鹿児島発!「ローカル旅行」の楽しみ方から予約まで
更新:2019年12月24日
霧島神宮は九州内でも屈指の紅葉スポット。鳥居と階段に突き出たモミジは大迫力。多くの観光客が詰めかけますが、霧島神宮の魅力は、紅葉だけではありません。境内のパワースポットは魅力的で、霧島の七不思議の5つが境内近くに。天孫降臨神話にふれる旅に出かけましょう。
[たびらいセレクション]
詳細はこちら
霧島神宮にはパワースポットが盛りだくさん。紅葉時期ならずとも、見どころ満載です。
霧島のホテルを目的やテーマ別にピックアップ。実際に見て泊まって選んだおすすめ宿をランキング形式で紹介します。
霧島のホテルでよく見られている推し宿特集
ローカル案内役 藤田 秀樹(たびらい編集部)
福岡県出身。九州内の食べ歩きスポットを探し続ける編集スタッフ。カメラ片手に友人・知人を巻き込んで観光スポットにも出没。
南九州でおすすめ観光スポットとして、多くの参拝客で賑わう霧島神宮は、6世紀に創建され、日本書紀や古事記に登場する天孫降臨神話の主役、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が主祭神。緑深い森に囲まれ、朱塗りの神殿は約300年前に島津家第21代の島津吉貴(よしたか)によって建立。国の重要文化財に指定されています。 古事記や日本書紀によると、宮崎と鹿児島の県境にある高千穂峯や霧島に天上界から初めて地上にニニギノミコトが降り立ったとされます。その時の神が、霧島神宮の主祭神である瓊瓊杵尊。欽明天皇の時代(6世紀)、慶胤(けいいん)という僧侶に命じて高千穂峰と火常峰(御鉢)の間に社殿が造られたのが始まりとされます。聖地・高千穂峰に対する山岳信仰も盛んでした。 火山の麓という立地のため、霧島山の噴火によってたびたび炎上。947年~957年(天暦年間)には性空により瀬多尾越(高千穂峰への南側の登山道入口)に再興されますが、ここもたびたび噴火の巻き添えに。その場所は現在、霧島神宮古宮址として石段と鳥居、石の斎場が残ります。1484年、島津忠昌の命により兼慶が再建したのが、現在の霧島神宮。建物はその後も火災に遭い、現在の社殿は1715年、薩摩藩4代藩主であった島津吉貴の奉納によるもの。島津吉貴の寄進のおかげで、現在のような朱塗りで豪華な社殿が再建されました。 歴代の島津氏からあつく信仰され、島津義久は、1578年耳川の戦いに臨む途中に参拝してくじを引きました。また、九州北上にあたっても1585年6月に日向国惣先達職の面高(おもだか)善哉坊と重臣・山田有信を、再び9月に吉田清存を、それぞれ遣わしてくじを引き侵攻方面を決めるなど、重要事の決定に際し、たびたび神慮を仰いでいます。 霧島神宮は、坂本龍馬が日本最初の新婚旅行で霧島連峰を訪れたことでも知られます。龍馬は京都伏見の寺田屋で幕府の役人に追われて負傷。薩摩藩に助けを求め、西郷隆盛が霧島温泉での湯治を薦めました。刀傷を負った龍馬は、18日間も逗留し、塩浸温泉で刀傷を癒したとされます。 明治期の神仏分離令が発令されるまで、本地堂は十一面観音。別当寺に華林寺を所有。霧島山を中心とした修験僧による霧島六所権現信仰の中心的役割を果たしました。 社殿はいずれも朱塗りの華麗。特に本殿は内部も豪華に装飾され、柱、梁、長押などはすべて朱漆塗りとした上に要所を彩色文様や鍍(と)金の飾り金具が施されています。三日月板には極彩色の浮き彫りの彩色が施されるなど、贅(ぜい)を凝らした造り。神社建築で、外部だけでなく内部まで装飾したものは珍しく、「西の日光」と言う別名を持っています。 三の鳥居の近くにある手水舎は、鹿児島五大石橋の設計者であり、肥後の名工でもある岩永三五郎が手掛けたもの。参拝者が苔むした龍の手水舎で手や口を清められるのもここならではの楽しみ。本殿・幣殿・拝殿や勅使殿、神饌所など、境内に点在する重要文化財も見逃せません。 天孫降臨神話が伝わる霧島神宮は、春は桜、秋は紅葉が美しいことで有名。紅葉の種類は、カエデ、モミジ、ウルシなどで、11月から12月が見ごろ。参道から境内にかけて幻想的な紅葉風景が続きます。大鳥居手前の県道沿いの紅葉も鮮やかで、格調高い朱塗りの社殿とのコントラストが荘厳な雰囲気を演出。高千穂河原、霧島神宮と標高の高いところから紅葉が始まり、霧島神宮とその周辺には多くの観光客が詰めかけます。参道階段横のモミジの紅葉が、緑色から赤色のグラデーションになるさまは特に有名です。紅葉の時期には、紅葉祭りや天孫降臨御神火祭、新嘗祭(ホゼ祭) などのイベントもありますので、こちらも見逃せません。 霧島神宮を訪れたなら、ぜひ体験してもらいたいのが、参拝者に人気が高い霧島市観光協会の体験プログラム「和服で参拝、ぶらり霧島神宮。」(税込3000円)です。女性の方が一緒であれば、男性も体験することができますので、カップルや夫婦そろって粋な着物に身を包むのも素敵ですね。 三の鳥居から社殿へと延びる参道、緑のトンネル、朱塗りの目を引く社殿など、境内には絵になる撮影スポットがたくさん。着物姿でいっぱい写真を撮ってください。 プログラムの参加者には、泥湯パックで人気の宿さくらさくら温泉が誇るさくらさくら温泉名物風呂の泥湯をはじめ、スポット周辺の温泉やランチにおすすめの店舗、観光施設をお得に利用できるなどの嬉しい特典も。プログラムに参加するには、メールや電話での事前予約が必須になりますので、お忘れなく。 ■霧島市観光案内所 【住所】霧島市霧島田口2459-6 【問い合わせ(TEL)】0995-57-1588
霧島神宮は開運、起業、転職など「事始め」の神様といわれます。昨今は縁結びの神様としても評判。御神木の巨大杉は、霧島メアサと呼ばれ、高さ38メートル、幹回り7メートル。南九州にある杉の先祖とされます。たたずまいから、力強い生命力が感じられ、裏に回ると、枝の上に「烏帽子(えぼし)を冠り、手を合わせた神職の姿」といわれるコブが。数々のパワースポットを有する霧島神宮は、南九州屈指のおすすめパワースポットとしても親しまれています。 そのほかの木では、オガタマの木も有名。古事記や日本書紀の神話によると、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)にこもったときに、アメノウズメがこの木の枝を持って舞を披露。芸能へのご利益があるとされ、神霊を招く木として境内に植樹されています。 さざれ石は、岐阜県揖斐郡春日村の山中で発見されたもの。国歌「君が代」が鹿児島発祥との説があることから寄贈。さざれ石は、小石が溶けた石灰岩によって集結し、長い年月をかけて大きな巌(いわお)に。さざれ石は三の鳥居の右側にあります。 苔(こけ)むした手水舎は、鹿児島五大石橋の設計者、岩永三五郎(いわながさんごろう)の作。岩永三五郎は、1793年生まれで、江戸時代後期に、肥後(熊本)藩と薩摩藩で活躍した石工。五大石橋(玉江橋、新上橋、西田橋、高麗橋、武之橋)の設計の他、肥後では初めての水路橋「雄亀滝(おけだけ)橋」の設計も。霧島神宮には、手水龍、手水鉢と灯篭(1基)が現存しています。 恋みくじ(200円)は、女の子と男の子の人形がついたかわいいデザイン。そのほか、霧島九面守り(1体800円)は宝物の九面をモチーフにしたもの。全9種あり、工面との語呂合わせで金運アップにつながるとか。花まもりは、カラフルな色と小花をあしらったお守り。あらゆる願いがかなうとされ、万能なお守りのため、土産物にもピッタリ。 土産菓子には、霧島神宮の売店でのみ販売されている鉾餅(ほこもち)がおすすめ。天孫降臨神話の中で、神様が天上から高千穂の峰に突き立てたとされる「天の逆鉾(あまのさかほこ)」に由来した菓子。霧島神御神饌の鉾餅にかたどった俵型で、シナモン風味で独特の甘さが特徴。たっぷりとまぶしたシナモンの香味と、国内産米粉と鹿児島県特産のさつまいもの粉を使った求肥(ぎゅうひ)で粒あんが包まれています。
霧島七不思議伝説は、霧島神宮を中心とした地域に、不思議な現象が起こることから、人々は七不思議と呼んでいます。霧島神宮境内にあるのは、風穴と亀石、御手洗(みたらし)川、両度川、夜中の神楽(かぐら)の5つ。 社殿を背にして授与所の裏を右側に進むと、旧参道の石の階段があります。亀石坂とよばれる階段の坂で、巨木もそびえる神秘的な雰囲気。旧参道のため、西郷隆盛や坂本龍馬なども通ったとされ、龍馬はここから高千穂登山をしたとか。 坂を降りていくと亀そっくりの自然石があり、亀石と呼ばれています。神様との約束を破ってしまった亀が、石にされてしまったと言われる伝説も。ほかにも面白い形の自然石がたくさんあるため、石がどのように見えるかは見る人次第。 近くの反対側には風穴。岩穴からいつも風が吹きでているため、参拝者から不思議がられていました。極微弱な気流で、岩の上に石造の観音が安置されていたといわれています。現在は、風を感じることはまれですが、霧島山中では似た現象があちこちに見られるとか。 御手洗川は、岩穴からわき出る小川です。11月から4月ごろまでは、ほとんどかれていますが、5月ごろから勢いよく大量の水がわき出ます。魚も一緒にわいてくるとされ、水は清らかで、天孫降臨の際に瓊瓊杵尊が高天原(たかまがはら)から持ってきた真名井(まない)の水が混じっているという伝承も。 4つ目が、夜中の神楽。昔、霧島神宮が現在地へと遷宮する際、深夜に社殿の奥で神楽が高く鳴り響き、神官・僧侶のほか一般の人まで神楽を聞いたとされます。今でも深夜に、かすかに神楽のような物音がすると言われ、七不思議のひとつに数えられています。 5つ目は「両度川」。毎年6月ごろから水が流れ出して8・9月ごろにはかれてしまいます。しかし、数日経つとまた水が。両度川は、毎年同じ時期に決まって二度流れるため、その名がついています。 そのほか、霧島の山中や竹やぶに、自然の陸稲が生えることがあるとされる「蒔(ま)かずの種」。霧島神宮から西の方に2キロほど離れた山の中にある「文字岩」。大きさが10メートル四方の岩で真ん中が割れて10センチほどの隙間があります。中をのぞくと字が彫られているそう。人間の力では動かせない大きな岩の中にどのようにして刻まれたのか今だに分かっていません。(※岩の隙間は暗くて見えにくいので、懐中電灯等が必要) 鹿児島県内には温泉も多く、砂蒸し温泉で有名な指宿温泉や9つの温泉がそろう霧島温泉郷などの天然温泉も点在する霧島神宮周辺は、旅行者にも人気の地。霧島神宮を参拝した後には、鹿児島名物の黒豚のヒレカツを味わったり、効能豊かな温泉にのんびりと浸かったり、雄大な自然と触れ合ったりして、じっくりと体を休められます。
霧島神宮 【住所】鹿児島県霧島市霧島田口2608-5 【問い合わせ(TEL)】0955-57-0001(霧島神宮) 【開門時間】24時間 【祈願受付】8時~17時 【授与所】8時~17時30分 【駐車場】あり(無料)。600台
車で(レンタカーで)
鹿児島市内から約1時間40分。九州自動車道溝部鹿児島空港インターチェンジを降り、国道504号線へ。
電車で
・JR鹿児島駅から特急で約45分。JR霧島神宮駅からバスかタクシーで約10分。 ・JR博多駅から九州新幹線とJRきりしまを乗り継いで約2時間45分。JR霧島神宮駅からバスかタクシーで約10分。
御朱印帳はありますか?
社殿が描かれた御朱印帳があります(1000円)。御朱印代は別途300円で、御朱印は社殿横の御朱印受付で受けられます。
売店などはありますか?
霧島神宮名物の鉾餅が購入できる売店があります。冬季はぜんざい、夏季は冷やしぜんぜい(いずれも300円)を提供しています。営業時間/8時~17時
祭儀はどのようなものがありますか?
特殊神事では3月20日(旧暦2月4日)に御田植祭(おたうえさい)があります。瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が、高天原から稲種子を授かり耕作をした故事によります。神苑内に祭場を設け、五穀の豊穣を祈願する祭儀です。11月には、天孫降臨記念祭・天孫降臨御神火祭(てんそんこうりんごじんかさい)。高千穂河原古宮地の斎場で、国家安泰と、国民の平安が祈念されます。夕闇迫る頃、鑚(き)り火により採火した御神火を松明(たいまつ)に移し、崇敬者が願いを託した祈願札や絵馬を焼納。九面太鼓や霧島神楽も奉納され、だれでも参列できます。年間100以上の祭儀が行われ、中でも毎年元旦と2月11日に本殿で奉納される九面太鼓は、勇壮な郷土芸能として県内外から注目を集めています。
紅葉の時期以外におすすめの時期はありますか?
境内は四季折々の花と紅葉の名所で、桜は3月下旬~4月上旬、ミヤマキリシマが5月下旬、紅葉は12月上旬までが見ごろとなっています。
鹿児島観光でしたい8つのこと、32の体験鹿児島の定番観光だけではない、「ローカル旅行」の楽しみ方を、たびらいが実際に歩き、体験して考えました。温泉にグルメ、絶景スポットまで。あなたの知らない、ディープな“かごんま”旅行に出かけましょう。
加計呂麻島観光でしたい6つのこと、17の体験
鹿児島温泉ツウが教える 湯めぐり徹底ガイド
指宿観光のおすすめ情報10選
霧島観光のおすすめ情報10選