
まるで一対の夫婦杉のように仲良く寄り添う2本の巨大な杉。樹齢400年超に及ぶ「高森殿(たかもりどん)の杉」は、幹周10メートルを超える大きな幹から幾つもの枝が四方に伸び、圧倒的な存在感を放っています。

自然が作り出した神秘の光景が見る人をひきつけてはなしません。「高森殿の杉」が立つのは、阿蘇の南外輪山の中腹に位置する高森町の一角。時代をさかのぼること約430年、中世の頃の高森町には、高森一帯を統治していた高森氏の拠点である高森城が建っていました。戦国時代に薩摩島津氏の侵攻を受けて、高森城主の伊予守惟直と三森兵庫守能因が自害したと伝わる場所が、実は杉のたもとで、「高森殿」の名もこのエピソードに由来しています。

また、この地を訪れた有名女優が雄杉と雌杉に見立てた2本の杉に抱きついてパワーをもらったところ、すぐさま結婚が決まったとの逸話でも知られています。近年では縁結びのスポットとして一躍有名に。県内外問わず、多くの人が訪れるパワースポットになっています。