幽霊の掛け軸で有名な“幽霊寺”

およそ600年前の室町時代、実底和尚(じっていおしょう)が開基したという古刹(こさつ)、「永国寺」。和尚が描いたといわれる幽霊の掛け軸があることから、別名“幽霊寺”とも呼ばれる。いわれによると、球磨川に身を投げ非業の死を遂げた女性が幽霊となって現れたため、和尚がその姿を絵に描いて見せると、幽霊は自分のあまりの醜さに驚き、和尚の導きによって成仏したという。毎年8月には「ゆうれい祭り」が開催され、ゆうれい屋敷が登場。また、普段はレプリカの掛け軸が展示されているが、この日だけは本物の掛け軸がお目見えする。
また、明治10年(1877)の西南戦争では、熊本から退却した西郷隆盛率いる薩軍が本陣を構え、33日間在陣した寺としても知られる。