
多くの河川を有していることから、「水の郷」といわれている大分県日田市。特に有名なのが三隈川で、豊富な水量と広い川幅を活かして行われる「鵜飼」は、岐阜県岐阜市、愛媛県大州市と並んで日本三大鵜飼のひとつに数えられています。また、大分県の重要無形文化財の指定も受けており、日本の伝統文化を現代に伝える貴重なものです。

三隈川で鵜飼が行われるようになったのは、今から約400年前。日田を統治した豊臣秀吉の家臣が、岐阜から鵜匠を招いて三隈川で鵜飼をさせたことが始まりといわれています。江戸時代に徳川幕府の直轄地となった天領の時代からは、屋形船から鵜飼を見物する川遊びが盛んに行われるようになり、夏の夜の風物詩として定着するようになったのだとか。

そもそも鵜飼とは、水鳥の一種である鵜を訓練して、川魚を獲らせる伝統的な漁法のひとつ。鵜は素早く水中に潜り、水中で魚を捕えて飲み込むと、鵜の喉の強い圧力で魚は失神します。その状態で吐き出させることによって、魚を傷つけずに獲ることができます。鵜匠が見事な動きで6羽から8羽の鵜を操りながら魚を釣り上げる様子は圧巻です。
三隈川の鵜飼が行われるのは毎年5月20日から10月31日まで。屋形船を所有する日田温泉の旅館に鵜飼見物の申込みをします。乗り合い乗船であればリーズナブルな料金で利用できるので安心です。屋形船の内部は畳敷きになっていて、鵜飼を眺めながら食事もできます。夜の三隈川で、かがり火に照らされた鵜飼の船を眺めながら、優雅な川遊びを体験しましょう。
日田温泉への宿泊時や、日田観光におすすめですよ。