青島神社は、多くの参拝者があちこちでカメラを向けています。本殿は鮮やかな朱色の拝殿と青い空との明るいコントラストが美しいですが、一歩、御成道(おなりみち)に足を踏み入れると、ジャングルに入ったような独特の雰囲気に。御成道は、明治40年10月31日、大正天皇が皇太子の時に西国御巡幸の際に青島に御成りになった際に整備された道。以来多くの皇族の参拝がありました。
御成道に入ってすぐにあるのが、祈りの古道。元宮への参道に絵馬掛けを設けた絵馬のトンネルです。ビロウジュの木陰から日が差す中、絵馬が風で揺れる様がエキゾチックで、思わず写真に収めたくなります。元宮は、ビロウジュの木々に守られるように鎮座し、そこだけ特別な空気が漂っています。
元宮跡からは、弥生式土器や獣骨などが出土。古い時代から小さな祠があったことから、古来、ここで祭祀が行われていと考えられています。
青島が神秘的な場所とされるのには、島が波状岩にぐるりと取り囲まれている景観にもあります。洗濯板がそのまま大きくなったように、ギザギザの岩が続くため「鬼の洗濯岩」ともいわれます。この独特の景観も、絶好の撮影スポットです。
青島に続く弥生橋のたもと、青島海水浴場のそばにあるのが「幸せの黄色いポスト」です。山幸彦と豊玉姫が海積の宮で出会い、恋文のやり取りをしたという神話に着目し、「幸福」などのイメージがある黄色いポストを設置。ポストとしての役割も果たしており、毎日郵便収集も行われています。黄色いポストと一緒にポーズをとる観光客も多いですよ。
2011年からは、黄色いポストから青島神社まで三輪タクシー「トゥクトゥク」が運行開始。年配の人や子ども連れでも気軽に参拝しやすくなりました。参道から神社までに加え、島を半周してくれるため、島の風景を楽しめます。