深い渓谷に架かる木製の親子吊橋

長さ72メートルの「あやとり橋」と、一段低い場所に架けられた長さ59メートルの「しゃくなげ橋」は、総称して「樅木の吊橋(もみぎのつりばし)」と呼ばれる。二つの吊橋が平行して架かっていることから“親子吊橋”とも呼ばれ、どちらの橋にも地元の杉や栗の木が使われている。
歩くとロープがぎしぎしときしみ、床板の隙間から険しい谷間がのぞくため、思わず足がすくむ。紅葉の名所としても知られており、秋には橋上からの壮大な渓谷美が見どころとなる。
もともとは藤の蔓(つる)や竹を編んで作られた原始的なかずら橋で、地元住民の生活のために使われていたが、昭和63年(1988)に現在の「あやとり橋」に架け替えられた。さらに平成元年(1989)に「しゃくなげ橋」が架けられてからは、五家荘有数の観光スポットとして知られるように。県道159号沿いには、この親子吊橋を一望できる展望台がある。