1. 「支笏湖氷濤まつり」おすすめの楽しみ方

達人指南

現地の達人が旅行の楽しみ方を伝える観光コラムです。人気の観光地から知る人ぞ知る穴場まで、達人だからこそ分かる一歩踏み込んだ“通”な情報を紹介しています。

「支笏湖氷濤まつり」おすすめの楽しみ方

  札幌から、新千歳空港から約1時間の都市近郊型の湖ながら、支笏湖は10年連続で日本一になるほど水質のよい湖。この透明度の高い支笏湖の水を凍らせた“淡く青い氷”を展示するイベントが「支笏湖氷濤まつり」だ。真冬に開催される、このイベントの楽しみ方を紹介。

夜の氷濤まつり

  寒さが最も本格化する1月下旬から約半月の間、開かれる「支笏湖氷濤まつり」は、上川町の「層雲峡氷瀑まつり」や札幌市の「さっぽろ雪まつり」と並び、北海道の冬を代表するイベント。2019年で41回目の開催を迎える歴史ある祭典であり、例年20万人もの人が訪れる。

このまつりの特徴は、透明度の高い支笏湖(千歳川)の水をくみ上げて凍らせた氷の美しさにあり。支笏湖はプランクトンの発生が少ない“貧栄養湖”であり、生活排水の流入もないため濁りが少ない。平成14年(2002)には透明度30.7メートルという記録があるほどだ。この透明度の高い水をゆっくりと時間をかけて凍らせるため、完成した氷も不純物が少なく青い光を通しやすい。染色していないのに、青く輝く氷。そう、夜のライトアップだけでなく、“支笏湖ブルー”と呼ばれる淡いナチュラルブルーの氷のオブジェを昼間も存分に楽しめるのが特色なのだ。

取材・文/たびらい編集部  作成/平成28年(2016)12月

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小林さん
(こばやし のりゆき)
小林 典幸さん

支笏湖氷濤まつりの達人
  支笏湖まつり実行委員長。支笏湖畔に生まれ育ち、学生時代から“氷濤制作”に携わってきた。夏は支笏湖北岸のポロピナイ(幌美内)でヒメマスボートと売店業を営む。この道、約30年の超ベテランながら「毎年、一定期間しかできない氷づくりは少しずつ勉強を重ねて今も進化中」と真摯な姿勢で支笏湖の水に対峙している。

自然現象「しぶき氷」の原理を活かした氷濤まつり

氷濤つくり

  4月下旬の「湖水開き」、初夏の6月下旬にヒメマス(チップ)漁の解禁に合わせて開かれる「湖水まつり」。そして、秋には名物・チップ汁が振る舞われる「紅葉祭り」が開催され、自然や紅葉観賞を目的に支笏湖には多くの観光客が訪れる。しかし、真冬の支笏湖にはイベントがなく、訪れる人も当然少なかった。

氷濤まつり4
▲鉄骨、自然木、農業資材など、さまざまな素材に千歳川の水を噴霧して、氷濤はつくられる。オブジェの中には氷ができてから、鉄筋の骨組みをばらすものもあり、大変なこだわりが隠されている。

氷濤まつり3
▲完成した氷濤。日中は陽の光が当たって、淡くブルーに見える。

氷濤まつり開催のヒントとなったのは「しぶき氷」という自然現象だった。水深363メートルと非常に深い支笏湖は湖面が凍ることがないが、冬場、うねりと高潮によって岸に吹きつけられた湖水が桟橋や陸に、氷の柱、また玉状になって凍りつく。この透明な「しぶき氷」を、スプリンクラーによる噴霧で人工的に再現したのが氷濤のオブジェ。骨組みで1カ月、水かけで1カ月。長い時間をかけて支笏湖の氷濤はつくられる。

いい“しばれ”(冷え込み)の状態の時に透明度の高い“支笏湖ブルーの氷”ができる、と小林さん。「マイナス10℃で風があると厳しい。マイナス7~8℃くらいの微風時が氷の厚みを出すベストタイミング。寒すぎてもダメっていうのも面白いですよね」。

幻想的なエリア「苔の洞門」はカップルにおすすめ

苔の洞門

  支笏湖氷濤まつりで一番歴史が古く、最も人気が高いのが「苔の洞門」だ。湖の南側にある名所・苔の洞門を氷で表現した幻想的なエリアで、特にカップルにおすすめ。苔をイメージさせる緑の葉はトドマツとエゾマツだ。中に入って歩いていると、松の香りがうっすらと漂ってくるのにもびっくり!

「昔は、水のかけ方も今ほど丁寧にはできず、内側からを水をかけ、凍らせていました。そうすると、どうしても氷が厚くなりすぎてしまう。改良を重ねた氷づくりの技と歴史も、この『苔の洞門』ゾーンで感じてほしいです」と達人は言う。“苔感”を出すために外側から水を噴霧し、時間をかけて水を徐々に染みこませ、松の葉をうっすらと凍らせるのが近年のスタイル。この場所は昼間でもLED照明によってライトアップされており、時間帯を問わずにその雰囲気を楽しめる。

会場には子どもが楽しめる工夫が盛りだくさん

湖底の水族館

  巨大な氷壁が間近に迫る「ビッグマウンテン」、会場内を広く見渡す展望スポット「天空回廊」や「ブルーシャトー」など、氷のオブジェの種類・趣向はさまざまだ。もちろん、子どもたちにおすすめの空間もある。「湖底の水族館」はヒメマス・ブラウントラウト・ウグイといった支笏湖に生息する魚を氷漬けにして展示する不思議な世界。平成26年(2014)には90センチの巨大ブラウントラウトが展示され、訪れたファミリー層を中心に評判になった。平成29年(2017)はその高い人気を背景に、氷の大オブジェ「氷の水族館」として独立展示される予定だ。

氷濤まつり6
▲オブジェのひとつ「ブルーシャトー」は、まさに氷の回廊の雰囲気。

氷濤まつり2
▲子どもたちに大人気の「アイススライダー」。混雑しすぎないので、何回でも挑戦できるところも好評。

氷濤まつり5
▲会期中は札幌のホーストレッキング業者も参加。会場内をぐるり1周する「引き馬体験」は、お子さんにおすすめ。

「氷濤まつりの魅力は、ちょうどいい会場の規模と実際に見ながら“触れられる”人と氷の距離にあります」と小林さんは言う。札幌の大通公園を中心に、雪像を眺めながら歩く「さっぽろ雪まつり」とは、また違った楽しみ方ができる。例えば、氷濤まつりの人気スポット、長靴のまま氷滑りを体験できる「チャイルドリンク」は子どもしか入れないエリア。体が硬く転倒時にケガをしやすい大人は入場禁止にしているが、常にスタッフが子どもたちを見守っているので安心だ。入場する子どもはヘルメットの着用が義務付けられており、40〜50人の人数制限があるので、安全に伸びのびと氷滑りを楽しめる。また、会場は混雑しすぎないので、滑り台の「アイススライダー」に子どもたちが何度も挑戦できる、と評判。

会場横の山から打ちあがる花火を楽しもう

氷濤まつりのオブジェ

  開催期間中の土・日・祝日は、18時30分から花火が打ち上がる。この花火の時間は約15分ほどで、ライトアップされた氷のオブジェとの対比もまた美しい。会場にほど近い展望台のある山側から上がるという、その距離感も特色のひとつだ。

「夏の花火とはまた違う感覚を楽しめるはずです。冬の冷えた空気の中で、間近に上がる花火の迫力を満喫してください。参加した人たちが拍手喝采するきれいさですよ」。

支笏湖氷濤まつりで味わえる人気グルメ

会期中の土日に登場する、人気の「じゃがバター」

  氷濤まつり7
▲使われるじゃがいも「洞爺」は、大人の握りこぶしよりも大きなサイズ! 食べごたえは十分だ。

フードサービスは、そばやうどん、肉まんなどの“祭りの定番メニュー”が中心だが、土日には小林さんおすすめの逸品が登場する。炭火で焼き、バターを乗せた「じゃがバター」だ。「北海道の人でもびっくりするくらいの大きさ。大人気です!」と達人太鼓判のメニューは、大滝村の「洞爺」というじゃがいもを使用している。また、会期中に売店で販売される「氷濤飴」というオリジナル商品も。氷とともに、ここでしか味わえないグルメ、味覚も楽しもう。

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氷濤まつりと一緒に楽しみたい、支笏湖グルメとお土産

  会場からすぐの飲食街で食べられるおすすめグルメと“支笏湖でしか買えない”お土産をピックアップ!

おすすめポイント
  支笏湖の名産が「ヒメマス」。水質がよいゆえに、支笏湖のヒメマスは脂っぽさ、淡水魚特有の臭みが少ないのが特徴だ。旬は6月〜8月の夏の間だが、現在、支笏湖では秋ヒメマスを使った「アキヒメ温玉ライス」や、魚醤つくりなどご当地グルメやオリジナル商品開発の取り組みが盛んに行われている。この湖を訪れたならぜひ、ヒメマス(チップ)料理を味わって。またビジターセンターのオリジナル土産や、湖西岸にある「丸駒温泉」だけでしか購入できない日本酒など、お土産選びにもこと欠かないフィールドだ。

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  厳しい寒さと雪を“遊び”に。伝統のお祭りから、気鋭の人気イベントまで紹介。

おすすめポイント
  支笏湖の氷濤まつりと同様に氷のオブジェを楽しめるのが上川町で開かれる「層雲峡氷瀑まつり」。「火の宴」という花火大会や日本酒を提供する場もある。この氷瀑は石狩川上流の水をくみ上げ、噴霧してつくられており、制作手法も支笏湖のものと似たものだ。また、おそらく北海道で一番メジャーな冬のイベントが「さっぽろ雪まつり」だろう。氷濤まつりが間近にオブジェを見て、触れて楽しむイベントであるのに対し、こちらは“巨大雪像を眺めて楽しむ”趣がある。近年は雪まつりと氷濤まつりをセットで観光する人も増えているので要チェック。

支笏湖のおすすめ観光スポット

  春以降のドライブから秋の紅葉観光など、シーズンを通して楽しめる支笏湖。イチオシの観光スポットとは?

おすすめポイント
  氷濤まつり会場の人気スポット「苔の洞門」は空想ではなく、実在する場所にヒントを得てつくられた。支笏湖温泉街から洞爺湖方面へ車で20分ほどある“苔”の名所が「苔の洞門」。こちらは現在、岩盤崩落の危険性があり内部を歩くことができないものの、展望台から眺められるので、夏場に一度訪れてみてもらいたい。支笏湖ビジターセンターは年間を通してオープンしている無料施設。館内はとても広く、支笏洞爺国立公園の成り立ちを楽しく学べるほか、休憩スポットとしても適。トイレも非常に清潔で人気の場所だ。

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氷濤まつり会場への交通アクセス

  支笏湖畔には鉄道が通っていないため、札幌・千歳のどちらから行くにしても車(レンタカー)かバスでのアクセスとなる。新千歳空港、千歳市街地からは平坦な道だが、札幌からは峠越えのルートとなるので、雪道に不安のある人は公共交通機関をおすすめする。冬期限定運行の「名湯ライナー」を使うのもおすすめだ。

氷濤まつりのイベント詳細情報

  【開催期間】
2019年1月25日(金)〜2月17日(日)

【開場時間】
9時〜22時 ※ライトアップ:16時30分〜22時

【会場/住所】
北海道千歳市支笏湖温泉

【駐車場】
400台(冬季無料)

【問い合わせ(電話番号)】
0123-23-8288/支笏湖まつり実行委員会

車(レンタカー)で

  【札幌市街から】
国道453号線を経由し、約50キロ、約1時間15分

【新千歳空港から】
国道36号線、道道16号線(支笏湖通)を経由し、約30キロ、約40分

バス(名湯ライナー)で

  【運行期間】
2018年11月1日(木)~2019年3月31日(日)
【料金】
片道500円
【経路】
往路:札幌駅(13時30分)- 丸駒温泉(15時頃)- 支笏湖温泉(15時20分頃)
復路:支笏湖温泉(10時00分)- 丸駒温泉(10時20分頃)- 札幌駅(11時45分頃)

バスで

  新千歳空港から「千歳空港・支笏湖線」(中央バス)を利用し、支笏湖畔ターミナルまで約50分。

達人が答える「支笏湖氷濤まつり」Q&A

Q 入場料金はかかりますか?
A 料金はかかりません。しかし、このイベントを継続して行うことができるようウエルカムゲートで「氷濤まつり支援金」をお願いしています。
Q 花火のほかにイベントはありますか?
A 「支笏湖国際太鼓」のメンバーが中心になって力強い和太鼓の演奏を行う「氷濤ダイナミックナイト」や、景品が当たる氷切りゲーム大会「氷濤会アイスカット大会」も行われます。また、公募によって選ばれたカップルが実際に挙式する「氷濤ウェディング」も大いに盛り上がります。実際には寒いですが、新郎新婦の新しい門出にあたって参加者みんなが拍手喝采するという温かいイベントです。
Q チャイルドリンクに、大人は入れないのですか?
A 長靴で滑るチャイルドリンクは子ども限定です。全員がヘルメットを着用し、人数制限もかけており、子どもたちが安心して楽しめるように工夫しています。大人の方は体が硬いため、転んで怪我をする率も高いので、入場禁止としています。
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