熊本のおすすめ郷土料理「タイピーエン」地元民に愛される名物の魅力を紹介
熊本県|【更新日】2025年6月28日

学校給食にも登場するほど、熊本ではポピュラーな「タイピーエン(太平燕)」。
近年は知名度が高まり、ご当地麺として観光客にも人気がありますよ。今回はそんなタイピーエンの魅力をご紹介します。
目次
熊本のご当地グルメ「タイピーエン」ってどんな料理?
ルーツは中国・福建省。今や熊本の郷土料理に
タイピーエン(太平燕)は、たっぷりの野菜と春雨(ジャガイモや緑豆のでんぷんから作られる麺)を、やさしい味わいのあっさりとしたスープにからめた郷土料理です。つるつるとした春雨に、素材のうま味が溶け出したスープは絶品。
そのルーツは、中国・福建省にあるのだそう。現地では家族や親戚が集まる祝いの席で食べられたスープ料理を、明治時代に熊本に渡って来た華僑(かきょう)が、故郷の料理をアレンジして作ったのがタイピーエンの始まりと言われています。
老舗店から新店、ラーメン店、ホテルのレストランまで、さまざまな店で提供されていることもあり、近年はご当地麺として観光客にも人気も高いグルメです。
味の決め手は麺の食感とスープのだし
タイピーエンでは、中華麺の代わりに喉ごしの良い春雨を使うのが特徴。春雨の中でも、コシが強くスープを吸っても伸びにくい緑豆のものを使用するお店が多いそうです。
具材の基本はキャベツや白菜、ニンジンなどの野菜と豚肉。さらに、エビやイカなどの魚介類、かまぼこ、キクラゲなど、店舗ごとに異なる具材を加えることができます。
中華料理店では、あっさりとした鶏ガラのスープが一般的ですが、熊本ラーメン店の場合は豚骨スープが主流。食べると、具材のうま味が溶け出したスープと、そのスープが染み込んだ春雨、しゃきしゃきとした野菜の歯応えが混ざり合います。
あっさりしているので、お酒の後の締めとしてラーメン代わりに食べたり、二日酔いの日に食べたりする人も多いそうですよ。
まずはここから!正統派のタイピーエンが食べられる3店
1934年創業、地元で愛され続ける老舗店「紅蘭亭(こうらんてい)下通本店」
1934年に創業し、長く熊本で愛され続ける老舗中華料理店。テレビ番組をはじめとするメディアでもたびたび紹介されています。
名物のタイピーエンをはじめ、本格中国料理をくつろぎの空間で堪能できますよ。大人数で利用できる宴会用の個室や、さまざまな用途に対応したお部屋が揃っています。
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【住所】熊本県熊本市中央区安政町5-26 2F
【電話番号(問い合わせ)】096-352-7177
【交通】JR鹿児島本線熊本駅から市電健軍町行き(12分)で熊本城・市役所前下車、徒歩3分
【営業時間】11時~21時30分(ラストオーダー21時)
【定休日】なし
【駐車場】なし
本格四川料理も楽しめる名店「四季 儷郷(れいきょう)」
四季 儷郷(れいきょう)は、本格四川料理をはじめとした多彩な中華メニューが楽しめる人気店。
「味を追求しているうちに、いつの間にか材料が増えていた」という、エビやイカなどの魚介と、白菜、にんじんなど10種類以上の具材が入ったタイピーエンも楽しめますよ。
落ち着いた雰囲気の個室も用意されており、家族の集まりや宴会などにも最適です。
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【住所】熊本県熊本市中央区白山3-1-5 ホテル白山イン2F
【電話番号(問い合わせ)】096-366-4688
【交通】JR豊肥本線新水前寺駅下車、徒歩5分/熊本市電・水前寺駅下車、徒歩5分
【営業時間】11時30分~ラストオーダー14時20分/17時15分~ラストオーダー20時30分
【定休日】なし
【駐車場】あり(10台)
【公式サイト】http://reikyo.com/
伝統の味を受け継ぐ街中華「中国料理 頂香」
中国料理 頂香(でぃんしゃん)は、約82年にわたり地元で愛された名店「中華園」の味を受け継ぐ街中華です。
あっさりとコクのある鶏ガラスープに、春雨やたっぷりの野菜が入った太平燕は、地元民からも評判。
ランチにおすすめの定食メニューも充実し、観光がてら気軽に本格中華が楽しめます。
熊本市中心部からやや離れた住宅街にあり、最寄りのJR南熊本駅からも少し距離があります。また、店舗には8台分の駐車場が完備されているため、たびらいレンタカーを利用すれば、観光の合間や郊外からの移動もスムーズです。
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【住所】熊本県熊本市中央区八王子町40-25
【電話番号(問い合わせ)】096-370-8027
【交通】JR豊肥本線南熊本駅から徒歩12分
【営業時間】11時~15時(ラストオーダー14時30分)、17時30分~22時(ラストオーダー21時30分)
【定休日】火曜
【駐車場】あり(8台)
【備考】40席
観光に便利な好アクセスも魅力。ホテルで味わう太平燕2店
熊本の旬と郷土料理を味わう「日本料理 光琳(こうりん)」
日本料理 光琳(こうりん)は、ANAクラウンプラザホテル熊本ニュースカイ内にある和食の名店です。
熊本の旬の食材や郷土料理を活かした懐石や、一品料理も楽しめますよ。
夜のみ提供される「鯛ぴ燕(たいぴえん)」は、太平燕を和風にアレンジしたオリジナルメニュー。意匠を凝らしたタイピーエンは、ここならではの一品です。
タイピーエンを求めて来る人も!?「広東料理 桃李」
熊本市中心部の「ホテル日航熊本」内にある「広東料理 桃李」では、 “医食同源”をテーマにした広東料理を提供しています。
香ばしい干しエビの香りが漂う桃李のタイピーエンは、根強いファンも多い一品。
オーブンで焼いた干しエビを粉末状にして振りかけ、透き通ったスープには隠し味としてナンプラーが使われています。
魚介のエッセンスが生きたメニューを、ぜひ味わってみてくださいね。
熊本市の中心市街地への交通アクセスは、レンタカーの利用が便利!
熊本市街には、太平燕を提供する店が集中しています。熊本空港からは高速バスや電車も利用できますが、空港ではレンタカーのレンタルも行っていますよ。
空港から市街へのアクセスは、県道36号経由17キロ、約40分の道のりです。観光スポット巡りや市街への移動も自由で便利になりますよ。
タイピーエンを通して、熊本の食文化を体感しよう
熊本県民に親しまれるご当地グルメ・タイピーエン。熊本市内では多くの中華料理店でタイピーエンを味わうことができ、さらには熊本ラーメンの専門店でもメニューに載っていることがあります。近年では、有名店が監修した商品やインスタントタイプのタイピーエンも販売されており、お土産として購入するのもおすすめです。
九州では長崎県の新地中華街でもいくつかの店で提供されているタイピーエンですが、ぜひ本場・熊本でも食べていただきたいもの。
皆さんもぜひ熊本県を訪れたら、ご当地グルメの魅力を味わってみてくださいね。