
平戸藩の野崎島にあったキリシタン集落は、当時、野首と舟森のふたつでした。海上交通の守り神とされる沖ノ神嶋神社の氏子であると装う形で信仰を続けてきましたが、解禁後はカトリックへ信者であることを明かしたために迫害されます。
そこで信者たちは、1881年に舟森に、1882年には野首に教会を建てました。1908年には弾圧され続けた人々が一日2食にするなど生活を切り詰めて費用を工面。集落に住む17世帯が、名工・鉄川与助の設計施工による野首教会(旧野首教会)を建築しました。
今は無人となった島に静かに佇む元野首教会ですが、文化財として改修されたあと長崎県指定有形文化財に指定されています。
野崎島は現在、古民家ステイや閉校になった小・中学校を活用した自然学塾村などの体験型施設を完備。修学旅行などの団体や、個人旅行者などの日帰り、宿泊体験を行うアイランドツーリズムを行っています。
美しいビーチでのんびり過ごしたり、沖ノ神島神社、伝説も残る王位石などガイドツアーに参加したりもできますよ。旧野首教会の見学は(個人・団体問わず)事前連絡が必要です。