
もともと、避暑地として人気だった雲仙では、訪れた外国人のためにカツ丼にデミグラスソースをかけて提供していました。これが雲仙名物「雲仙ハヤシ」のはじまりです。現在でも、雲仙の飲食店ではこの「雲仙ハヤシ」をルーツに持つさまざまなメニューが提供されています。

なかでも観光客に人気を集めるのが、人気カフェレストラン「グリーンテラス雲仙」の「雲仙オムハヤシ」です。10日間かけて煮込んだフォンドボーをベースに作られたドミグラスソースは、肉やワイン、香味野菜が溶け込み、あふれ出たうま味でコク深く芳醇。とろとろの玉子とチーズとともに、ライスにたっぷり絡めていただきます。
また、同じフォンドボーを使ったお山のビーフシチューもこちらの看板メニュー。グツグツと音を立てて運ばれてきたシチューには、軟らかく煮込まれた長崎和牛がごろり。その軟らかさはスプーンがすっと通るほどで、口の中でほろりと溶けるように崩れます。

そんな料理を作るのが、雲仙市出身の塩見正彦シェフ。長崎の素材を生かした料理づくりにこだわり、野菜は地元の農家さんの畑に出向いて直接購入することもあるとか。また野菜や肉、魚介だけでなく、水にまでこだわりをみせます。雲仙のお隣、島原の湧き水を固めて作るデザート「お山のしずく」も要チェックです。