現代

福岡県の歴史

昭和30年代(1955~1964)の高度成長期を迎えると、石炭産業が衰退し、筑豊地域は深刻な打撃を受けることになる。しかし、昭和40年代以降(1965~)は第3次産業が大きく成長し、福岡市を中心に商業やサービス業の集積が進むと共に人口も増加。北九州市と福岡市が政令指定都市に移行した。さらに大相撲九州場所やプロ野球チームも進出し、平成23年(2011)には博多駅と鹿児島中央駅を結ぶ九州新幹線鹿児島ルートが全通した。


関門トンネル開通

関門橋

昭和17年(1942)7月、北九州市門司と山口県下関市を結ぶ海底に鉄道専用の関門トンネルが開通し、本州と九州がつながった。工事の着工は昭和11年(1999)。長さは上り3604メートル、下り3614メートルの複線で、山陽本線が走っている。昭和33年(1958)には国道2号線の関門トンネルが開通。2階建てのトンネルで、車道の下に780メートルの歩道が設置され、車道の長さは3461メートル。さらに、昭和50年(1975)には、長さ1万8713メートルの新関門トンネル「山陽新幹線専用トンネル」が開通。また、昭和48年(1973)には、関門海峡をまたぐ長さ1068メートルの関門橋も完成した。

大相撲九州場所の開催

福岡国際センター(画像提供/福岡市)

大相撲の本場所は年に6回開催される。そのうちの一つが九州場所で、昭和32年(1957)には福岡市で行われるようになった。当時は年に5場所の開催だったが、翌年には名古屋場所が加わって6回となった。九州場所は毎年11月に、福岡国際センターで行われる。優勝31回を誇った千代の富士は、昭和56年(1981)から63年(1988)まで九州場所8連覇の最多記録を作った。平成7年(1995)の九州場所では、当時相撲ブームを巻き起こしていた若乃花と貴乃花の兄弟が千秋楽で優勝決定戦を行い、若乃花が2度目の優勝を果たした。双葉山の69連勝記録を目指していた横綱白鵬が平幕の稀勢の里に敗れ、63連勝でストップしたのも平成22年(2010)の九州場所だった。

北九州市と福岡市が政令指定都市に移行

福岡タワー

昭和38年(1963)に門司市と小倉市、戸畑市、八幡市、若松市の5市が合併して誕生したのが北九州市だ。同年、門司区と若松区、戸畑区、小倉区(後の小倉北区と小倉南区)、八幡区(後の八幡東区と八幡西区)の5区(後に7区)をもって九州初の政令指定都市に移行した。北九州市の人口は約97万3000人(2014年時点)で、福岡市に次ぐ。昭和47年(1972)には福岡市が政令指定都市になった。東区と博多区、中央区、南区、西区[後の西区、城南区、早良(さわら)区]の5区(後に7区)から成り、人口は152万1500人(同)。現在、全国に20ある政令指定都市のうち3市が九州に置かれている(北九州市、福岡市、熊本市)。

福岡市営地下鉄が開通

福岡市営地下鉄 3000系車両(画像提供/福岡市)

昭和56年(1981)、九州で最初の地下鉄が福岡に開業した。当初は室見駅から藤崎駅、西新駅、唐人町駅を通って天神駅までの7駅だった。翌年には天神駅から呉服町駅まで延長され、昭和58年(1983)にはJR博多駅と結ばれて、唐津へ向かうJR筑肥線と相互乗り入れを開始した。その後も続々と営業路線を延ばし、平成5年(1993)には博多駅・福岡空港間が開業。現在、全長13.1キロの空港線、12.8キロの箱崎線、12キロの七隈線の3路線が運行している。また、箱崎線は貝塚駅で西鉄貝塚線と結ばれている。

ホークスが福岡市の球団に

ヤフオクドーム(画像提供/福岡市)

昭和63年(1988)、プロ野球パ・リーグの南海ホークスが、福岡ダイエーホークスと改名し、福岡市の平和台球場に本拠地を移した。平成5年(1993)には開閉式の屋根を持つ福岡ドームが完成したため、ホームグラウンドが平和台球場から福岡ドームに変更され、監督は田淵幸一から根本睦夫に替わる。球場名は平成5年(1993)に「福岡ヤフオク!ドーム」、球団名は平成17年(2005)に「福岡ソフトバンクホークス」となった。福岡に移ったホークスの平成26年(2014)までの成績は、リーグ優勝が6回に、日本一は4回。南海時代を合わせると、リーグ優勝は18回、日本一は6回を数える。

九州新幹線が開業

新幹線さくら(画像提供/福岡市)

九州新幹線の博多駅と鹿児島中央駅を結ぶ鹿児島ルートが、平成23年(2011)に開業した。停車駅は博多、新鳥栖、久留米、筑後船小屋、新大牟田、新玉名、熊本、新八代、新水俣、出水(いずみ)、川内(せんだい)、鹿児島中央の12駅で、全長256.8キロ。博多駅と鹿児島中央駅を最短1時間17分で結ぶ。列車の愛称は「みずほ」「さくら」「つばめ」の三つで、みずほとさくらは山陽新幹線の新大阪駅まで乗り入れている。みずほは新大阪・鹿児島中央駅間を、最短3時間45分で走る。

「ななつ星 in 九州」が運行

クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」

JR九州で、平成25年(2013)10月から運行を開始したのが、クルーズトレイン「ななつ星in九州」だ。列車名は九州の“七つの県”、九州の自然・食・温泉などの“七つの観光素材”、さらに“7両編成の客車”を表現している。3号車から7号車が客室で、そのうち3号車から6号車はスイートルーム(1車両3室)、7号車は2室のデラックススイートだ(合計14室)。全室がシャワー・トイレ付きで、1泊2日と3泊4日の2種類のコースがあり、ともに博多駅の発着。1泊2日のコースでは福岡、佐賀、長崎、熊本、大分を巡り、3泊4日のコースでは福岡、大分、宮崎、鹿児島、熊本を周遊する。

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