九十九島水族館海きらら
クラゲの世界を現地編集部が徹底ガイド

九十九島近海は、栄養分がたっぷりと含まれる美しい海水に恵まれており、海にはおよそ1000種類の魚たちが生息しています。もちろん魚以外にも、多種に富んだ海の生きものたちが生息していることが確認されており、このような地域は国内でも少数。例を挙げると、クラゲ類は100種以上、沿岸のカニ類は60種以上、貝類は120種にも及びます。

乗馬体験などの多彩な体験プログラムや日本最大の天井水槽を持つペンギン館などが人気の九十九島動植物園「森きらら」、優雅な外観の九十九島遊覧船パールクィーン、レストラン、ショップなどのなど特色豊かな施設を備えた「九十九島パールシーリゾート」は、曇や雨の日など天気を気にせずに九十九島の魅力を体感できる体験施設でもあり、グルメ、ショッピングなどを満喫できる観光施設。

遊覧船ターミナルから徒歩すぐの場所に建つ「海きらら」は、豊かな自然と多様性に恵まれた九十九島の海の生きものたちを展示し、きらきらとした海の中を表現した水族館です。

2009年7月に「九十九島水族館海きらら」としてリニューアルオープン。 中でも「九十九島湾大水槽」は国内でも珍しい屋外型の大水槽。水槽には温かみのある太陽の光が差し込み、魚たちを美しく輝かせています。ウシエイなどの大きな生きものも泳いでいて、近くで見ると迫力満点。水槽をずっと近くでのぞいていると、海の中に潜り、魚たちと一緒に泳いでいるような感覚を味わえます。時間を忘れて、悠々と泳ぐ海の生きものたちに癒されます。

その他にも光・音楽・映像が響きあう癒しの空間「クラゲシンフォニードーム」、3頭のハンドウイルカと間近で触れ合える「九十九島イルカプール」など、魅力いっぱいの水族館。特に、「九十九島イルカプール」は、イルカたちが悠然と泳いだり、イルカ同士がキャッチボールを行ったりと、可愛いイルカたちの姿が見られます。3歳以下は九十九島水族館入館無料で、大人にも子どもにも大人気のスポットです。

また、「海きらら」には、西日本最大級のクラゲ展示コーナーがあり、九十九島周辺で確認されている100種類を超えるクラゲを、随時入れ替えています。九十九島周辺では、多くのクラゲが生息することが確認されていますが、そのほとんどが、どのように暮らしているのか、いまだ謎の中。地下1階にあるクラゲ研究室では、そのクラゲたちの生態の謎を解き明かすために、調査・研究に取り組んでいます。展示しているクラゲの多くは、この研究室で繁殖させ、育てたクラゲ。

世界初、日本初の発見というクラゲもおり、見ごたえ十分。ワタゲクラゲは、2011年9月に九十九島湾周辺の海域で、海きらら職員が採集したもので、世界で初めて確認された新種です。大きさは、成熟しても2センチ程度。繁殖にも成功しています。また、ホシヤスジクラゲは、2010年3月に九十九島海域で海きらら職員が採集した、日本で初めてのクラゲ。星のような8つの生殖腺と8本のスジのような放射管を持つため、この名が付きました。繁殖にも成功しており、常時展示されています。

また、クラゲ研究を基礎としてノーベル化学賞を受賞した下村脩博士の業績を称えるコーナーも。研究内容を紹介したパネルや受賞のきっかけとなったオワンクラゲの標本を展示。 水族館マニアも納得の充実した内容です。

チケットはスマートフォンやコンビニでも購入でき、公式ホームページ内に、海きららの入館前売券や海きらら入館と九十九島遊覧船乗船のセット券をはじめとするコンビニチケットやチケットの買い方、発券日などのチケット情報も詳しく掲載されています。

「海きらら」には、大水槽を泳ぐ魚たちがエサを食べる様子を観察できる「パクパクウォッチング」や、はく製に触りながら生きものについて学ぶ「生きものふしぎ発見」、イルカの知能や運動能力を紹介する「イルカのプログラム」があります。

「水族館ミステリーツアー」は、普段見ることができない水族館の裏側をのぞくバックヤードツアー。飼育スタッフが、九十九島湾大水槽で生活する生きものの様子について分かりやすく解説してくれる「九十九島お魚教室」は子どもたちに大人気。九十九島や生きものに関するものづくり体験ができる「九十九島工房」、本の読み語りや・海の生きものの話・折り紙などを行う「こどもひろば お楽しみ会」などは、大人から子どもまで楽しめる体験型プログラムです。

九十九島は、海岸線が入り組んでいてたくさんの島々に囲まれており、波は穏やか。島からは栄養分をたくさん含んだ水が流れ込み、育まれたプランクトンは、真珠養殖に利用されているアコヤ貝の重要なエサとなります。そのため、九十九島では真珠の養殖が盛んです。

「海きらら」では、専用の器具を使ってアコヤ貝から真珠を取り出す「真珠の玉出し体験」を実施しています。自分で取り出した真珠は、スタッフが袋に入れてくれるため、持ち帰り可能。また、携帯ストラップやアクセサリーに加工できるため、お土産としてもおすすめです。どんな色や形の真珠が出てくるかは、開けてからのお楽しみ。

また、館内1Fの中央に位置する「タッチングウォッチング」では、ヤドカリやヒトデ、ナマコなどの九十九島の海の生きものたちと触れ合うことができます。普段は触れる機会のない海の生きものたちに触るのはドキドキ。手のひらに乗せてみるとなんだかかわいく思えてきますよ。

水族館の裏側を知りたいなら、「水族館ミステリーツアー」に参加しましょう。所要時間はおよそ30分。普段は見られない水族館の裏側を、飼育スタッフさんが解説をしながら案内してくれます。ミステリーツアーは日曜の午前中（11時～）と午後(14時～)の2回開催されます。 ※開始1時間前より水族館改札奥の専用デスクにて受付（定員20名） ※有料（300円／税込）

「海きらら」の周辺には楽しいショップやおいしいグルメもあります。 海きららの入り口付近にある「アクアショップきらら」には、九十九島の海の生きものや水族館にちなんだ商品がたくさんそろっています。 イルカやクラゲ、カブトガニなどの海の生きもののぬいぐるみやお菓子などは思わず手に取ってしまいたくなるかわいさ。ここでしか手に入らないオリジナルの商品や、九十九島の海で育まれた真珠のアクセサリーなども販売しています。来館記念にお土産を探すのにぴったりなスポット。

「九十九島パールシーリゾート」敷地内でご飯を食べるなら、食事処「九十九島海遊」に行きましょう。美しい島々に囲まれ育った新鮮な海の幸が楽しめます。自慢は、直営漁場直送の新鮮活魚料理。新鮮な魚介類をふんだんに使った刺身定食（1700円／税別）や、魚介類のスープを使った野菜たっぷりの長崎ちゃんぽん（880円／税別）など、彩り豊かな料理の数々。

店内は座敷とテーブル席があり、広くゆったりとくつろげる空間です。店外にもテーブル席があるので、遊覧船を眺めながら食事を楽しめますよ。

また、佐世保のご当地グルメで欠かせないのがレモンステーキ。1974年創業の「レストラン本陣」は、「海きらら」から車で10分ほどの所にある洋食店です。開店当初からの人気メニューというレモンステーキ（2400円／税込）は、柔らかな肉はレアな状態で提供されるため、好みで焼き加減を調節できるのが嬉しいところ。

ワインやみりんを使用したしょうゆベースの特製ソースと、ネギたっぷりの佐世保名物のレモンステーキが鉄板の上でジュウジュウ焼かれて出てきます。オリジナルソースは肉とほどよくからんで味わい深く食べ応え十分。こちらにはスープ、サラダ、ライスまたはパンが付きます。肉を食べ終わった後は、余ったソースにご飯を投入。うまみたっぷりな肉汁があふれ出たソースも残らず食べちゃうのもアリですね。

他にも、和風、デミグラスソース、スイス風（チーズ乗せ）などから選べるハンバーグも昔からの人気メニューで、こちらを食べに来る地元客も多いそうです。

九十九島かきのシーズンに合わせて敷地内の大芝生広場で開催される毎年11月の「九十九島かき食うカキ祭り・秋の陣」や2月の「九十九島かき食うカキ祭り・冬の陣」も旅行客に人気のイベント。ぷりぷりで濃厚な九十九島の牡蠣を自分のペースで焼きながら、セルフバーベキューを楽しめると評判。

佐世保市内には、それぞれに味や食材の異なる佐世保バーガーの店舗もそろっていますので、佐世保バーガーめぐりをするのもおすすめです。

定休日や営業時間は店舗によっても異なりますし、内容の性質や正確性を保証するものではありませんので、定休日などの店舗情報をあらかじめ確認しておくと安心です。