世界の焼き物に影響を与えたといわれる日本で最初の磁器は、県西部に位置する有田町で作られる「有田焼」だ。この焼き物は約400年前から連綿と受け継がれ、北に接する伊万里の港から積み出したため、「伊万里焼」とも呼ばれる。また、「唐津焼」も佐賀県を代表する伝統産業の一つで、16世紀後半の桃山時代に唐津市北波周辺で作られたのが起源とされる。第一次産業としては、佐賀平野では穀類中心の農業が盛んで、「天使の詩」や「夢しずく」などのブランド米が生産される。玄界灘に面した地域では沿岸漁業が、その内陸部では果樹栽培や畜産が行われている。東松浦半島の突端にある港町・呼子には、大正時代から続く朝市が立つ。有明海では乾海苔の生産が多く、年間の収穫量は全国1位。両目が突き出し、ユニークな姿で干潟をはって歩くムツゴロウは、有明海のシンボルだ。