十勝川ネイチャーセンターという自然体験プログラムのガイドサービスがあります。ここでは早朝の熱気球体験をはじめ、十勝川をボートやカヌーで下るツアーなど、専門のガイドがサポートするさまざまな人気プログラムを主催しています。十勝川は川幅が広い上に、年間を通して水の流量が安定していることもあり、実に多彩なメニューが可能。上流域と下流域ではまったく川の表情が変わるのですが、十勝川ネイチャーセンターの人気メニュー「十勝川ネイチャーツアー」は、全行程約6キロの間で自然観察しながらゆったりと下流域を下るプログラム。この他、マウンテンバイクのプログラムや農業体験などのメニューも用意されています。


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人気の立寄りスポット

  年間約60万人が訪れる十勝川温泉は温泉施設以外にも観光スポットが整備されている。クルマがあればホテルからのアクセスはスムーズだ。

  • 十勝が丘展望台
  • ハナック
おすすめポイント
  晴れた日は十勝平野を一望する「十勝が丘展望台」。地球の広さを実感する、伸びやかな風景に出会える。時間が合えば、夕景もおススメ。ホテルに早めにチェックインして展望台に向かうのはどうだろう。「花時計ハナック」は展望台につづく丘の中ほど。直径18メートル、秒針の長さ10メートル10センチと巨大な花時計。足湯は十勝川温泉観光ガイドセンターのすぐ近くにできた温泉施設。温泉宿泊ができない場合でも気軽にモール温泉が体験できる。

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十勝川ネイチャーセンター体験メニュー

  十勝川温泉観光ガイドセンターには十勝川の自然を知りつくした十勝川ネイチャーセンターのガイドが常駐。多彩な体験プログラムが用意されている。各地のパンフレットなど十勝の観光情報案内も充実している。

  • NO1熱気休体験
  • NO2ネイチャーツアー
  • NO3手ぶら農業体験
おすすめポイント
  30mの高さから見晴らす十勝平野は、これぞ北海道のスケール。この胸をすく眺めの魅力か、帯広は学生や社会人の気球クラブがあるほど気球熱の高い町でもある。十勝川ネイチャーツアーは、いわゆる急流下りではなく十勝川をゆったりと流れるリバーウォッチング。季節の鳥や動物にも出会えるかも。農業体験は地元の大規模農家と直接ふれあえるプログラム。農作業体験や試食会もある。

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観光に便利。十勝川温泉のおすすめホテル情報

編集部の視点
  帯広市内を流れる十勝川のほとりに広がる「十勝川温泉郷」には、植物性の有機物が多く含まれたモール温泉が湧出。入浴後、しっとりした肌ざわりを感じられるこの温泉は、「美人の湯」とも呼ばれています。夫婦・カップル旅行にもぴったりの十勝川温泉、そのおすすめ施設を紹介します。

大迫力!動物の行動展示

十勝川温泉へのアクセス

  十勝川温泉は帯広市内から北へクルマで約20分ほどの距離。帯広のランドマークでもある十勝大橋から十勝川を渡って向かう。帯広市内からさほど遠くないので帯広観光の拠点として利便性が高い。また千歳空港からレンタカーの場合はトータルで約2時間30分。道東自動車道の音更帯広ICで高速を降りて約25分程度で到着する。帯広駅からは路線バスやホテルの送迎バスも利用できる。

十勝川温泉へのアクセス

  <クルマを利用する場合の目安>
JR帯広駅から 車で約20分
札幌市内から【札幌北IC⇔音更帯広IC】 約3時間
新千歳空港から【千歳東IC⇔音更帯広IC】約2時間30分
音更帯広ICから 約25分

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十勝川温泉のQ&A

Q 十勝川温泉の泉質は?
A 十勝川温泉は植物性の有機物を多く含み、琥珀色をもつアルカリ性単純泉~弱食塩泉。その泉質は、温泉法に定められた分類により、ナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉(弱アルカリ性低張性高温泉)と表示される。
Q 十勝川温泉の効能は?
A 十勝川温泉の泉質による適応症は神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、痔疾患、慢性消化器官、慢性皮膚病、病後回復期、疲労回復、健康増進、虚弱体質、慢性婦人病、冷え性、きりきず、やけど。湯を飲用すると慢性消化器弱、慢性便秘、糖尿病、通風、肝臓病に効果がある。
Q 宿泊しないとモール温泉には入れない?
A 十勝川温泉観光協会に加盟している各ホテルは宿泊客以外にも温泉施設を開放している。この日帰り入浴と呼ばれるプランはホテルごとにサービス内容や料金が異なるので、よく確認した上で利用したい。

十勝川温泉観光協会
http://www.tokachigawa.net/index.html
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