1. 札幌観光幌馬車で街中を再発見!

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

札幌観光幌馬車で街中を再発見!

  札幌の街中を悠々と闊歩し、人々の注目を集める幌馬車。馬に乗って名所へ行く非日常体験で、札幌の魅力を満喫したい。

全景

  オフィス街に鳴り響く、鈴と音と蹄の音…。札幌観光幌馬車は、札幌市内の観光スポットをめぐる御者付きの馬車。街中を車と並んで馬が闊歩する様子は全国的にも珍しく、観光客だけではなく、街行く多くの人々の目をひきつけてやまない。二階建ての馬車に乗り込み、大通公園や北海道庁旧本庁舎、札幌市時計台といった名所を約1時間かけてぐるり1周。ただ回るだけではなく、途中でそれらのスポットに停車し、記念撮影できるよう配慮されているのもうれしい。馬車にのんびり揺られながら街並みを眺めると、札幌観光が一味違った角度から味わえると評判の幌馬車。夏期のみ体験できるこの楽しさ、あなたもぜひ一度試してみては。


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達人
(わたなべ かずみ)
渡部 一美さん

札幌観光幌馬車の達人
  2006年より株式会社観光幌馬車に勤務。前職はらーめん店の店主で、その店の常連だった先代の土屋光雄社長にスカウトをうけたのがこの仕事に就いたきっかけ。先代社長から直々に指導を受けて、御者として馬車の手綱を握るように。カウボーイハットがトレードマーク。

達人が語る「札幌観光幌馬車」の魅力

記念撮影

  幌馬車がスタートしたのは1978年創業者は先代の社長、土屋光雄さん。函館の幌馬車に触発されて「札幌にも走らせたい」と考えた土屋さんが、道路を所轄する警察や市役所を説得して回ったそうです。運行期間は4月末から11月初旬まで。かつては大通にある商店街の企画で、クリスマスの時期に、幌馬車をイルミネーション仕様にしたことも。私もサンタクロースの衣装に身を包み、街を闊歩しました。今もよくカメラを向けられますが、その時はさすがにすごかったですね(笑)。「YOSAKOIソーラン祭り」「サッポロオータムフェスト」など大通公園を中心としたイベント開催時にも、少しずつルートを変えながら運行しています。

北海道ならではの「ばんえい馬」を馬車馬に

道路

  幌馬車の主役といえば、やはり馬車馬。現在は、4代目となる銀太二号が活躍しています。銀太は道産子ではなく、フランス・ノルマンディー地方原産の馬・ペルシュロンのオス。脚が短く、胴が太く、非常に力が強いのが特徴です。なんと体重は1トン。北海道の帯広競馬場では、世界で唯一の「ばんえい競馬」が行われているのですが、ご存知でしょうか? 鉄ソリを馬にひかせ速さとパワーを競わせるこのレースで、ペルシュロンはよく登場します。実は銀太も元はばんえい競馬に出ていたのですが、あまりにもおっとりとしているためクビに(笑)。たまたま新たな馬車馬を探していた先代社長と出合い、そのおとなしい性格がむしろこの仕事に適していると採用されました。

手作り馬車のおすすめは、眺めのいい2階席

内観

  銀太は今、9シーズン目。すっかりベテランの域に達しました。年齢は数えで12歳、人間でいうと47歳くらいです。耳がとても良いので、周りの音やわたしの声を聞き取り、バスやタクシーがすぐ近くを通っても、賢く冷静に対応します。ただ、馬は初めて見るものに、とても驚く性質があるんです。自転車タクシーのベロタクシーを初めて見たときは、銀太が驚いて横に飛び退いていました(笑)。馬車は2階建てで、ブレーキやウインカーも付いているオリジナルです。お勧めはやはり2階からの眺め。目の高さが変わると歴史ある観光名所の迫力が増し、ますます絵になるんです。3人だけですが、御者席の隣に座ることも可能。目の前にさえぎるものがないこちらも、迫力満点ですよ!

銀太に触れられる貴重な体験も評判に

触れ合い

  営業期間中は10時から夕方まで、コースを1日5~6回歩きます。電話とメールで予約を受け付けていますし、大通公園4丁目の停留所に直接来ていただいてもお乗りいただけます。停留所を出発し、まずは札幌市時計台へ。その後、北海道庁旧本庁舎を回り、約40分で戻ります。札幌市時計台と北海道庁旧本庁舎では数分間の休憩タイムがあるので、記念撮影の絶好のタイミングです。もちろん銀太と一緒に写真を撮ってもOK。また北海道庁旧本庁舎では、馬体に触れることもできるんです。これは穏やかな気性の銀太ならではのサービス。お腹や鼻のあたりを優しくなでてみてください。ルート的にオフィス街を走るのですが、難しい顔をして歩いているサラリーマンの人たちも、銀太が通りを歩いているのを見ると自然に笑顔になるんですよ。幌馬車で街を巡るたびに、馬の力ってすごいなあと、いつも実感しています。


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幌馬車の楽しみ方

眺めのいいスポット

  馬車の上から見るもよし、馬車から降りて眺めるもよし。コース内の絶景ポイントはこちら。

  • 札幌市時計台
  • 北海道庁旧本庁舎
  • 大通公園
おすすめポイント
  馬車に乗って道路を歩いているというだけでも十分楽しめますが、時計台はビルの谷間にあり見えにくい環境にあるせいか、木々の向こう側に建物が現れたときには皆さん感動されるようです。個人的には地上に降り立って見るよりも、馬車の2階席から眺める景色のほうが風情があって好きですね。そこから北海道庁旧本庁舎、通称・赤レンガ方面へ向かうのですが、この通りがまたいいんです。真正面に赤レンガが見える贅沢なシチュエーションは、幌馬車ならではの光景だと思います。

銀太と撮影できる観光名所をもっと深く知る

  旅のスケジュール上、幌馬車を利用する時間がない人へ。銀太に必ず会える撮影スポット、その詳細を紹介します。

  • 大通公園
  • 北海道庁旧本庁舎
  • 札幌市時計台
おすすめポイント
  地下鉄大通駅5番出口そばに発着先である停留場があるので、ココなら必ず銀太と出合えます。幌馬車を利用しなくても1人300円で記念撮影は可能ですので、気軽に声をかけてください。要望に応じて、シャッターも押しますよ。幌馬車の立ち寄りスポットである赤レンガでは10分間、時計台では5分間ほど停車しますので、こちらでもどうぞ。ただし撮影するときは、フラッシュはたかないようお願いします。

大通公園が会場のイベント

  幌馬車に乗るのに適しているシーズンをピックアップ。その時期に開催されるイベントも一緒に楽しんで。

  • さっぽろライラックまつり
  • さっぽろオータムフェスト
  • 札幌の夏を堪能
おすすめポイント
  幌馬車には屋根がついていますが、基本的には外にいるのと変わらないので、比較的涼しい時期に利用するのがベストです。例えば「さっぽろライラック祭り」が開催される5月下旬~6月初旬。ちょっと涼しくなる9月ころもお勧めです。「オータムフェスト」で買ったビールを持ち込んで、飲みながらほろ酔い気分で馬車に揺られる…なんて乗り方をするお客さんもちらほら。暑さ対策が必要になるものの、やはり夏の札幌が最もにぎわう「さっぽろ夏まつり」のシーズンも外せませんね。

どこまでも広がるラベンダー畑…。

札幌幌馬車停留場までのアクセス

  地下鉄大通駅5番出口からすぐ。大通公園沿いに幌馬車の停留場があるので、そちらを目印に。

住所

  北海道札幌市中央区大通西4丁目
℡011-512-9377
営業時間/10時、11時、13時、14時、15時、16時の1日6回運行(16時の便は9~11月運休)
運行期間/4月末~11月初旬(雨天中止)
休業日/水曜
料金/1階席・大人1800円、小学生1000円、幼児500円、2階席および御者席・大人2200円、小学生1200円、幼児600円

車で

  新千歳空港から道央自動車道で約55分(北広島IC出口から約25分)、JR札幌駅から約5分

地下鉄で

  地下鉄南北線・東豊線・東西線「大通駅」下車、徒歩すぐ

達人に聞く銀太についてのQ&A

Q 銀太が舌を出しているのはなぜ?
A これはよく「疲れているんじゃないか」「喉が渇いているんじゃないか」と間違われることが多いのですが、舌を出すのは銀太の癖です。競走馬でも舌を出す癖のある馬は多いんですよ。
Q 銀太はトイレをどうしているの?
A お手製の排泄物回収具で街を汚さないようにしています。糞やおしっこをするとき、銀太は独特の仕草で知らせてくれるので、その場で回収具で処理しています。
Q 銀太の馬具はオリジナル?
A オリジナルではありませんが、実際にばんえい競馬で使用する馬具を採用しています。細かい装飾が美しいので、ぜひチェックしてください。
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