1. 2016年、北海道観光にはどんな動きがあったの? 今年の出来事と来年予想・たびらいまとめ【前編】

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2016年、北海道観光にはどんな動きがあったの? 今年の出来事と来年予想・たびらいまとめ【前編】

【投稿日】2016年12月29日(木)| 北海道発

平成28年(2016)、北海道は観光面でどのような動きがあったのでしょう。交通、天候、観光施設の展開、そして新たな地域の盛り上がり……1年間の北海道をたびらいの観点から、前編と後編に分けて振り返ります。


北海道新幹線開業



▲ついに新幹線が北海道に上陸。青函トンネル開通以来の大規模な交通網の転換点となる

3月26日(土)、北海道新幹線が開業。新青森~新函館北斗間を往復する26本の新幹線が運行を開始しました。これに伴い、函館市、 北斗市 木古内町 の3市町では大規模な開業イベントを実施。また、開業日には函館の空をアクロバット飛行隊・ブルーインパルスが飛び、道南一円が歓迎ムードに。

2016年度上期(4~9月)、函館を訪れた観光客のうち、99万7700人の人がJRを利用しました。これは、前年同期に比べて43.7%増の数字。また同時期、366万5000人もの人が(前年同期比14.1%増)函館を訪れ、 道南地方が新幹線開業によって大いににぎわった1年となりました。


道南に起こった新ホテル誕生の波



▲アイヌ語で「木の花がいっぱい咲く森」を意味する「エプィ」。スパリビング付・ツインルームや露天風呂付・ツインルームなど、豪華客室を備えている

この北海道新幹線の開業は、周辺の宿泊業界にもプラスの効果を及ぼしました。8月、道南の大沼国定公園の一角に、鶴雅グループの新オーベルジュ「大沼鶴雅オーベルジュ エプィ」 がグランドオープン。敷地面積2万平方メートル、約8000メートルの広大な庭園を備える豪華な「エプィ」は、「大沼50マイルスローフード」をコンセプトに掲げた注目のオーベルジュ。大沼を中心に約80キロメートル(50マイル)圏内の食材にこだわった創作料理を提供する宿泊施設です。


▲9月、リブランドオープンした函館初のインターナショナルブランドホテル「フォーポイントバイシェラトン函館」。函館から徒歩1分にあり、函館山、函館港を一望できる

このほか、函館・湯の川温泉の「笑 函館屋」「ホテル万惣」、「フォーポイントバイシェラトン函館」 など、ホテルが続々と開業(一部リブランド、リニューアルオープン)しています。

来年(2017)3月には、北斗市に新ホテル「ラ・ジェンド・プラザ函館北斗」がグランドオープン予定。新函館北斗駅から徒歩1分の好立地の同ホテル、その1階には大規模な物産コーナーがつくられる予定となっており、道南旅行の新たな拠点として注目です。


北海道各地に出来た新・観光スポット


▲JR線の車窓からも見える「EBRI」。「江別(Ebetsu)」の産業「レンガ(Brick)」を活かした個性的な施設

今年、北海道には新しい観光スポットが続々とオープン。赤レンガのまちとして知られる道央の江別市には、3月、まちの産業遺産「旧ヒダ工場」をリノベーションした「EBRI(エブリ)」 が誕生しました。テナントには飲食店や雑貨店、旬の食材が並ぶ市場など、江別市の魅力を伝える個性豊かな7店舗が入っており、薪窯・石窯で焼き上げたパンやスイートポテトも味わえる興味深いスポットです。


▲「サッポロビール博物館」のプレミアムシアターでは、初の国産ビールが生まれた物語を7分間の映像で楽しめる

また、日本唯一のビールの博物館「サッポロビール博物館」 もフルリニューアル。6Kワイドスクリーンを採用したプレミアムシアターや、日本初の国産ビール「札幌製麦酒(復刻版)」を試飲できるプレミアムツアーが話題を呼んでいます。


▲「オホーツクタワー」の2階に新設された新アトラクション「4Dキングオホーツクシアター」。単なる3D映像ではなく振動や風までも感じられる360度の超立体映像シアターだ

道東の注目施設は紋別市の「オホーツクタワー」 。10月に地下1階と2階を大きく改装し、光と音の演出を楽しめる施設に生まれ変わりました。今冬に流氷観光を楽しむ予定の人に、ぜひおすすめしたい施設です。

台風に襲われた北海道と、その後の展開

8月、北海道に3つの台風が上陸。通常、台風は北海道に接近する頃には温帯低気圧となるため、これまで経験したことのない風と豪雨の連続に道民は驚きを禁じえませんでした。過去最多の上陸となる3つの台風は、総額528億円にものぼる甚大な被害をもたらしたのです。

台風は北海道の路線網を次々と寸断。狩勝峠(かりかちとうげ)、日勝峠(にっしょうとうげ)などの北海道を代表する峠道が長期通行止めとなったほか、宗谷本線・石北線・石勝線・根室本線といったJR各路線も運休に。12月、クリスマス連休を前にJR石勝線と根室本線が復旧工事を終えて運転を再開したのは、うれしいニュースです。



▲標高300メートルの展望台駐車場・新嵐山スカイパーク展望台に期間限定でオープンする「とかち天空カフェ」。十勝平野を眺めながらランチを楽しめる人気の催しも、今年は中止となった

十勝、知床・網走地方は台風の影響を直に受けたエリアです。「とかち天空カフェin芽室」や「らうす産業まつり」、網走の「ひまわり畑ライトアップ」など、8月に予定されていた多くのイベント・催しが中止を余儀なくされました。



▲北海道で最も標高の高い人気ドライブルート「三国峠」も台風の影響を受けた。この峠の南に位置する、上士幌町(かみしほろちょう)・ぬかびら源泉郷が発行したオータムクーポン が大人気に!

しかし、ピンチはチャンスでもある。台風を機に、多くの人へ声をかけた温泉郷がありました。9月下旬、紅葉の名所・三国峠の通行止めが続いていた上士幌町のぬかびら源泉郷がオータムクーポン を発行。5000円相当の宿泊クーポンを先着1000人にプレゼントする、この呼びかけに多くの人が応じ、発行初日に“満員御礼”となったのは印象深い出来事です。


▲12月にオープンした「ガーデンスパ十勝川温泉」。ナイトスパやスパ内でのホットヨガも体験できる

また、同じく被害を受けた音更町(おとふけちょう)の十勝川温泉には、12月に「ガーデンスパ十勝川温泉」 が誕生。ここは、1130平方メートルの施設内に水着で楽しめる“モール温泉”、カフェ、体験工房などを備えた新感覚の入浴施設。

大変な時期こそ、元気に、たくましく。
顔を上げて前へ進んでいる北海道各地に、ぜひ足を向けてほしいと思います。


【北海道観光ニュース2016・後編】 はこちら

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