
黒島天主堂のはじまりは、生月(いきつき)や外海(そとめ)から移り住んできたキリシタンからでした。初めて常駐したマルマン神父は、教会の基礎として特産である黒島御影石を積み上げて、レンガも40万個使って1902年に黒島天主堂を建築しました。
島内でレンガを焼いたものの、良質なものが仕上がらず祭壇の下に敷き詰められた有田焼の磁器タイルは見逃せません。島の外から買い入れて信者たちが浜から担いで運び上げたと言われています。
教会は、迫害に追い詰められながらも信仰心を捨て去ることなく、祈りをささげ続けた人々の心を強く守る存在でもあったのかもしれません。
明治期に建てられたレンガ造の教会のなかではかなり大きく、ロマネスク様式の簡素な外観が印象的。この建築がその後、近隣の教会建築にも大きな影響をもたらしました。1998年には国の重要文化財に指定されています。