わいた温泉郷の
ツウな巡り方を現地編集部が徹底ガイド

熊本県の北東部に位置する小国町は、鍋ヶ滝や阿弥陀スギ、下の城のイチョウなどの自然スポットが点在する山に囲まれた町。全国的にも有名な「黒川温泉」から車で15分ほどの場所にあり、わいた温泉郷や杖立温泉、奴留湯温泉（ぬるゆおんせん）などの温泉でも有名です。

小国町の代表的な温泉地である「わいた温泉郷」は、「小国富士」とも称される小国町のシンボルである涌蓋（わいた）山の麓に、地熱を利用した名物の地獄蒸し料理が楽しみな「岳の湯温泉」や料理自慢の宿が多くそろう「山川温泉」、温泉施設ごとに自家源泉を持つ「はげの湯温泉」、貸切の家族風呂を備えた「麻生釣（あそづる）温泉」、気軽に利用できる足湯もある「鈴ヶ谷温泉」、コインタイマー式貸切風呂を楽しめる「地獄谷温泉」の6つの温泉があります。

コインタイマー式貸切風呂とは、コインを入れると一定の時間お湯が出てくるコインタイマー式の温泉のこと。麻生釣温泉や岳の湯温泉「天句松 裕花」など、全国でも珍しいコイン式の仕組みを取り入れた日帰りの家族風呂や貸切風呂が多いのが特徴です。家族やグループで周囲に気兼ねなく、貸切家族風呂に入浴でき、毎回源泉掛け流しの新鮮な温泉を日帰り入浴でも味わえるのが嬉しいですね。

「阿蘇の奥座敷」とも呼ばれ、緑豊かな山々をバックに幾筋もの湯煙が立ち上る鄙びた雰囲気が魅力。ホワイトブルーのにごり湯を貸切で楽しめたり、自家源泉を利用した地獄蒸し料理を味わえたりと、温泉の良さを心行くまで堪能できる「豊礼の湯」、苔むした階段や熱田大神を祀る本殿、うっそうと生い茂る木々などが神秘的な雰囲気を放つ「中尾熱田神宮」など、温泉郷内には見ごたえのある観光スポットが点在しています。

温泉の余剰蒸気を活用した熊本初の地熱バイナリー発電所を有する「やすらぎの宿　まつや」。館内にある8つの湯処を無料で貸切利用できる「やすらぎの宿　まつや」は、温泉の湯めぐりに、元祖の地獄蒸し料理に、モクモクと上る湯けむりにと、温泉情緒を誘ってくれます。

館内18もの温泉での湯めぐりが楽しみな「旅館山翠」は、空や湯けむり、山々、田園風景が織り成す絶景を望む展望風呂や家族湯、専用露天風呂が付いた客室など、温泉が評判の宿です。

地獄蒸し料理は、地獄釜に入れた野菜や卵、地鶏などの食材を温泉の蒸気で一気に蒸し上げるもの。釜で蒸すことで余分な油を落としてくれるとともに、素材のうまみも凝縮したおすすめの熊本グルメです。

清らかな水や緑などの美しい自然は、人だけでなく、生き物の憩いの場にもなっており、初夏にはホタルを目にすることも珍しくないとか。山川温泉のすぐ近くを流れる塩井川は、「くまもとホタルの里100選」にも指定されています。

また、「中尾熱田神宮」の階段の左右にある池からは綺麗な水が湧き出しており、「九州の名水百選」や「熊本の名水百選」にも選ばれています。大地からこんこんと湧き出す温泉に浸かったり、自然の中を散策したりと、豊かな自然に包まれた温泉郷内では、のんびりとした癒しの時間を過ごせます。

交通アクセスは、車を利用する場合は、大分自動車道の日田インターから阿蘇方面に約30キロ、40分ほど進んだ場所で、公共機関を利用する場合は、最寄駅のJR豊肥本線阿蘇駅から杖立温泉行きの場所に揺られること約50分のゆうステーションへ。そこから、岳の湯行きのバスに乗り換えるか、タクシーで向かうかになります。

乳白色やエメラルドグリーンなど、天候や日によっても変化する神秘的なにごり湯。「わいた温泉郷」に属する山川温泉の「山林閣」や「しらはなシンフォニー」、はげの湯温泉の「わいた山荘」なども、魅惑の濁り湯を楽しめる温泉です。

眼前に滝を望む女性露天風呂「滝の湯」、男女別の内湯、貸切湯など「山林閣」人気の風呂を満たすのは、100％源泉掛け流しで、単純硫黄泉。湯の花が舞ったり、硫黄の香りが鼻をくすぐったりと温泉らしさを感じさせてくれます。珍しい白い色の温泉は、アトピー性皮膚炎や冷え性、筋肉痛などに効くと評判です。

ゆったりとした広さの貸切露天風呂や男女別の大浴場を備えた「しらはなシンフォニー」自慢の湯は、湯の花が舞う硫黄泉。一見すると、無色透明のように見えますが、かき混ぜると乳白色や淡い青色などに変化するのだとか。硫黄の香りが漂う源泉かけ流しの湯に浸かると、慢性皮ふ病や慢性婦人病、糖尿病、火傷などに効くとされています。

24時間利用可能な貸切露天風呂を家族や友達とプライベートに満喫したり、湯に浸かりながら湯の花を生かした湯の花パックや桶酒を楽しんだりと、さまざまな温泉の楽しみ方があります。かわいい看板猫が出迎えてくれる「わいた山荘」には、目の前に竹林が広がる露天風呂「竹林の湯」や涌蓋山を一望できる最上階の貸切露天風呂「天空の湯」、客室専用の風呂、貸切風呂など多彩な風呂を完備。それぞれの湯舟を、美肌成分のメタケイ酸を多く含むナトリウム-塩化物泉が満たしています。日によって色が変化するという不思議な湯は、慢性婦人病や慢性皮膚病、火傷、切り傷などに効果があるといわれています。

日中に空と涌蓋山が美景を織り成す「天空の湯」に浸かったり、夜に優しく竹林を照らす幻想的な「竹林の湯」に入ったり、何度も客室の専用風呂で良泉を味わったりと、自分の好みに合わせた湯あみを満喫できます。泉質の異なるお湯がそろう「わいた温泉郷」を訪れたなら、色や香りなど、温泉を五感で楽しめるにごり湯もおすすめです。

わいた温泉郷周辺には、「わいた山荘 和風オーベルジュ 山荘わいた」の【冬季平日限定】小国フレンチ（鶏の地獄蒸し付）と貸切風呂をお得に愉しむ♪冬季特別1泊2食付きプラン、「やすらぎの宿　まつや」の【公式HP2大特典付】料理ランクUP！あか牛を堪能！『しゃぶしゃぶ』『すき焼き』からセレクト！季節の旬会席プラン、「阿蘇乃やまぼうし」のスタンダードプラン、「源流の宿 帆山亭」の★～帆山亭人気№1♪～★スタンダードプランなど、人気の旅行プランを満喫できるホテルや旅館が点在。

温浴施設や食事などの詳細情報は、サイトから手軽に調べられますので、じっくりと自分好みの宿泊施設を選んでください。

わいた温泉郷周辺には、熊本観光でぜひ立ち寄りたいグルメスポットが集まっているのも特徴です。

温泉の蒸気を活用した地獄で、1羽の鶏をまるごと蒸し上げた地獄蒸し鶏。今やはげの湯温泉グルメとして人気の地獄蒸し鶏の元祖とされるのが、「やすらぎの宿　まつや」です。ヘルシーで鶏のうまみが凝縮した熱々の蒸し鶏をほおばると、素材本来のおいしさが際立つ料理。湯の町、はげの湯温泉ならではの伝統を受け継ぐ本場のグルメをぜひ一度味わってみてください。

明治時代創業の「岡本とうふ店」も昔ながらの伝統の味を受け継ぐ店舗。豆腐の味を左右する大切な水は、「わいた山」から湧き出す伏流水「七曲の水」を使用。国産大豆の風味豊かな豆腐を目当てに多くの人が訪れています。

豆腐を店頭で購入できるだけでなく、豆腐屋に隣接する喫茶「となりの岡本」には、豆乳ソフトクリームや豆腐ケーキ、食事処には、とうふ定食やざる豆腐、ここだけでしか味わえない生あげなど、出来立て豆腐のおいしさを堪能できる豆腐メニューがずらりとそろっています。メインからスイーツまで、豆腐三昧するのもおすすめ。足湯も併設されていますので、豆腐メニューに舌鼓を打った後に、足湯で気軽に良泉を楽しめるのも魅力です。

岳の湯温泉の入り口に建つおしゃれな雰囲気のパン屋「そらいろのたね」では、小国ジャージー牛乳の風味が生きる「ジャージーミルクパン」や、自家製のカスタードを詰めた「クリームパン」、薄いパンの層でパルメザンチーズを折り込んだ「パルメザンローフ」、天然酵母のパンなどこだわりのパンが人気です。

遠方から訪れる人も多く、休日には行列ができることも珍しくないとか。自分へのお土産としても、素泊まりの際の朝食としても最適です。

自家製のアイスやケーキが並ぶカフェ「リフレッシュメンツ」も小国で人気のスポット。甘いスイーツを味わいながら、ひと休みするのも良いですね。

夏に天然ウォータースライダーなどの川遊び体験ができる「遊水峡」や「遊水峡」の遊歩道を約20分進んだ場所にある落差約15メートルの「カッパ滝」、裏見の滝のとして近年人気が集まっている「鍋ケ滝」など、四季折々の自然と触れ合えるスポットも小国観光では外せません。

岡本とうふ店
【住所】熊本県阿蘇郡小国町西里2241-6
【電話番号】0967-46-3762

そらいろのたね
【住所】熊本県阿蘇郡小国町西里322-20
【電話番号】0967-46-3666