九州の元気を、現地から紹介する

8月の半ば、日差しが和らぐ夕方の時間帯に、筋湯温泉に立ち寄った。
平地では連日35度を超える猛暑日を記録する中、ここ筋湯温泉は標高1000メートルの高所に位置するため、空気がとても爽やかだ。前回、5月に訪れた際は全くといっていいほど人けがなく、風評被害に苦しんでいたが、今回は温泉街の旅館の駐車場に県外ナンバーの車が多く停まっており、多くの宿泊客がいることがうかがえた。
人々の目当ては、この爽やかな高原での避暑と、筋湯温泉名物の“うたせ湯”だ。公共浴場「うたせ湯」からは、竹筒から流れ落ちる温泉の音と、楽しそうな話し声が聞こえてくる。
旅館 清風荘の女将さんに話を聞くと、「地震発生から梅雨明け前までは閑古鳥が鳴いていましたが、夏休みになってからは温泉街にもたくさんのお客さまがいらっしゃって、『ここは涼しいね』と喜んでいただいていますよ。それでも、住んでいる私たちには暑いんですけどね」と言って笑っていた。