
玉名温泉街から少し北西に足を延ばした山田集落の北端に佇む山田日吉神社。境内には、推定で200年ほどの樹齢を数える通称「山田の藤」があります。藤の規模は東西12メートル、南北10メートルにも及び、ひとつひとつの花房の長さは1メートル以上。毎年4月中旬ごろから下旬ごろまで咲き誇り、見物客の目を楽しませてくれます。
もともとは19世紀初頭の文化年間に、地元の赤松久右衛門という人物が植栽をした藤が、このような見事な大藤に育ったのだとか。一時は花の勢いが衰えた時期もあったそうですが、地元の方々の手入れにより現在は歴史のある神社に似つかわしい威容を取り戻しています。
例年、開花の時期に合わせて藤のライトアップも行われます。藤棚から漏れる陽光が美しい昼の藤も、闇の中に浮かび上がる幻想的な夜の藤も、どちらも見応えたっぷりです。