日本近代建築の雄、辰野金吾が手がけた優美な洋館へ

白い壁に若葉色の柱と梁のコントラストが映える木造二階建て洋館「西日本工業倶楽部(旧・松本邸)」は、北九州フィルムコミッションが手がけたロケ支援作品にもたびたび登場する定番のロケ地です。
設計を手掛けたのは、東京駅や日本銀行本店の設計などでも知られる日本近代建築家の辰野金吾。外観は白壁に柱と梁などの骨組みを多く露出させるハーフティンバー式を用いて、建物内部は階段や暖炉から家具など調度品に至るまで、植物をモチーフにした美しい曲線が特徴のアール・ヌーボー様式の意匠で統一されています。敷地内には数寄屋造りの純和風建築の日本館もあり、渡り廊下で洋館とつながる構造です。
現在は北九州経済人たちの集まりである西日本工業倶楽部会員の活動拠点として使われていますが、完全予約制でウエディングや宴会・会食としても利用できます。また、春秋の年に2回、建物内部と庭の一般公開イベントも催されています。