日本で最も古い天然の“地獄”

1300年以上前から存在し、日本で最も古い天然の“地獄”といわれる「血の池地獄(ちのいけじごく)」は、ひと言で表現するなら“赤い熱泥の池”だ。奈良時代に編纂された『豊後国風土記』には、「赤湯泉」の名で登場している。
広さは1300平方メートル、深さは30メートル以上、温度は摂氏78度で、酸化鉄や酸化マグネシウムを含んだ赤い熱泥が噴き出している。発見当時は、赤湯泉や赤池などと呼ばれていたが、仏教思想の地獄観に基づいて“血の池地獄”と呼ばれるようになった。
血の池地獄は、かつてはたびたび爆発を起こし、周囲の山にも被害をもたらしていたという。その後、爆発を防ぐために池のかくはん作業を行うようになり、爆発は起こらなくなった。近くには、血の池の源泉からそのままひいた掛け流しの足湯「血の池足湯」もある。