国登録有形文化財。100年以上の歴史を持つ武家屋敷

廃藩置県に伴って東京へ移住した旧藩主・稲葉家の臼杵滞在所として、明治35年(1902)に建築された「稲葉家下屋敷(旧稲葉家別邸)」。稲葉家は、関ヶ原の合戦後に藩祖・稲葉貞通が臼杵に移封されて以来、明治維新までの約270年間にわたり一貫して臼杵藩を支配した藩主。明治維新後は東京へと移住し、旧国立第百十九銀行や旧臼杵藩士の会社「留恵社」への出資を行うなど、臼杵経済にも多くの影響を与えた。
稲葉家下屋敷は、江戸時代の武家屋敷の様式を色濃くとどめた建築物として、国登録有形文化財に指定されている。また、隣に併設されている「旧平井家住宅」は、安政6年(1859年)に建てられた武家住宅で、臼杵藩では上級武士の住宅として使用されていたもの。稲葉家別邸とあわせて見学することができる。
その他にも、施設内には蔵を改装したギャラリースペースや広い庭園を眺められる茶房下屋敷などがそろっている。