ちょっと怖いがユニークな顔立ちの郷土玩具

真っ赤な顔に黒い烏帽子、ギョロっとした目玉。紐を引くとニッコリ笑い、赤い舌を出す。熊本に昔から伝わる名物のからくり人形です。
加藤清正が築城の際、実在した「おどけの金太」と呼ばれた足軽がモデルだといわれています。金太は顔立ちが面白く、人を笑わせることが上手だったとか。のちの嘉永年間、人形師の西陣屋彦七が金太の言い伝えをもとに作った人形がその原型だともいわれています。別名「目くり出し人形」ともいいます。
一見すると、玩具にしてはかなりの怖さです。さらし首にも見えるし、なにより真っ赤な顔が恐ろしい。赤い顔の理由としては、金太が酒飲みだったとか、疫病除けのおまじないのためだとか、諸説あります。私も子どもの頃、その恐ろしさに見た瞬間、思わず逃げ出した記憶がありますが、よくよく見ると愛嬌たっぷり。土産物屋で見かけたら怖がらずぜひ手に取ってほしいです。
【備考】
熊本県伝統工芸館「工芸ショップ匠」をはじめ、県内観光地のお土産物屋で販売されている。