
大正12年(1923)から昭和13年(1938)まで、小浜から愛野間を結ぶ鉄道として利用されていた「温泉鉄道」こと小浜鉄道。現在ではその線路跡が、県道201号線として利用されています。
かつて岩盤を切り開いて線路を敷いた区間が長く幅の狭い山道になっていて、道の脇にプラットホーム跡が残っていたり、狭い鉄道トンネルを車でくぐれる場所があったりと、ところどころに当時の面影が残り、不思議な魅力を感じる道です。映画「悪人」で祐一と光代がスカイラインで逃走するシーンのロケ地として使われたことでも知られています。
近年では、新緑の時期に木々の葉がまるでトンネルのように両側から生い茂って空を覆うことから、「緑のトンネル」と呼ばれ親しまれていました。現在は交通安全を確保するため道を覆っていた木立は伐採されていますが、ここならではの旅情はそのまま。鉄道ファンならずとも一見の価値ありです。