約700年にわたり、人吉・球磨を治めた相良家の菩提寺

鎌倉時代から明治維新まで、約700年にわたって人吉・球磨を治めた相良氏の菩提寺、「願成寺」。天福元年(1233)、人吉城初代・相良長頼によって創建された。人吉城の丑寅(北東)の方向にあるため、鬼門の護りとして建てられたといわれる。慶長16年(1611)には、後陽成天皇の勅願所でもある。
本尊は、木造の「阿弥陀如来坐像」。平安時代後期の作で、国の重要文化財に指定されている(拝観を希望する場合は事前に予約が必要)。そのほか、県指定重要文化財である不動明王像や石造の七重塔など、多くの寺宝を所蔵している。
本堂の裏には相良家の墓地があり、相良家初代から37代まで歴代藩主や一族の墓が並ぶ。約250基の五輪塔を中心に配置されており、見事な造形美を成している。